忙しなく流れる時間の中で、ホッと息を継ぐ空間作り….当社の目指す手刻み住宅です。かっては縁側や土間空間が近隣とのつながりや家族との対話に生かされてきました。そのような昔の家にあったような子供達の走る音、吹き抜けから見える二階の様子、笑う子供の声が聞こえるような…..近頃少なくなった家つくりだ。
昔の木造住宅の持つオープンで人の気配が感じられる家は、プライバシー重視で閉鎖的な空間とは大きく違う。家族の気配は心までオープンにして子供の成長に大きく影響する。子供達にとって社会に出るまでの心の発達場所であり、豊かな人間性や感受性を育てる場所です。
室内にいながら外の緑を感じ風を感じ光を感じ鳥のさえずりを聞く….小さなことですが自然との触れ合いが日々の生活を豊かにしてくれる。無垢材や自然素材は工業製品と違って傷つきやすく汚れやすくても、子供達に物を大切にする心を植え付けてくれる。
良い家の条件はメンテナンスフリーや部屋数ではありません。家族が心を育む大切な空間であるべきだ。どのように家族と関わるのかどのようなシーンを思い描くのかそれを知ることが大事だ。
まるでパズルの組み替えのように間取りを決め、会って半年もしないで着工する。1,2度しか会っていない営業マンと間取りを決めてアッと言う間に完成するような家つくりで良いのだろうか。家族の生き方や住まい方の可能性も検討せず一律の家つくりでないやり方もあるはずだ。
時間をかけて考えて話し合って夢を語り家族の可能性を探るべきだ。家族が1000あれば1000の異なった生活があり夢や可能性は無限にある。その夢を時間をかけて設計して部屋の大きさ、間取り、構成を決めるべきだ。
手刻みはコストカット第一の家つくりと違って施主の希望に添える自由度がある。どのような間取りであって大きな空間であっても太い柱や梁で構成できる。在来工法はツーバイフォーやプレカットより柔軟に大空間を作れる。
プレカットは小さな部屋数の多い住宅には有効なコストの安い方法だ。大きな梁や大黒柱のある家は大空間を作るだけでなく、将来のリフォームの可能性も広げる。当社が太い柱や梁にこだわるのは空間つくりの柔軟性や無垢材による自然素材住宅の構築に有利と思うからだ。
効率第一の営業マンのいる会社では間取りも小さく数が多い方がコストが下がる。プレカットはそのために開発された物であり言わば組み立てキットのような物だ。そこには施主のこだわりや家族との交流空間の入り込む余地はない。
一軒一軒の家や建物によって街や周辺環境が作られている。塀で隔離された町並みは閉鎖的で近隣コミュニケーションは生まれにくい。それが緑の生垣や植木が多い家が増えると周辺環境はグッと良くなり美しい町並みが出来上がる。
豊かな環境は豊かな感受性や心を育み近隣との広がりで快適な住環境を生むことになる。さらに当社は地元材を使って先祖との関わり持って欲しいと思っている。決してコストカットだけのためでなく精神的なつながりを持った自然素材住宅を作っていきたいと思っている。