青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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地盤調査

午前中はお施主様と打合せ、午後から作業場。建物の解体が済んで次は地盤調査になる。地盤調査は基礎の仕様を決める大事な作業になる。同一敷地で同じところに立つ場合は解体後でないと調査ができない。 
 
地盤調査は7mくらいまでの地下の地層を調べる。地質とか抵抗値などが大体わかる。特に5mくらいまでが重要で圧密沈下などがないように調査する。付近の状況でもかなり予測ができる場合もあるが正確ではない。 
 
建てる位置の地下を調べるのは重要なことだ。平成21年から瑕疵担保保険で地盤調査は必須の項目に成った。これがないと保険には入れない。 
  
それ以前は付近の状況で危ないところだけ調査をした。解体などで4,50年前の建物に基礎に鉄筋のないものやベース無しなどひどい基礎工事がままあった。その割には大きく傾いたり何か問題があるように見えなかった。 
 
薄いベニアやトタン張りの軽い家が多かったのもある。今は重い窯業系サイディングが増えて家自体が重い。総二階も増えて外周周りにかなりの負担がかかる。地震などへの対応には不利なのでベタ基礎などが普及した。 
 
何をやるにも基本的には地盤の詳細が必要だ。改良工事をやるにも地層や抵抗値がわからないと工事仕様が決まらない。調査ありきで全て決まる。


位置出し

午前中先日解体の終わった現場で位置出し。建物位置を出してレベルを測って基準になる高さを決める。これで建物の位置と基礎高さを出す。後ろ側の土留めの高さも自動的に決めることになる。 
 
位置出しは確認申請にも必要なのでほぼ決まっている。高さも決まっているのだが基礎工事の際の残土量に影響する。高く取ると残土は減るし低くすると増える。残土は処分するにも運搬するにも経費がかかるからできれば出したくない。 
 
その量は地盤の高さにかなり影響される。位置出しが済んで地盤調査の結果待ちになる。今月中には地鎮祭も終えて基礎工事の事前準備完了になる。 
 
作業場では刻みが進行中だが二階床現しなので4寸角の根太が仕上げ材になる。普通だと天井があって見えないのだが今回は全て見える。節のない材料になるので選んで使うことになる。短い部材もあるので拾い出しして集めて作る。 
 
二階天井も屋根の勾配がそのまま見えてくるので配線などが見えてしまう。これがこういう家の難しいところで慣れないと相当な苦労がある。電気工事業社と打ち合わせが必要でいつも苦労する。配線距離も長くなりがちで高くつく。 
 
電気配線と言えば昔風のガイシ配線と言うのもある。これは瀬戸物でできたガイシをつなげて配線するやり方だが相当難しい。触れるようなところだと傷をつけて漏電する。配線工事が面倒で手間がかかるのでやったことはない。
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建物位置

土曜日は打合せで遅くなり日曜は所用で不在だった。で、今日の休日は朝から仕事になった。午前中は作業場で大工と打合せたり製材所へ行った。午後は事務所へ戻り図面作成。明日は解体の終わった現場の測量を予定している。測量たって別に本格的なものではなく建物位置を出すだけだが。 
 
来月から基礎を予定しているので建物位置を決めたい。もちろん確認申請には記載してあるが現実的に決めたい。大掛かりには動かすことはできないが多少は可能だ。建物の後ろに土留めを予定しているので先に完成する。その後基礎になる。 
 
建物位置を出すのは結構難しい。市街地で狭い敷地は楽だが広いとどのくらい離せばいいのか迷う。広すぎても無駄な気がするし狭いと建物が引き立たない。バランスと言うものがある。今回は3m以上離すが広い敷地の場合は結構狭く感じる。 
 
後ろ側なので総二階になる。だから建物が迫ってくるような気がする。現実的には軒の出から1m以上は欲しい。3尺(90センチ)の出だと1.9mになる。これが落雪などを考えた最低距離になる。少し余裕を見れば3mくらいになってしまう。 
 
建物位置は後から変更できるものではないので重要だ。しかし現実的には設計の段階で決められるしそれほど重要なこととは思われていない。隣とのトラブルの元にもなり兼ねないのでよく考えなければならないことだ。今回はほぼ前の住宅に重なる形になるのでわかりやすかった。
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面白い家

今日も作業場では刻み、午後からお施主様と打合せ。一体何を打合せするかと言うと曲がりや梁をどれを使うかとかどう言う向きで使うかだ。目が悪いとか虫が食っているとかそう言ったところを施主さに納得してもらう。 
 
化粧の梁も合って強度とか保つかどうかではなく見た目も気になる。自分のイメージに合った梁を使いたい。加工が済んだ梁を見たいと言うことになった。その数が膨大になるので何度も打合せになる。 
 
杉の柱が標準だが当社にある在庫の中から無償で交換できるものもある。全てとはいかないが何本かは標準の杉から広葉樹を使ったりする。あまり関心のない方であれば考えないが好きな方には使うようにしている。 
 
依怙贔屓ではなく杉でも無節の柱は高いが広葉樹でも節のある柱は安い。あまり関心のない方に使ってもむしろ節だらけの広葉樹よりは綺麗な杉の柱が好きな方もいる。施主に合わせて在庫の中から選んで使っている。 
 
そういう客のためにセッセと半端な材料を買って乾燥している。雑木林の山を買ったり曲がったのをわざわざ買うこともある。こう言う時のために買ったようなものだ。それが面白い家つくりに繋がり施主の満足にも寄与する。 
 
こう言った面倒臭い事が興味がない方ばかりでないからつい不必要な材木を買うはめになる。変形の梁材や角はよく乾燥しないと曲がったり割れたりする。少なくとも4,5年以上は置いてある。これも儲かるからではなく面白い家を作りたい一心だ。それが厳しい経営を強いられる原因だが。
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解体

今日は晴れて暑くなって夏に戻った。朝から作業場で打ち合わせ後解体の現場へ。今週で終わりそうだが最後は木の抜き取りがある。家の後ろにイチイの木があって土留め工事もあるので撤去したい。木の根は思ったより広がっているもので大きなパワーショベルでないと抜けない。 
 
周囲に木を植えるのはご近所なども多くてこちらもグルッと植えてある。たまたま後ろ側が隣と段差があるので土留めをしないと将来崩れる。基礎工事の業者のバックホーでは根は抜けない。思ったより広く2m四方ぐらいはあるものだ。これを機会に土留めと木の伐採をすることになった訳だ。 
 
しかも土留め代わりにコンクリートブロックの破片などを積み上げて崩れかかっている。それも撤去したいのと整理して好きな庭木を植えたいと言う。バックヤードの庭と言ったところか。来週あたり地鎮祭をやりたかったが彼岸に入る。で、明けて28日にやることになっている。 
 
予定より少し遅れたが全体の工期には影響ないと思う。余裕を持っていたので十分間に合うと思う。大工たちは刻みや加工の時間が取れるので全部手刻みで作ることができる。外注を少しでも減らして自分たちでやればコスト的にも合ってくる。 
 
何でもコストカットの時代にノンビリと大工が半年もいる現場はそうはない。プレカットなどは一月か一月半であげるのが普通だ。とにかく急げ急げの突貫工事が普通だ。足場や保険など期間で節約できるものは何でもやる。時代に逆らうような仕事ぶりだがこれが気にいる方もいるからやめられない。