青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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在庫圧縮

大寒も過ぎ夕方現場から帰る途中が暗くならない。先月だったら5時頃にはすっかり日が暮れたがほんの少し明るさが残る。雪が積もるなど現場には過酷な条件が揃うが外部工事に精を出す。午前中は打ち合わせ、午後から作業場へ行く。 
 
階段材の加工に入った大工から修正挽きを製材所へ持ち込む。大工たちは急ぎを頼むのに遠慮があるが私が言うとすぐやってくれる。長年の付き合いもあるし製材所の職人たちとも古い。初めての付き合いの時からいるのは一人だけだ。 
 
製材所は作業場の大家でもあり高校の同級生が社長だ。かれこれ20年近くになる。当初は倉庫を借りただけの付き合いだが今は作業場として借りている。たまたま倉庫が元工場で鋸屑の処理施設だった。設備が一部使えるので作業場として借りなおした。 
 
もう一つ製材所は製材に電気を使う。その電気が倉庫へも流れている。独自にメーターをつけるよりは工事がないぶん安くつく。工場跡地というくらいだから電動シャッター照明などが整っている。 
 
それやこれやで付き合いも長くなったし多少のワガママも通してもらっている。製材所から見れば在庫で残ったものを処分するとかケチなことだがしょうもない在庫を買い取ったりしている。宮大工相手の商売なので住宅では使うことのない良材をたくさん持っている。 
 
階段材とかたまに銘木まで行かなくても良材が必要になる。そういった場合になんでも揃うの助かる。製材所で在庫を置くところは減っている。ケヤキとかヒバとかすぐ欲しいと言っても手に入らない。ところがここは買い手の宮大工がいるので在庫が豊富にある。 
 
これまで丸太購入で乾燥させるために在庫があった。資金繰り改善のために減らしたいのですぐ手に入るのは大いに助かる。多少乾燥が甘いとか値段が高いとかあっても経営者としては背に腹変えられない。CIMG5744


本物偽物

昨夜来からの雪で一面真っ白。降り続く雪で道路も積もりノロノロ運転。現場へ行く途中もいつもより時間がかかる。午前中はお施主様も来て打ち合わせ。階段や入り口など内部が中心になる。大工も現場組と加工に分かれる。 
 
いつもように息子は作業場で加工をする。ケヤキや内部の入り口枠など時間がかかるのが増えた。仕上げ材なのでカンナがけや緻密な仕上げが要求される。もう一人の大工は年上だが段取りが良く現場作業が得意だ。手際よく進めて行くタイプでスピードがある。 
 
応援の大工はどちらかと言うと丁寧タイプで住宅会社には不向きだ。せっつかれて仕事をするのを嫌がるタイプでゆっくりやるを好む。当社は基本的には息子のペースで進むのでペースが遅い。管理する私も余りせっつかない。 
 
本当に施主様の意向に沿った家つくりをめざしている。そのためには工程より仕上げが一番と考えるし材料も家に見合ったものを用意している。集成材のプレカットが主流の時代に仕上げ材にこだわり手間をかけると言う考え方そのものが減って来た。 
 
チラシのコピーだけの手つくりの家が増えた。元をたどれば同じなのに特別な工法のような宣伝をする。いかにも手刻み風のチラシが実際はプレカットなんてのは普通だ。材料の杉材からして乾燥した材が容易く手に入らない。もちろん自社在庫をすることもなく工期も早いから手刻みは廃れてしまったかのようだ。 
 
今日も新聞にはチラシや広告が多く載っている。自然とか手つくりを標榜しているが実態はどうなのか。集成材の古民家風なんてどんな人が建てるのだろうと思う。見てくれが流行るのは今風だが業者が年々ズーズーしくなって来た。 
 
昔々は勝手にファックスやメールを送りつけるなんて余りなかった。今では不要必要を分けるのが大変な時代だ。広告も同じで偽物本物を見分けるのが難しい時代になった。


ヒバの土台

昨日と同じで薄曇りで寒くはない。現場は外壁張りが進んで3面張り終えた。残り一面は乾燥不足で倉庫で乾かしてある。来月まで待てばなんとかいける。時間がかかる階段を午後からお施主様と打合せて決めた。 
 
階段はもちろん手すりも全てケヤキの加工で行くことにした。手すりの子柱か横抜きを決めてもらう。一応家族とも相談したいと言うことだった。階段の加工は手間がかかるので早めにスタートしないと間に合わない。 
 
息子は1.5ヶ月はかかると言う。今までの例から見てもそのくらいはかかりそうだ。何と言っても硬くて彫り込むのも入れるのも相当の技術がいる。道具も経験もないと誰でもとはいかない。 
 
宮大工はケヤキの加工はお手の物だ。柱はもちろん本殿や床などは全てケヤキが多い。欄間など彫刻はヒバを使うのでケヤキとヒバは馴染みが深い。もちろんクセや加工の難かしさもよく知っている。 
 
ヒバなどは民有林がほぼ出なくなり国有林だけになった。制限もあって価格もここ4,5年うなぎのぼりだ。住宅に使えるシロモノでなくなった。土台用に芯持ちの白太の入った安物ですら出なくなった。 
 
芯持ちは割れるから私的にはヒバは使いたくない。割れない栗の方が湿気やシロアリに強いので勧めている。ただ値段が高いのと短くて大工はつなぐ仕事が増えてしまう。当社ではほとんどの方が栗の土台にしている。 CIMG5740


ワンコと鳥

朝起きると寝室前にいるワンコが動き出している。寒い時は呼んでも出て来ない。寒さに強いワンコも暖かいと動きが活発だ。いつものように窓ガラスをコンコン叩くとジッとこちらを見ている。二階からなので向こうからはほとんど見えないだろう。 
 
夜中に吠えるのが冬になると多くなる。近所迷惑になるので家内は気にする。犬小屋の前に残飯捨て場があってここに猫、狐、鳥が集まってくる。夏は余り来ないのが冬は餌が少ないのか集まる。それを威嚇するために犬がワンワン吠える。 
 
狐も狸も目の前を通り過ぎるのを何度も見た。カモシカも朝起きたら目の前の畑にヌッと立っていた。さすがにデカさと近すぎて怖かった。キジも畑の下に巣があっていつもツガイで歩いている。ワンコの威嚇も気にする風でなく悠々と歩いていく。 
 
鳥と言えば家の前に柿の大木があって熟しすぎて落ちそうなのに色々な鳥が集まってくる。時間帯によって種類が違って朝早い組みと日中、夕方で種類がある。なんと言う鳥なのか興味が薄くてわからない。子供の時分から見ているのにカラスとスズメくらいしか知らない。 
 
一面雪景色になるとムシロを板にくくりつけつっかい棒をして紐で引っ張ってスズメを捕獲した。巻いた餌に群がったところを一網打尽で獲る。コツは紐を引っ張る時に躊躇しないでいきなりがうまくいく。入っているか確認したりすると警戒される。 
 
そんなことをしなくても窓ガラスにぶつかる雀が年に2,3羽必ずいる。ぶつかってすぐでないと失神しただけだから飛んでいく。仲間と一緒に飛んでいてドジなのが窓にぶつかる。換気扇穴からも結構入る。これは必死なので血だらけになるまでぶつかるので後始末が大変だ。 
 
息子は子供の時にこう言うことに夢中になった。勉強そっちのけで走り回る。だから種類とかクセなどに詳しい。もちろん植物類も好きで木のことも相当詳しい。それが今の仕事を選ぶキッカケになっているかもしれない。


余りモノ

あれ程寒かった先週に比べ暖かい日が続く。今日も現場は外壁張りが順調に進む。今日で二面が終わって後ろ二面を残すのみ。新たに買った板が生乾きで立てて乾かしている。来月あたりになれば使えるようになると思う。 
 
後ろの方が面積は大きいが難易度から言うと簡単だ。だから材料さえ揃えば完了は早い。無節にこだわって後から追加で買ったので遅くなってしまった。内部で遅れを取り戻さないとならない。息子も今日は現場でフローリングの下準備に入る。 
 
二階の和室の床に貼った杉のフローリングを引き上げた。一部屋だけ杉で後は赤松になる。リバーシブルで両面とも仕上がった特注品である。現場へ置いておくと湿気や埃がついて狂ってくる。自宅倉庫には日の当たらない真っ暗なところがある。羽目板や床材など加工品を置いてある。CIMG5731 
 
加工してい使うようになったのは10年前にたまたま加工屋と知り合いになって面白半分に使ったみた。安いわけでもなく時間もかかるし面倒臭いと最初は思った。余った材料を加工したせいもあって出来栄えもイマイチだった。 
 
ロフトとか両面仕上げのフローリングが欲しくなったのを機会に加工してい使うようになった。材料の良し悪しで出来具合も変わるのも面白かった。大した予算もないのに無理に使ったこともあった。 
 
そうするうちに森林組合などから変った木を買うようになってますますハマった。アカシアとかミズキ、キハダ、桑….なんでも作った。お施主様が気にいる気に入らないに関わらず使うようになった。 
 
作ると言うことは使用量ぴったしにはできない。足りないとなれば変っている分代わりがない。いつも余分に作るからあまりが常に出る。フローリングや羽目板は日に当てたりすると使えなくなる。湿気ももちろん大敵で専用の倉庫が必要になる。 
 
自宅には農業用の乾燥小屋があった。程々に通風があって日があまり当たらない。窓は塞いで暗い倉庫を作った。以来余るたびに持ち込んで何があるのか分からないほどになった。だから思い出したようにトイレとか小さい部屋の内装に凝ったりした。まだまだあるのでいつまで続くか気にしている。CIMG5733