青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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今日も作業場では大工の刻みが続く。大物同士の加工は実際に組んで見ないと完成しない。上棟の時に組みあがらないと大幅に遅れる。多分大黒と曲がりの組み立てが一番時間がかかるだろう。 
 
仕口を作る度に実際に組んで確かめる。組んだところは現しになるからすっかり見える。キッチリと隙間なく仕上げないと決まらない。固いケヤキ同士は少しでもキツ過ぎたり曲がると入っていかない。 
 
材の重量も半端でないから掛矢で叩いても入らない。かと言って緩すぎると隙間だらけになる。金属や建材などであれば寸法さえ間違わなければスンナリ入る。木の場合は刻んでから上棟までの間に狂ってくる。 
 
柔らかい杉なら無理やり押し込んでも入るし隙間は水をかけると埋まる。多少の傷も濡らしてアイロンをかけると消える。しかし広葉樹はそうはいかない。加工も手直しも難しい。 
 
こういう現場の難しさは経験がないとわからない。直ぐ近くで今日から現場があって大きい梁で組んでいる。しかしほとんど杉材で広葉樹は使用していない。建て主はこれを見るだろうからこちらのケヤキの曲がりなどは大きな差になる。 
 
言うは易しで大工も曲がりや大黒を操れるのはほとんどいなくなった。いても高齢で実際に加工するものがいないからできなことになる。当社もいろいろな大工と付き合ってきた。できると言いながら途中で投げ出したのもいた。
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