青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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少量こだわり価格

昨日は所用で朝から出て歩く。午後から銭湯に行く、以前建てた方とバッタリ。夕方から新しくできた新聞カフェと銘打った寿司屋に行った。娘と家内の三人で行ったが寿司屋と言う雰囲気ではない。カフェと言うくらいだから和風とは大違いで馴染めない。 
 
当地では回転すしが大流行で大手がひしめき合う。平日の昼から駐車場も満員になる盛況だ。子供と行ったからかれここれ20年以上行ったことがない。回転寿しと言えば少し古くなってパサパサの寿しと言うイメージがある。近年は注文が当たり前で握りたてが食べられるようになっている。 
 
以前は地元の業者の回転すしがあった。廃業が相次ぎ1社くらいしか残っていない。サービスの質や店内デザインは大手には敵わない。肝心の寿司にしてからがマグロは中央から流れてくるから地元は不利だ。その上安いとくれば勝負ありだろう。 
 
住宅も若者を中心に大手の限りなく建て売りに近いものが大流行りだ。地元で対抗できる業者はデザインをウリにしているところのみだ。10年くらい前だったら地元志向とか健康志向があった。今はもう死語に近い。安くデザインもそこそこで大手の安心もプラスと考える層が増えた。 
 
当社としてはほぼ壊滅に近いのでこのような層は狙わない。古民家とかこだわりの一部の層が狙い目だ。それにプラスする所の築年数の経たリフォームがある。中高年層の中にはプレカットやビニールクロスに飽き足らない方がいる。 
 
若い時に建てた家は予算の都合で大壁だが子供の頃見た真壁の家に憧れがある。そこでリフォームするなら思い切って一部屋だけでも古民家にしたい。終の住処には古民家は似合うしどうせ大きな家は不要だ。一部分に思い切った予算をかけてゆったりと過ごしたい。と、こう言うのを狙って古民家リフォームができた。 
 
リフォームは大手でも工務店でも手間ヒマがかかるのは同じだ。だったら中小でも大手に対抗できる。それもこだわった古民家とか地元志向もありだ。回転すしには手間と腕で勝負する寿司屋でないと対抗できない。大量低価格には少量こどわり価格で勝負するしかない。cimg5588


外断熱

ガッチリ冷え込んで道路はアイスバーン状態。材木を積んで現場への途中で滑ってハンドルを取られる。トラックは夏の間もスタッドレスを履いていたがすり減って滑る。現場は今日からまた二人に戻ってサッシ取付が済んで外部の断熱材を貼った。とりあえずこれで外部は塞がる。 
 
先ほどもお施主様のご家族が現場へお見えになった。奥様やご家族の関心は暖かい家にして欲しいと言うことだ。断熱は古民家であっても要求される時代なのだ。ご主人はこだわった家つくりであっても家族には単なる趣味の問題かもしれない。 
 
とかく古民家風を標榜する工務店には耐震性や断熱をないがしろにする例もある。確かにこれらは相反することも多く無視したいのも山々なのだ。外部は特に難しく屋根垂木現しは和風の基本なのに断熱のためにできなくなる。今の現場は本屋がそうで垂木現しは下野部分に限られる。
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内部の真壁には断熱材を外にする必要がある。基礎はもちろん天井も外断熱になる。連続性を保つためにはグルリと外断熱になってしまう。すると屋根は垂木の外に断熱だから現し垂木ができなくなる。断熱のない下野部分は例外になる。 
 
外壁を貼る関係から壁はできるだけ薄くしたい。でないと板を貼ってササラをつける鎧張りの場合は柱から離れてしまう。となると断熱材は手に入る最高級のものになってしまう。今だとウレタンが一番性能が良い。で、ウレタンの外断熱になった。
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来週は月火と大工はよその応援に行く。借りたお返しなので断ることができない。なんだかんだと住宅が建っているのか大工が足りない。水曜には下野部分の加工と搬入があってトラックを借りる。フローリングの材料を運ぶために私は遠くまで走る。来週は足場の組み替えや瓦屋、板金屋と業者の出入りは多い。


施主の満足

朝が冷え込むわりには日中は気温が上がった。日も出て午前中はお施主様と現場で打ち合わせ。お施主様も鐵工所経営なので職人肌で納得するにも時間がかかる。些細なことでも時間をかけて納得するまで説明を聞く。内部外部のデザインとかこちらの考えを伝えて反応を見る。 
 
設計者の中にはデザイン等について施主の意向を聞かないと言うのもいる。私はできるだけ聞いてダメなものは説得することにしている。いきなりこちらの意向を通そうとしたり無視したりはしないようにしている。となると施主の反応次第で時間をかけたり強引にいったりする。 
 
所詮素人は思いつきにも限度があってまあ子供騙しみたいなことを言う。無下に反対したり無視はできない。時間をかけて説明し納得するまで諦めない。私はどちらかと言うと現場で思いつくタイプなので図面段階でできることが少ない。建ててから色々思いつくと言う困ったタイプなのだ。 
 
大工は基本的に最初の図面の通り作る。あとで変更は手間がかかることが多いから嫌う。しかし後でないとわからないこともあるのも事実だ。息子が棟梁なのは意見が通りやすいのがある。外注で現場単位取り決めだと後からの変更は追加工事になる。当たり前だがこだわった家つくりは後での方がわかりやすい。で、変更が多くなる。 
 
そしてそれを施主に説明するのだが相手も職人で簡単に納得しない。大工たちは言い合いをするこちらを呆れた眼差しで見ながら仕事をする。基本的には施主が納得するまで続くから2,3時間はすぐ経つ。今日のはエアコンの取り付け位置だった。 
    
こうやって手間がかかるのは大工だけでなく設計にも膨大な時間をかけて家を建てる。かけた時間に比例して施主の満足度が上がると言うことだ。このやり方は変える気がないから年間で建てられる棟数が限られてくる。大工も一つの現場に半年もかかりっきりだからちょうど良いのだが。cimg5503


構造材現し

朝晩は霜がおりて起きると下の犬小屋が見える。夏は少しでも音がするとワンコが起きてこちらを見る。寒くなるとさっぱり出て来る気配がない。ワンコも寒いと億劫になるのだろうか。現場も周辺が凍るようになって溶けると靴に泥がついて中を汚す。
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来週は別な組の応援で大工がいなくなる。今週中にサッシがついて外部が塞がる。瓦屋は来週から予定しているのでとりあえず雨雪のの心配はない。玄関の下屋を加工しないとならないので少し現場が遅れる。10時に金物検査があって外部の断熱材を貼れるようになった。 
 
今度の現場は屋根が現しになっている。二階天井がそのまま屋根なりに勾配になっている。材木も手間もかかるので予算次第でいつでもとはいかない。杉材で組むので野地板も含め全て杉になる。ほとんど無節なので薄いピンクが壮観で綺麗だ。 

このやり方をやったのは今度で二度目だ。やりたいのだが上りに掛ける垂木も無節の105角だし野地板も節がない。とにかく無節のオンパレードなのだ。もちろんカンナがけから刻みも組み立ても手間がかかる。その代わり普通の家では見ることのない美しい構造を見ることができる。cimg5578   
数寄屋とか和風では構造材を見せることで美しさを表現する。見せるのは材料だけでなく技術も見せることでもある。刻みからカンナがけ、込栓まで見られることを意識している。女性と同じで見られることを意識するから綺麗になる。隠すことを前提にする大壁の家では楽屋裏は見られたものではない。 
 
私はどちらかと言うと外観より内部を重視する。外観では構造材の美しさを見せる部分が少ない。特に断熱が重視されるようになり外部の真壁が不可能になった。屋根垂木も内部は現しなのに外部は塞がれている。ことほど左様に大壁の家のような作り方を前提の断熱とか耐震は和風には向かない。今できる最大の努力で下屋部分だけ構造現しになっている。


加工場

今年一番の冷え込みになって道路も凍っている。朝一で新しい加工業者のところへ行った。製材所で羽目板やフローリングを作る。ネットで見つけて電話をして行ってみた。 
 
都会向けの小割材を専門に挽く製材所でこれも生き残りの一環だ。地元の大工工務店だけを相手にした商売は過去になり一定量さばくには都会に目を向けるよりない。それも構造材なしで小割材専門と特化している。その過程で出た杉の無節の板を加工している。昔風の製材機を置いた加工場はそれで小さな製材所になる。本業以外にも雑木なども山から出るがそれらをこちらで手挽きしている。 
 
サンプルを見た限りでは厚み、サネ形状など悪くはない。値段も安いし引き取りに行くにも今の加工場より近い。ただ本格的な繋いで作るフローリングや厚板は加工できない。ここが欠点と言えば言える。当社の工場から見ても1時間以内で行けるのはありがたい。cimg5572 
現場では今日も4人で二階のサッシ取付が終わった。一階も半分できたから明日には終わるだろう。明日は金物検査もあるし済めば外部に断熱材を貼れる。つまり塞ぐことができる。まずは一安心と言うところだ。 
 
それが済むと今度は加工に一度戻って下屋部分を作る。その間瓦屋が母屋の屋根を葺く。下野が完了次第続けてできるから都合がいい。大工は外壁張りになって年内でいいところまでやりたい。6寸幅の板を重ねてササラをつける鎧張り二なる。ここだで来ると外観は完了だが塗装や小壁の漆喰が残る。凍るので春に予定している。