青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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ナンダカンだとオリンピックも終わった。いつもなら高校野球を見るのがすっかりオリンピックだ。東京都知事選挙から続いてそちらに注目を持っていかれた。台風の影響もあってすっきりしない天気が続く。 
 
作業場では今日から大工が二人体制になった。先週引っ張りだした材木を今日から鉋掛けをして寸法を決める。栗の土台、柱や胴差しに使う杉の4寸角など基本となる材木を加工する。寸法を決めたら墨付けをして刻む。 
 
大黒や梁など見栄えのするところは広葉樹で作る。杉などに比べ乾燥が十分でないと割れたり曲がったりする。しかも固くて加工そのものも難しい。体力勝負のきつい仕事でやりたがらないのもいる。 
 
プレカット時代は加工や刻みが不要で大工の技術そのものが変わってしまった。刻みをするには材木に墨付けをする。何十年もやったことがない者やまったく経験がない者までいる。現場が極端に少ないので見たり経験すらできない。 
 
木取りから墨付けまでできるのがいないと手刻みの古民家はできない。一人では負担が大きく相棒が必要だ。建てる時は組み立てるのでプレカット大工でも何とかなる。人数がいないと進まないのであちこちから集める。 
 
今は木取りから墨付けに入るところだ。先週息子と二人で倉庫をひっくり返して材木を選んだ。修正挽きをするものと作業場の機械で加工できるものを分けた。刻みは土台から始まり二階の床まわり胴差し、二階の屋根周り桁へと続く。母屋など横が終わってから柱など縦になる。二人で概ね1月はかかると見込んでいる。  
 
設計者である私の役目はと言うと細部の意匠の打ち合わせがある。図面があるので大工はだいたいはできるが細部の寸法やデザインなどは相談の上決める。設計者がすべてではなく大工の意見を聞きながら自分のイメージを伝えていく。 
 
設計者の中には大工の意見を聞くと自分のイメージが壊れると言うのもいる。強引に自分の意見を通すことになる。経験豊富であればそれもアリだがよく知らないのにやると中途半端でクレームのもとになる。