青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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二階床

今日からまた大工が増えて3人。気温が低いせいもあって内部仕事。二階の寝室の杉床を貼った。息子は製材所へ行って欅の階段材などを挽いた。外壁の板も挽いてもらっている。
 
二階の根太は現しなのでフローリングの裏が見える。厚さは28ミリで両面仕上げになっている。フローリングは普通裏面が少し隙間ができるようになっている。湿気などで膨らんだりしないためだ。だから裏面は貼り上がりが少し違う。 
 
寝室は畳なのでフローリングが荒床なのだが裏は見える。今回は裏表逆に貼って下から見た目を優先した。本当に微妙な違いなので気がつかないかもしれない。 
 
隙間だけを言えばそうなのだが節や汚れなどは裏面に加工する。両面仕上げで裏面も見せると言うケースは想定外なので汚いのは裏にする。逆に言うと両面仕上げ、さらに両面現しは無いと言うことなのだ。 
 
当社は二階床現しはよくやる。根太も見えるから4寸角の3無を使う。強度的なものと見た目の美しさのためだ。節のない役物を使うから相当なコスト高になる。それだけに見た目もかなり良くなる。 
 
そもそも両面仕上げのフローリングは材料も相当な良いものを用意する。厚さも36ミリくらいの板が必要になる。それだけでも相当なコストになるから根太も合わせて超豪華版なのだ。 
 
築10年を経た現場もあって時間の経過とともにその美しさは確認済みだ。天井の高さもあってえも言われぬ家になる。ものすごいコスト高になっても何とか可能なところはやるようにしている。CIMG5718

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写真の中の自然

今日も冷え込みは厳しい。朝早くお施主様の工場へ煙突のカバーを見に行く。自ら製作してこちらで取り付ける。寸法はいいのだが重い。クレーンで吊り上げないと難しそうだ。 
 
現場は大工が一人休んでいるので少し停滞気味だ。瓦は終わって外壁張りが残った。足場も掛けなおしをしないと工事できない。足場工事は何度も掛けなおしたり外したりしている。内部もこれから掛けないとできない部分がある。 
 
床を貼ってからでないと内部足場ができないのでまだまだかかる。床のフローリングは作った桜なので模様が特徴がある。普通はサンプルがあって当たり障りのない模様が多い。今回作った桜は公園の吉野桜の根っこなので独特の模様がある。 
 
初めて見たお施主様はギョッとして汚いと思ったようだ。クセが強すぎると思ったのだろう。作るフローリングはこう言う特徴がある。同じものがないのはもちろん似たようなものもない。幅が大きくて余計模様が強調される。 
 
そもそも手刻みの家は自然を生かした家つくりだ。印刷したような模様でなく独特のクセのある仕上がりができる。それが面白いと思うかクセが強すぎて変だと思うかだ。 
 
家に限らず自然を生かすデザインが減っているように思う。古民家と言えば古き良きもののイメージだけがある。本物が持つ生命感とか迫力が本当の魅力だと思う。写真で見たイメージと実物はだいぶ違うものだ。虫食い穴もあれば腐っているところもある。 
 
そう言う欠点も自然だと思うわないとただの汚い家になってしまう。規格品に慣れてすぎて木目すらも印刷したものと比較してしまう。何が本物なのか、良さは何かが忘れられている。自然も写真の中のイメージの一つになってしまっている。CIMG5707


丁寧な仕事

本日2回目のブログ。現場へ行って材料を引き上げ代わりに作業場から材木を運ぶ。また戻って息子と加工の打ち合わせ。戻って昼食後事務所で図面。また現場へ戻り大工たちと打ち合わせ後作業場へより図面を届ける。都合60キロなり…..疲れた。 
 
どう言うわけか一気に仕事が増えて図面やら現場確認やら忙しい。日曜も打ち合わせの予定なので休みがない。家内と行く温泉も新年から一度も行っていない。昨年末以来次々と大小様々仕事があっててんてこ舞い。 
 
長年の経験から仕事は来るときは一度に来ることがあるものだ。一年ぶんまとめてきたような感じだ。もちろんまだ話の段階だからなんとも言えないのもあるが。 
 
来客があれば一応要望に応えて図面やら見積もりなど何かのアクションがある。何度も打ち合わせや図面見積もりがあってもパーになることも多い。可能性がないからとか面倒だからと端折ることができない。 
 
実際の話全て決まれば当社では手に負えないのもある。新築は年に2棟くらいしかできないしリフォームなど重なるともっと難しい。私と息子のできる範囲しかできない。二棟並行してとか器用なこともできないしやる気もない。 

息子も器用とか要領よくとは縁がないタイプなので一つずつしかやれない。現場にかかりきりになると周りが見えなくなる。いわゆる没頭するタイプで現場が遅れて支障をきたすこともある。しかし逆に手間暇かけて丁寧に仕上げるのは得意だ。当社はそう言う仕事で十分だと思っているので急ぐ仕事はできないことになる。CIMG5705


新聞広告

打ち合わせやら配達が忙しくてブログが遅れた。現場も外壁が始まって外部が分かるようになった。お施主様も図面とは違って現物で確認できる。すると色々気になるところが出てくる。 
 
展示場を見たいと言う方がいて相手をした。古民家風と言うか本物の家をお考えになっているようだ。昨年来新聞広告を打っているが色々な効果がある。今までだとまずHPを見てと言うのが多かった。昨年は新聞広告が多いような気がする。 
 
HPが先でなく広告を見てからなのだ。ネットサーフィンの時代になっても年配者とか一部の方はネットはあまり見ない。なんでも最初のきっかけが大事で新聞広告という古いメディアも効果がある。 
 
新聞は見ないのが増えたと聞くがまだまだ見る人は多い。仕事の関係で言えば新築する若い方はほぼネットでくる。年配者や昔風の家が好きな方はあまりネットを見ない(と私の思い込みだが)。だから新聞広告を打ってからブログの閲覧数が増えた。 
 
中高年のリフォームはネットより新聞だろう。メインのメディアがまだまだ新聞だからだ。知り合いの死亡広告を見ると言う現実もある。そこからネットへ誘導してブログを見てもらう。まあ戦略としては当たっているだろう。


無節信仰

午前中は晴れたが午後から小雪まじりも天気。朝から4往復現場へ運ぶ。朝一で製材所へ行って修正挽きを運ぶ。リフトを借りて息子と二人で欅を下ろした。すぐ外壁用の板を積んで現場へ。 
 
現場は今日から外壁の板を貼り始めた。まずは南側のメインの部分を貼る。もちろん節のない板を選んで貼る。南側と東側はほぼ無節でできるが他は節ありだ。 
 
節のない板は役板と言って同じ材質厚みでも値段が3倍に跳ね上がる。無節のこだわる方も多いので製材所も抜き出して貯めてある。ひと頃に比べると役板の需要は随分と減っている。和風が減ったのが原因だろう。 
 
古民家に限らず和風住宅は節のない材料が多く使われる。現しであるから無節の方が綺麗だからだ。耐久性とか強度は変わらないが見た目重視なのだ。数寄屋では太さよりも目の綺麗さとかが重要視される。その流れで無節が珍重されるわけだ。 
 
木にこだわるとかと言う方でも太さはよりは無節を好む。一種の無節信仰のようなもので何でも無節でないと気が済まない。節があればすぐ交換したり隠すことを要求される。 
 
和風と言うことでなく無垢の木を使いたい方はあまり気にしない方が多い。貼りものか無垢かと言うのが木になるのだろう。もちろん貼りものよりは本物の無垢の方が良いと言うことだ。コストも問題もあって貼りもので済ますところを無垢にすると出来上がりがかなり変わる。 
 
そう言う無垢に対するこだわりはあっても無節のこだわりは別物だ。年代で違うと言う方がわかりやすい。若い方は前者で年配者は後者だ。年々減っていくことは間違いないだろう。cimg5704