青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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打って変わって梅雨らしい天気になった。1日雨でしつこくて雨量も多い。こう言う雨が降るとクレームの電話が気になる。まあ雨漏りなのだが強さではなく雨量が多いと漏る。デザイン優先の住宅ではほぼコーキングだけで雨を防ぐようなのが多い。あれは保たないだろうなといつも思う。 
 
雨漏りではないが瓦屋根の樋で苦労する。瓦は雨が降り始めや強さで落ちる角度が違ってくる。つまり雨樋に入らないで外壁などを濡らす。数奇屋などでは雨樋をつけないで砂利で跳ね返りを防いだりする。積雪地だと雪でで樋が曲がる。 
 
トタン屋根だと雨樋は幅が3寸5分(105ミリ)が普通だ。瓦は最低でも5寸(150ミリ)は欲しい。だが5寸では見た目が悪い。まるで工場の樋のようで見苦しい。しかもアンコウも立て樋もごっつい。 
 
出入りするには樋がないと濡れてしまう。妻側から入れば良いがそうもいかない場合もある。瓦屋根には銅製も多い。見た目もあって角樋で幅が130位になっている。この位無いと入りきらないのだ。銅で和風の角樋は価格も相当する。 
 
日本は雨の仕舞が建物に大きく影響する。たかが樋ひとつでも外観が大きく変わる。雨処理は家の耐久性に大きく貢献する。基本的に軒の少ないものや雨処理が難しいのは避けるようにしている。 
 
初期の頃、と言ってもつい5,6年前までデザインのために雨処理が不十分なことがあった。今だと軒は3尺(90センチ)は出しているが軒なしも過去にはあった。外壁は金属にしたり工夫はするがどうしても漏ってくる。コーキングで処理するのだが基本的には止まらない。 
 
長持ちさせるにはデザインよりも漏らないようにするのが一番だ。デザインは一時の面白さだが築50年を目指すには漏らないようにするのが基本だ。そうすると外観が昔風になりパッとしない。私は内部で工夫するスタイルがこの頃多い。見た目重視の傾向が強まって苦戦はする。しかし雨の度にクレームの電話が鳴るようではこれもまた困る。