青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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全て作る

今日も現場は急ピッチの仕上げ。朝方は冷え込んだが日中はなんとか晴れる。親戚の不幸ごとで日中抜けたが午後から製材所へ。次の現場の材料を挽き直してもらっていた。なんとか必要な数量が間に合った。 
 
引き渡しが近づいて仕上げのペースが上がってくる。遅れ気味の大工に皆合わせてもらって各業者が集中する。いつも最後はお祭り騒ぎになる。各業者から電話がなり材料が足りないの寸法を教えろのとうるさい。 
 
うるさいも何もこちらがお願いしているのだが何かと重なる。キッチンの製作もガス工事や給排水の都合もあるから何かと電話をする。制作すると一口で言うが細部の寸法や仕上げは業者ごとに都合がある。 
 
メーカーの既製品だと扉ごとの隙間をどのくらい見るか、引き出しの奥行きはどうかなど細かい。普通は知ることもないし気にしたこともない。作る大工にすればそこがわからないと困る。 
 
設計者は見た目と使い勝手ぐらいしか思い浮かばない。扉の隙間とか引き出しの寸法なんて考えたことがない。デザインにはほぼ関係がない。引き出しの前の板を口板と言うが家具屋は厚みとか使う金物を聞いてくる。それによっては隙間が違ってくる。 
 
流し台を作るとごっつくて丈夫にはなる。デザインは好みによるがカラフルとは言えない。ほぼ無垢材で造るから着色でもしない限り木目になる。つまり造る流し台は無垢の感じに限定される。カラフルなパネルとかプラスチックの収納などは縁がない。 
 
建材は見えない部分は徹底的にコストダウンをしている。強度もギリギリで素材もベニアかフラッシュになっている。ボンド付けが普通だからシックハウス対応のものを使ってもいくらかは不安がある。そう言うものを使いたくないから無垢で作るのでそれが価値だろう。 
 
壁に板を貼れば自然素材住宅などと同じでどこか怪しい。禁止された素材があればすぐ似たような素材を見つける。ドーピングと同じでいたちごっこだろう。当社では素材はもちろん仕上げ方までできるものは皆作ることで対応している。


柿の木

昨夜来の雪が残って道路は一面真っ白。除雪も夜中に終えたのは県道のみ。自宅周辺はぐちゃぐちゃのままだ。午前中は昨年建てた方に頼まれて書類をお届けする。市外なので雪もあり小一時間かかる。 
 
午後は現場と打ち合わせ。支払いや細々用を足したり打ち合わせがあったり。西日が窓から水平に差し込み眩しい。真冬の頃と比べると太陽の暖かさが違う。春近しの感がする。 
 
自宅前の柿の木が雪で真っ白になったが小鳥が枝にたくさん止まっている。熟した柿の実に野鳥が集まってくる。何種類か来るが同じ種類しか同時に止まらない。いなくなると違う種類の野鳥がドッと集まってくる。 
 
秋遅くから実をつついたりしてだんだん熟してくるとたくさんの野鳥が集まる。一つの種類が占領すると他はこない。ひとしきり食べ終わると一斉に飛び立ち違う種類がやってくる。最強はカラス、彼らがくると他の鳥は皆いなくなる。 
 
柿の木は私が子供時分からあったから60年以上は経っている。柿捥ぎをするには高すぎてほんの下の方しか獲らない。干し柿は家内と息子が好きで軒先にぶら下げる。だから一番うまいはずの柿は野鳥の餌になる。 
 
次に予定している現場に柿の木がある。伐採予定だったが残すことにした。柿は紅葉が済んでも実が残るし春まで落ちない。真冬の朝、窓から見物する野鳥はどこかホッとする。別に餌をあげているつもりはないが良いことをした気分になる。


値踏み

朝から雨が降り出し日中雪に変わる。気温は比較的高めだが道路はぐちゃぐちゃで渋滞する。現場は確定申告で大工が休んで一人。最後の追い込みなので少し痛いですが。 
 
先月まで応援に来ていた大工がよその住宅会社に入っている。大工や基礎屋が追いつかなくて現場が遅れ気味とか。ここ何年かで注文住宅の受注そのものが変わりそうだ。職人不足にどう対応するかだ。 
 
昔から買い手である施主が強くて業者は単価が厳しい場合でも受注した。受注に価値があって取りさえすればどう何かなるもだからだ。単価は取ってから業者と相談して決めるみたいなところがあった。 
 
今では儲からない現場は無理に受注しない傾向が出て来た。すぐ着工できないし契約すらもできない。面倒なものとか自社が不得意なものは受注しない。無理に競争してまで取らない傾向がある。 
 
当社は新聞広告をしているが土日の見学会の広告が減っている。新たに見つけなくても現場は十分にあると言うことだろうか。自社の強みを生かして得意な分野だけの仕事をする。 
 
新聞で見学会の広告を打つと結構人が集まる。予約制にすればぐんと減るが無差別に集めると相手できない場合が増えてくる。ただ見せるだけでは受注につながらない。話をしながら客を値踏みする。言い方に問題があればじっくりと調査する。 
 
逆に施主側もネットを中心に情報集めが楽になって業者を値踏みする。本当に自分の希望する家を建ててくれるか十分に調査する。その場合にHPの印象が最初のとっかかりになる。どちらにしても情報化社会は相手の値踏みが複雑で勉強が必要になる。


無垢の家

V字回復で暖かく春の陽気。漆喰の左官業者も快調に進む。大工はPBボードを終わって造作や腰板張りになる。現場のゴミを一旦片付けてから作業開始。 
 
作り付けの下駄箱とかキッチンは毎回のことで大工はすっかり慣れた。杉を交互に貼り合わせたJパネルを使う。無垢材を使うと反ってしまうのでパネルを使う。 
 
建材ではランバー材があって集成材の表面にシナベニアを貼ったものだ。安いし狂いも少なく普及している。国産の杉が大量に出るようになり集成材とかパネルの加工が進んできた。 
 
薄く何枚も重ねて角材や梁をつくるのもある。重ねると言うことはノリでくっつけるわけだ。持った感じも木材と言うよりは工業製品そのものでかなり重い。 
 
将来的にこう言ったものでプレカットして組み立てるのが主流になるかもしれない。木材と言うより鉄骨構造のような建物になるだろう。燃えにくいとか強度があるとかメリットはあるが木造と言うには違和感がある。 
 
今後も木造もちろん無垢材のことですが需要はありと思う。木の家はやはり無垢で柱現しでなければならない。材料も職人もかなり難しくなりそうだ。


自宅倉庫

今日は朝から風も強く雪が降った。現場は外部の左官はできないが大工だけが続いていく。出がけに自宅倉庫の残材が吹き飛んでいたので片付けた。ゴミや段ボールも散乱して道路まで飛んでいく。 
 
自宅倉庫は当初作業場にする予定で建てた。屋根をかけトタン貼りになっている。一部はポリカーボを貼っているので明るい。クレーン操作ができるように天井は高く5mはある。 
 
加工機械がないときは製材した材木を乾燥するのに使った。吹きさらしなので雨風の時には濡れてしまうが風が通る。大黒や曲がり梁などを主に置いた。 
 
同じ頃倉庫を借りて角など在庫して乾燥した。乾燥材を買うのでなく製材した材木を乾燥させていた。コストが下がるのと丸太を選んで好きなサイズに挽いてもらった。特寸は高くつくので自分の丸太から取ると安くなる。 
 
コストを下げるためには安い材木を使うか丸太買いで下げるしかなかった。丸太を貯めるための土場と乾燥のための屋根のかかった倉庫が必要になる。 
 
自宅裏に200坪ほどの畑があって使っていなかった。整地して33坪ほどの倉庫を建てた。加工機械を置いて作業場にしようと思った。ところが本格的な加工機械を置くには狭すぎた。 
 
結局借りて作業場を作ったので自宅倉庫は余った。残材やゴミ置場になってしまった。トラックを置いたり薪割りをするスペースになってしまった。本当は自宅に近い方が作業場としても良い。現場からの行き帰りにすぐ加工できるからだ。