青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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薪ストーブである。独立以来取り付けたストーブは10台以上に上る。最初につけたストーブは15年以上になる。東日本大震災では停電中暖房はもちろん煮炊きまで大活躍だった。以来ストーブの取り付けを検討する方が増えた。似たような燃やすタイプのストーブにペレットストーブがある。燃料が手に入りにくく普及しない。

薪ストーブは電気も使わず環境にも優しいというイメージがある。薪を燃やすわけだから二酸化炭素と水を吐き出す。それだけでなく煙の中には匂いや様々排出する。もし全世帯が薪だと環境悪化になるのでヨーロッパでは禁止されている。だから環境に優しいかどうかは疑問もある。DSC_4796

さらに燃料の薪だが良質の広葉樹にこだわれば山から出すのが間に合わない。将来は輸入物の可能性もある。住宅街では匂いがご近所迷惑でトラブルのところもあるので注意が必要だ。郊外で敷地も広く保管スペースや割る場所もあることが条件になる。

純粋に燃料費から見てコスト的に安上がりかどうかだ。薪だけで暖房するとすれば一冬で5,6万円くらいの出費が必要だ。電気や灯油による暖房でも一冬だと同じかそれ以上になる。ただし保管スペースや手間を考えると安あがりな部分もある。CIMG2174

建物の設計にはかなり検討が必要で大きく左右される。高断熱の普及で全館暖房が可能で薪だけでも十分だ。熱の対流や薪の搬入などしっかりと設計することが肝要だ。掃除のしやすさとか焦げたり火の粉が飛んだりするので配慮する。基本的には土間で吹き抜けが一番効率が良い。

確認申請では消防法の規制による検討が必要だ。遮熱壁を設けたりすることも多い。遮熱壁を設けると内装制限はなくなる。大きな部屋でもない限り内壁から一定距離取れない場合は遮熱壁を設ける。床は制限はないが汚れや火の粉対策で大きめに必要だ。DSC_3483

薪ストーブはストーブ本体よりも煙突が重要で値段も高くなる。断熱材入りの二重煙突を使えばタールが垂れたりススが詰まったりしにくい。燃えも良くなるので最低必要条件だろう。自分で購入取り付けもできるが専門の業者に頼むのがベストだ。メンテナンスと煙突掃除もやってもらえる。

ストーブ本体は輸入物の鋳物ストーブが主流だ。伝統もあって作りがしっかりしているのとノウハウが違う。国産もあるがノウハウも少なく大きなメーカーもない。安い中国製も出回っているが煙突も含め自分で設置なので住宅用としては使えない。CIMG0023

煙突も二重煙突は輸入物が主流で性能も良い。ストーブ本体から真上に屋根に出す方法と壁からだして外を立ち上げるのがある。基本は真っ直ぐに立ち上げるのが良い。屋根から出す場合は防水が重要で出し方がある。

煙によるトラブルは今後気をつけなければならなことだ。風向きによってはお隣に匂いがいく。燃やす薪にもよるが完全に乾燥していないと特に臭い。煙突を高くつけたり十分な対策をとる。煙だけでなく薪を積む際に虫がついて問題になることもある。CIMG2012

薪を自分で割ったり木を用意すれば安く上がる。割る場所と保管場所が必要でチェンソーを使う場合は騒音に気をつける。運ぶのにトラックを用意できれば完璧だ。薪置き場はあったほうが良いが屋根だけでも十分だ。

薪ストーブの輻射熱はエアコンなど違い体に優しい。ゆっくりと一日つけて暖房すると快適だ。クッキングをやったりお湯を沸かしたり活用次第で使い道は色々有る。インテリアとして見ても自然素材住宅には向いている。100_3953