青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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建て方

午前中は事務所で図面。午後から作業場と現場へ。上棟の準備が進む作業場では明日から刻みの完了した材木を上の製材所へ運ぶ。一時預かってもらうのだが倉庫を開けないと作業ができない。残った刻みは曲がりの一部で狭くて出せない。今週で刻みを完了し来週から小割材の加工に入る。 
 
基礎の現場は配筋が完成間際。一部の修正を指示氏明日の検査に備える。配筋検査が完了するとすぐ打設になる。明後日が天気が少し不安だが何とかいけそうだ。打設すると来週から中仕切りの型枠をつけまた打設する。これで中の基礎が完了で叩きが残る。 
 
いつもアンカーボルト位置は私が出している。栗の土台なので長さが短く一定出ないので継ぎ手が不規則になる。オスとメスを間違えないようにボルト位置を出す。ここが肝心なので私が出している。蟻つきの継ぎ手は男の方にアンカーを打つ。 
 
大工たちと打ち合わせをして建て方の日程を決める。14日の月曜から搬入、足場がけをして16日から建て始める。4,5日で棟までいけば良いのだが難しい。順調に建て方が進めば20日すぎになるだろう。大工たちを16日以降から集めないとならない。最低5,6人いないとできない。 
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資材発注

葬儀と法要があって日中時間を取られる。朝一で製材所と打ち合わせ、すぐ着替えて葬儀へ。会食の後にまた着替えて現場と作業場へ。なんとも大忙しで夕方は疲れてブログも遅くなる。 
 
来月15日ごろから立て始める予定なので資材の発注やクレーン、大工の手配が進む。基礎工事が間に合うとかどうか気になるところだが見切り発車になる。毎回上棟はこんな感じになる。 
 
屋根断熱なので上棟後すぐ断熱材を入れて瓦を載せる。屋根の合板と断熱材がないと上棟できない。現場は材木と建材で足の踏み場も無くなるだろう。敷地の余裕があまりないので置く場所がない。 
 
クレーンで釣るので多少遠くても問題はないのだが物がないと次に行けない。屋根を作るには断熱材が先になので必要になる。使わなくても現場に用意して置く。断熱材は気密テープがないと使えない。 
 
そう言った細かい部品類まで間違いなく発注する。なかったらあちこち探してその日のうちに用意する。つまり大忙しになる。だから間違いなく手配する。手配さえしてあると建材店に置いてもらうからすぐ引き取れる。発注がないとパアーである。 
 
長年現場管理をしていてもいつも何か忘れる。それが待てないモノばかりだから大変だ。と言うことで上棟前は気疲れする時期でもある。
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究極の手

朝は日が出たが徐々に曇ってくる。明日明後日には雨もありそうだ。基礎の現場は型枠の最中。雨はすごく困る。27日の鉄筋検査に向け作業を遅らせたくない。 
 
午前中は法事があって昼までかかった。明日も一日時間を取られる。土曜日の夜に急に決まって月火の葬儀になった。急すぎて今日の調整がつかず午後は欠席した。病院も予約してあったのでキャセセルできなかった。 
 
だんだん上棟も迫って資材の発注やクレーン、足場の手配も急ぐ。変更込みで日を決めるよりない。肝心の基礎ができないことには実現しない。資材の発注は一度決めると工場から運送まで変更が面倒くさい。ほぼできないと言っても良い。 
 
上棟時が一番資材や業者が集中する。しかもモノがないとかクレーンが来ないとか有り得ない。だからと言って早めに現場へ入れたいが置く場所がない。モノで溢れると作業そのものができない。予測が当たるか外れるか、外れるなら遅れないようにしたい。 
 
自前のトラックと倉庫があれば一旦入れて現場へ少しずつ運ぶ。本当はこれが一番良いのだができなくなった。トラックは借りる予定でかなり自由になる。問題は資材をどこへ搬入させるかだ。 
 
自宅倉庫が空いているので良いのだが遠い。行き来で時間が取られすぎる。作業場の隣の製材所の倉庫が一番良いのだが迷惑がられる。しかも仕上がった材木は風や日に当てられない。一番良いところを占領するので嫌がられる。 
 
今回は材木量が半端でない。しかも大物ばかりで場所を取る。来月の上棟なのに今から悩みは尽きない。しかしやらないとならないが窮すれば通ずでどうにかなるものだ。究極の手は施主様の倉庫って言うのも有りだ。なぜならお施主様は巨大な倉庫とトラック等何でも持っている。悩みは深い。


看板

遅れていた看板を昨日立てた。今月末には検査もあるし監督署のパトロールもある。何年か前に看板を作ったのでいつも一緒に掲示する。午前中はお施主様と打ち合わせ、午後から作業場。いつものケヤキの加工が続き今月中に刻みが完了する。 
 
看板を作って5年ほどになる。地域材を使った家つくりのコンセプトだった。しかし思うように成果もなく地域材とか自分の山の木とかは受けなかった。現代の家つくりにはそう言うのが向いていなかったようだ。 
 
小洒落たデザインとか健康的とかのイメージだけが幅を利かす。若者ならいざ知らず中高年すらも設計事務所とか大手の住宅会社に行く。しかも自分の家がどこの木で作られているかなんて誰も気にしない。 
 
デザインが売りの設計事務所は大忙しだが国産材を扱う製材所とか材木店は仕事がない。すっかりプレカットに市場を占有されて集成材が当たり前になった。 
 
山持ちでもプレカットが当たり前だし製材所で挽いて建てることも知らないのもいる。皆工場でできたものを組み立てるものと思うようになった。営業マンと展示場で決めるのが普通になって緩くなったローン基準に助けられて吟味なしで契約する。 
 
そう言う家つくりがおかしいと思うのは私だけなのか地域材の看板はさっぱり効果が上がらなかった。今年から方針を変えて古民家に売りを絞るようにした。あれほど反応のなかった地域材に比べこちらは反応はすこぶる良い。 
 
実は8年前に新聞広告で地域材で建てると言うのを広告して反響があった。やはりあの頃に比べて今は地域材よりもデザインとか知名度に優先項目が移ったようだ。ここ2,3年は地域材も色あせてさっぱりだった。 
 
古民家リフォームは中高年に受けている。自分が生まれ育った頃の家を覚えている世代だからだ。大工が一月のやっつけ仕事で完成するような家は大丈夫かと思うようで電話が来る。案外これからのリフォーム時代にニッチな市場になるかもしれない。
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芯持ち材

今朝は冷え込んで秋深しを感じさせる。とうにコタツを出して寝るまでテレビを見る。まだ基礎工事の続く現場はコンクリート打設を急がないとならない。上棟の大工たちは寒さは慣れている。 
 
お施主様と話していて気になることがある。当社は柱現しであるから割れたり狂うのはご法度だ。無節を要求されるから芯去りが絶対条件だ。時々素人の方から芯去りより芯持ちが強いと言われる。 
 
芯持ちは製材するとき丸太の中心を入れる挽き方だ。芯去りは逆に中心を入れない。4寸の芯去りは基本的に40センチ以上の丸太でないと取れない。樹齢も50年以上は必要となる。芯持ちは20センチクラスでも取れる。 
 
もちろん太い年数の経った丸太は高い。細い芯持ち用の丸太は間伐材や太い丸太の3番玉からも取れる。当然安い丸太が大量にある。製材所も売りたいし大工も安い材木を欲しい。で、安物の芯持ちを強いと言い換えて使うようになった。 
 
杉などは一見まっすぐに見える。しかし挽いて見ると微妙に曲がっているものだ。当然芯持ちに挽くと後で曲がってくる。しかも確実に割れる。こんな材料で家を建てることは当社の方針に反する。
 
予算の少ない現場をやる大工は当然芯持ちだけで建てる。後ろめたい気持ちがあるのか芯持ちの方が強いと言うセリフで納得させる。それを言うなら集成材の方がさらに強い。プライドも意地もない大工はプレカットにすぐ切り替えた。 
 
かくして芯持ちは強いと言うセリフだけが生き続ける。お施主様から芯去りで建てる当社に芯持ちが強くないかと…..。そもそも柱も当社では4寸角以上を使っている。通しや肝心なところは5寸以上になる。 
 
ケヤキ信仰や芯去りなど古い昔の言い伝えのようなものまで変な常識が多い。実際にケヤキなども自分で何年も乾燥させて使うような工務店もなくなった。そもそも製材所がなくなって芯去りを買える時代でなくなった。 
 
時代が変わっても硬いケヤキの加工は機械化が難しいので大工もやれないのが普通だ。リフトで持ち上げ手ノミで力を入れて刻む。そんな大工が激減していつか誰もやれない時代が来そうだ。
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