青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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ご先祖が植えた木で家を建てるのは意義のあることだ。ただし言うは易しで現実は厳しくハードルは高い。伐り出すだけの価値がない木も多い。50年生が分かれ目だが一番多い。70年生くらいになるとグッと減る。90年生クラスは良い値で取引されるが滅多に出ない。

先祖の山の木で建てたいと言うのがあって山を見に行った。墓地の隣で反対側は住宅地、樹齢は90年以上。木だけを見ればこれ以上ない物件だが倒せない。吊るし切りも考えたが量もあるので合わない。

実は良い物件は何か不利な条件があって残っている。簡単に出せればコストも安いし残っていないわけだ。別な時に谷底にあったとんでもなく太いのを見たことがある。出しにくいから価値があるのか出すのに金がかかるのか。000_0260

伐り出しできなかった銘木であろう木をたくさん見てきた。伐った現場の奥に道路もなくさらに良いものがある。奥の所有者に交渉するが建てる予定もなく出す気もないと。赤松の100年以上の見事な木で写真を見ると今でも欲しくなる。

親戚の山から出してと言うこともあった。先祖の山なのだが相続がらみで直前になって中止もあった。普段は関心がないのに伐るとなって相続で揉めたのだ。いかに山の木に関心がないかだ。

意外と多いのが住宅地の家の周りの木だ。銘木とは言えないが陽当たりが良くて太い。倒すのに吊るし伐りとか金がかかる。住宅地にあるものはただ太くて目が粗く材として見ればあまり価値がない。000_0309

逆に山の所有者が使ってくれるのを心待ちにしていた例もあった。建てたいと思った時に近くに祖父が手入れした80年くらいの杉があった。孫が建てるのに使いたいと言ったら大喜びで提供してくれた。枝打ちも下草刈りも行き届いた素晴らしい山だった。

山から出して建てるのには製材乾燥に保管場所が必要だ。丸太を一時保管する場所とか製材後の桟積みした材木を積む場所だ。森林組合とか土場に預かってくれるところもある。製材後が大事なので桟積みして晒したり倉庫へしまう。当社では設備も場所も用意できる。

これらの一連の管理を任せる業者が必要になる。山から出して製材乾燥するには家を建てる業者が一番最適だ。昔は工務店はどこでもやっていたが今は難しい。当社ではできるだけ地元材を使って建てて欲しいので推進している。000_0342

山の木を買い取る業者は昔からいる。山師とか言われる人たちだ。交渉上手でたたいて買うことが多かった。森林組合などがそれを引き継いでいるが製材や乾燥は請け負わない。製材所も丸太を買ったり製材の賃挽きはしてもらえるが伐採はしない。全部一貫して管理できるところは少ない。

以前であれば伐採、製材、乾燥と一連の仕事をやるのは大工が多かった。棟梁が建て主から依頼され木こりと製材所を連れてくる。資金繰りもあって伐ったらすぐ製材し現場で乾燥した。住宅の暖房が普及した現在では乾燥が不十分で使えない。

私が子供の頃は移動製材所が建てる場所の近くに出張してきた。ポンポンと音をたてた動力機と大きな回転する鋸がセットだ。近くの山から出してすぐ製材した。角は桟積み、板は立てかけて乾燥させる。
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一番のネックは資金繰りで建てる前に払う必要がある。伐採工賃と運賃は丸太を多く出して売るのが普通だ。製材工賃と乾燥代は多く製材し建てる業者に売る方法もある。どちらにしても予定量よりも多く出すのと良い丸太を出すことだ。

買い取った材木を次の現場で使うことになるので手刻みをする業者以外にはできない。山主から見ると自分の家以外に使われる丸太が多く出ることになる。ある程度の面積と樹齢5,60年以上が前提になる。