青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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伐採

今日は午前中打ち合わせ、午後事務所。見積もりなどで業者が出入りする。図面作成でほぼ一日がかり。当分図面や伐採の打ち合わせで現場はまだ動かない。在庫が減ってきたので現場次第だが所有する山の伐採も考えている。 
 
相続した山は二箇所ある。一箇所は昨年隔伐した山で杉が38年になる。もう一箇所は半分カラマツで残りに欅を植えた。まだ5年しか経っていない。 

カラマツが私が小学生の時に植えたから55年くらいにはなる。目通りで直径60センチぐらいになる。伐採で出せばかなりの石数になる。石は丸太の材積のことで山の取引は今でも石を使う。 
 
直径*直径*長さを尺寸で出す。空気も数えると言われる独特の測り方だ。例えば直径1尺であれば長さが4Mだと13尺2寸で計算する。石数が1.32石になる。 
 
全ての丸太を計算して金額を出す。杉は石当たり3000円くらい、カラマツ、赤松は4000円になる。もちろん個々の丸太で違うのでそれぞれだ。出した丸太の売り上げとかかった伐採工賃、運賃を引くと利益が出る。 
 
今度の新築では自分の山からも出す。広葉樹だけなので土台くらいしか使えない。なのだが伐採して植え直したいとのことだ。広葉樹は建築に使える用材以外はチップになる。石当たりだと1500円とかそんなものだ。 
 
だからお施主には整理するというメリット以外にない。何本か生えている栗が土台に使えるかもしれない。しかし私にすると曲がりに使えるものが手に入る。普通ならそのままチップになってしまう。 
 
それを建築用材の価格で買い取るから山主も助かる。こちらも大量に買ってもしようがないので少ない数を選んで買える。双方にメリットが出るというわけだ。広葉樹で曲がりになる木はそんなに出ないからチャンスでもある。


職種転換点

いつものようにワンコを朝の散歩に連れていく。戻ってゆっくり新聞を読む。朝食が済めば7時前。家内とゆっくりコーヒータイム。7時半ごろには家を出て事務所へ。いつもの一日が始まる。 
 
久しぶりに気温が上がり日中は事務所もエアコンを使う。農家も少しは安心しただろうか。午後は打ち合わせで夕方戻る。今度の現場は最後にサラリーマンをしたところの近くにある。今はドラッグストアーになっているがトイレに寄った。 
 
勤めているときはトイレ脇にリフォーム相談室があった。トイレの真ん前なのでしょっちゅう人に出入りがあった。取り壊されて店舗になっている。トイレの中は以前と変わらず懐かしい。 
 
インテリアとリフォーム部門が職場だった。リフォームの相談や依頼があれば現場へ行く。見積もりをして職人を手配し集金する。以前はメーカーの営業だったので現場は知らなかった。建築士も持っていなかった。 
 
その後現場経験を積み建築士も取って辞めて独立した。まあそこで仕事を覚えて独立したわけだ。わからないままに現場へ行って実地で覚えた。同時進行で建築士を受けて取得後独立した。 
 
今思えば体当たりの出たとこ勝負だった。その後一級建築士を取り国産材で建てるのを覚えて現在に至る。出たとこ勝負の体当たりでクレームを出しながら覚えた。その転換点になった職場だった。トイレは以前のままで懐かしい。


手刻みの家

今日も雨、いつまで続くやら。気温は上がって蒸し暑い。ほぼ一日事務所にて図面作成。色々調査もあって業者と電話で打ち合わせ。見積もりや設計が重なってパソコンの前での仕事が増えた。 
 
少しずつではあるがこだわりの家の引き合いが増えた。ポイントになるのは手刻み、漆喰、板張りと言うところだろうか。それに薪ストーブが半々。当社に共通するお客様のイメージだ。 
 
手刻みは材料と大工の技術ができなくなった。山の木材の蓄積が増えて丸太の供給は問題がない。製材所と乾燥が問題だ。昔なら製材所が丸太を買って製材乾燥をした。もちろん手刻みのための材木だ。手刻みがなくなれば売れない。 
 
売れないものを製材在庫することはできない。廃業に向かっていくことになる。一部の宮大工向け以外は製材するところはない。4,5年前だと作業場を持った工務店が手刻みをやっていた。作業場は維持するだけでも金がかかる。 

それもあって徐々に廃業もしくは引退になっていく。今だと手刻みをできるそれも曲がりとか大黒も加工できるところは探すのが大変だ。あってもやるとは限らない。工賃も高くなってしまった。作業場の機械をメンテンスする費用までみないとならないからだ。 
 
その所為か当社にも引き合いが増えてきた。施主からだけでなく同業者からも来る。熟練した大工としっかりメンテナンスされた加工機械を持つ業者が激減した。ブローカーのような仕事をするところなどが電話して来る。 
 
仕事が来ると設計を変更して簡単にするか下請けで受けてくれるところを探す。なければ諦めるよりないが諦めきれないのが当社にも電話が来る。自分のところだけで精一杯なので断る。 
 
この傾向は今後ますます増えるだろう。自動のカンナ盤などの機械を持って在庫までするところはなくなったからだ。当社は設計と施工がウリなので下請けはやらない。他人の設計でやったことがないから今後も考えていない。息子と二人で手に負える現場しかやらない。営業を置くとか規模拡大もない。それにしてもまともな職人が激減したのでこれから苦労しそうだ。


元気が出る食堂

昨日の日曜も仕事。家内は趣味に勤しみ私は事務所に籠もる。隣の息子夫婦は遊びと夜の花火大会でいない。仕事を終えて薪割りに精を出した。持っていくと約束したいので作っておかないと。 
 
今日は午前中は打ち合わせで午後は図面。来週は別な方の打ち合わせがあるので早めに描いておきたい。仕事があるのは本当にありがたい。なのだがプランを考えたりするのはかなりしんどい。歳をとった所為にしたくないが頭を使っても疲れる。 
 
昨日の昼は帰っても家内もいなし外食をした。事務所からそう遠くないところにある普通の食堂だ。なにせ量がすごい。よほど腹が減っていないと残してしまう。 
 
ボリューム満点なこともあり高校生や学生が多い。ジャイアンツの坂本選手なども高校生の時に通っていたらしい。私も自分の開業以来ずっと通っていた。家内が現役の頃は昼飯は作ってもらえなかったからだ。 
 
早い安いうまいと田舎には珍しい元気あふれる大衆食堂だ。マスターの調理しながらの声がけが良い。働くメンバーも主人の大声に負けなくらい挨拶が響く。飯を食っただけで元気が出てくる気がする。 
 
仕事は須らくこうありたいと思う。ただ食事ができればと言うだけでは競争に勝てない。食事だけでも元気が出てくるとか何かがプラスされている。うまいところも挨拶が良いところも他所にもある。 
 
食事しただけで元気が出るのは他にはない。味がどうとか店舗が汚いとか細かく言えばきりがない。長く続くのはそれ以上に魅力がある証拠だろう。仕事が長く続くのは本来の成果の他に何かがなければならない。


法の範囲

朝は少し霧雨が降ってスカッと晴れない。明日は花火大会があるがどうなることやら。いつも事務所の前の公園の一番高いところで見る。霧がかからなければ見える。公園の駐車場があるが満員なので事務所が無料駐車場になる。 
 
ありがたいことに仕事の話が舞い込んで図面作成が間に合わない。依頼する方は設計作業が簡単と思っている方がいる。会うたびに変更して作り直しが多いこともある。まあ素人なので仕方ないとは思っている。 
 
間取りなんて方眼紙に描いたものを見せられてすぐできると思っている。こちらは法規制から構造まで一気に考える。変更によって全てやり直しになると基準法違反になったり強度が足りなくなったりする。 
 
無垢材を多用すると行政から防火の観点から指摘を受ける。外部の板張りも本来は通らないが告示仕様がある。内部も火器仕様(ガスレンジ、薪ストーブ等)は室内デザインに影響する。防火を配慮しないとならないからだ。 
 
オープンで曲がり梁を表にしたりすると耐震が厳しくなる。昔からある貫とか雲筋がいが法に合致しないからだ。古民家は耐震性がかなり面倒と言うことだ。もちろん確認申請があるからクリアするような構造を考える。 
 
ところがお施主様はこだわるあまり昔のやり方に固執する。年々厳しさを増しているので悩みのタネは尽きない。材料のこだわりだけでも四苦八苦しているのにどう強度を補うか考える。 
 
基準法は古い法律なので現行に合わない部分もある。合板を張り巡らした家が土壁の家より丈夫と言うことになっている。長い目で見れば合板は腐る可能性があるが土壁は半永久的だ。最近は少しだが認められるようになって伝統工法もできる場合がある。 
 
いつの時代もこう言ったことはあって熱心に行政に掛け合うのもいる。当社は基本的には法遵守なのだが本音は伝統工法が長持ちすると思っている。思ってはいるが行政とケンカまでして通す根性もない。何とも根性のない話だが法の範囲内でやれることはやるようにしている。