青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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梅雨に入ったとかで午後から雨。現場からゴミを片付ける予定が中止。明日も危ないので後になりそう。養生テープとか断熱材とか少し足りないのが出る。ホイと引き取って現場へ配達したいのだが雨は困る。 
 
先月から展示場を見たいと言う方が増えた。展示場は普通の住宅の延長で作られていない。なので見学しても何の参考にもならない方もいるだろう。小洒落たデザインとか気の利いたデザインとかは無縁だ。構造を見せるだけの無骨な建物だ。 
 
見学者は年間で20人もいるだろうか。大金をかけた割には大して活用されていない。国産材の普及のために展示場を建てると補助金がもらえると言うので建てた。建てて7年経つが5年以上の展示期間は過ぎている。 
 
だから売却しようと住まいにしようと勝手だ。何社か建てたが他社は全て売却されている。売却にしても住むにしても少々直さないとならない。住むことを全く考慮していなかった。こう言うのもできると言うただそれだけのために建てた。 
 
だから収納もキッチンもお湯すらも出ない。住むとなるとこれらの当たり前の設備は必要になる。ただ純粋に建物それも構造に重点を置いて建てた。その点で価値の有無が大きく変わる。 
 
家は住んでいないと痛むのが早い。それもあって水回りは徹底的に省略している。器具はついているが使えない。キッチンは漆塗りのケヤキの無垢材で作った。注文されたらいくらかかるか見当がつかない。実用性はほぼない。 
 
実用的でない建物を建てたのは展示すると言うことを真面目に考えたからだ。他は補助金付きの建売住宅だから展示期限が過ぎたらすぐ売却された。真っ正直に展示することだけを考えたのは私一人だったと言うことだ。 
 
7年を過ぎて展示場も少しずつ痛みが出てきた。直しながら展示を継続するか売るか住むか考慮している。何年も経つと痛みがひどくなると思うからだ。少なくともこれと同じものはどこにもないしもう一度作れと言われてもできない。 
 
材料は凝りに凝っているし設計もかなり非実用的だ。気にいったらこれほど面白い建物はないし一種の文化財のようなものだ。10年をめどにどうするか考えなくてはならない。住むか売るかしかないが。