青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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設計の世界—-設計者

堅苦しいことばかり書いてぶっちゃけの話が少ない。テレビでも”ぶっちゃけ寺”なんてお坊さんタレントが増えそうな番組がある。本当は楽しみながら家作りの参考にして頂けばと思っていた。これまで設計した中には他人には言えないような失敗もたくさんある。

どうして設計屋になったか前回に書いた。自分以外の設計屋さんに自宅を作ってもらって面白さに目覚めたわけだ。営業などやるより設計屋が面白そうだ…..これだ。住んでから面白さが分かったこともある。

設計者は基本的に自分の感性の及ぶ範囲でしか作れない。施主の希望が何であれ基本的には自分が納得するモノを作る。良いと思わないモノや嫌いなモノはやりたくない、当然である。しかし営業マンは自分で商品を選べない。会社から指示されたモノを売るだけである。DSC_1801

ところが設計者は違う。例外はあるとしても自分の好みに合う仕事をやれる。必ずしも思い通りでなくとも得意で好きなことをやれる。ここがポイントで設計者に仕事を依頼しようとするなら大事なことである。

大工工務店や住宅会社は尋常でないこだわりを持つとか偏屈なところは少ない。基本的にはなんでもOK、多少の食い違いがあっても施主の言う通りに作る。設計者はそうはいかない。自分の価値観を押し付ける、あー言えばこう言う、他人の悪口は止まらない。設計者に依頼する場合はこうでなければとか他所ではこうだとかは禁句になる。

設計者の持ち味を活かせるように持っていかないとならない。とにかく丹念に調べ探す努力をするしかない。こだわりも何もない方は住宅会社とか工務店に行ったほうが良い。DSC_2795

得意分野とか自分の持ち味を発揮できる仕事は誰でもやりたい。嫌いなことや自信がないことはやりたくない。逆に言うとこだわりや得意分野のない設計者は設計者でない。代理申請だけの代行業だと割り切っているのもいる。それも一つの仕事ではあるが。

一つのことを掘り下げてしつこく調べてくどくなるのは止むを得ない。そうやって仕事を覚え今までやってきたのである。それまでの経験と知識を活かせないのであれば意味がない。設計者とはそう言う人たちである。

わかって頼むのであればもしかすれば依頼者が思いもかけなかったすごいモノができるかもしれない。素人である依頼者に代わり専門知識を絞り出し頭を悩ませて考えてくれる。四六時中考え続け浮かんだアイディアを図面化して期待に応えようと頑張る。DSC_2799

依頼者が自分の好みに合う設計者とめぐり合うことは大変ラッキーなことだ。自分のして欲しい事を代わりに考え具体化してくれる。まだ見た事がないモノに心配な方もいるでしょう。ここはやはり自分と好みが一致することで納得するしかない。自分の想像を超えたモノを見ることができると信じるしかない。

施主に喜んでもらうという簡単なことが中々難しい。設計者も自己満足や次の仕事に向けてアピールできるモノを欲しい。誰でも欲はあるから時に施主の意向に反することもある。有名な建築家の先生にも自分のPR第一と言うのもいる。

施主が不満を持ったりトラブルとしたらこう言う自己中心的なところだろう。できたモノに対する不満より対応や作品主義的なことだろう。プライドが高く学歴や資格に相当自信を持っているタイプに多い。もしそう言うのに当たったら別なところを探した方が後々後悔しないで済むかもしれない。

神経質で煩そうな設計者だが根は真面目で融通が利かないのがほとんどだ。それぞれ得意な分野を持ちその分野で仕事が来れば最高だと思っている。会って話して現場を見て判断するよりない。少なくとも工務店や住宅会社では望むことができない家作りになる。100_3719


設計の世界—–設計事務所

設計業務の中には施主の意向を聞いてする本来の設計と行政への申請業務がある。設計事務所と名乗っていても申請業務が主力なところが多い。逆に設計はするが申請は他の設計事務所に依頼するところも多い。

確認申請は本人申請が建前だが設計者は建築士でなければならないので建築士が代理申請する。法に則しているかどうかが問題なのでデザインとか設備等の性能などは関係がない。逆に言うと一般的に思われている設計と少し違うところがある。

使い勝手とかデザインのような設計ではなく法的な部分の申請になる。間取りやデザインを決めたところとは別の事務所の代理申請もある。設計事務所と呼ぶには少し違和感があるが申請業務が主のところも多い。
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設計事務所に設計を依頼する施主は増えている。建築士の資格を持たなくても設計はできるが代理申請はできない。現実には設計事務所に設計だけ依頼する例は多くはない。工事込みの一括の設計が多い。設計業務は独立した業務でなく住宅工事の一部になっている。

本来は設計と監理を設計事務所へ依頼し工事は建築業の免許を持った業者に依頼する。ところが建築業者の方が営業力もあって施主から仕事を取って来るのが多い。社内建築士がいて設計監理をするところと他社に代理申請を依頼するところがある。

代理申請業が主で仕事を依頼したくても知名度も営業力もないので住宅会社などに行ってしまう。逆に住宅会社の営業マンが間取りを決め設計の真似事をする例もある。法的な問題点を代理申請する設計事務所が修正して申請する。笹野邸完成100_0108100_0

都市部の一部の設計事務所は設計を請負って工事は指名業者が工事する。工事の流れが設計事務所の意向に沿って進む。だからあくまで設計図通りの仕事が進むことになる。

ところが地方や設計事務所が少ない地域ではあまりない。施主は住宅会社や工務店に仕事を頼み申請だけ施主の知らない設計事務所が申請する。設計とは名ばかりになので監理業務は適正に行われているとは限らない。もちろん法に則り適正に代理申請するわけだから工事監理者に責任は生じる。

問題は施主が自己実現の為に設計を設計事務所へ依頼する以外は実務の実権が設計事務所でなくなっていることだ。もちろん代理申請の段階で法的な間違いは正されるから問題がない。申請の内容通りになっているかどうかの監理責任が曖昧になる。現実は元請け業者の意向が一番強く検査の時点で設計者がチェックだけする。笹野邸完成100_0069100_0

こだわった家つくりや個性的なものを求めると全ての設計事務所ができる訳ではない。設計はできても現場経験が少なく知識も十分でない。建築士の資格取得は現監理能力とは別なので本当の木の家の経験はない。住宅会社から独立したところ以外は木造の設計は得意ではない。

木造のイロハを知らないものはデザインとか設備、断熱とか一部の機能だけで勝負する。木造は本来木の扱いが慣れてないものにはできない。住宅は構造計算もなく簡単なのを良い事に表面的な見える部分だけのデザインしかできないのが多い。

木造の構造による表現とか素材を活かした設計の部分で勉強する機会がない。経験のないものはウリにはならないし新たに勉強するところもない。建築士の試験を取っただけでは設計はできない。経験のある大工は資格を持っていない。伝統的な地域材を使った本格的な家つくりが減った理由はできる設計士がいない事だ。笹野邸完成100_0058100_0

プレカットの大壁の家は木の設計をするものにはあまりに魅力がない工法だ。木そのものが見えないし石膏ボードの上に薄い板を貼って集成材の梁現しではとても木の家とは言えない。木の家の設計を志しても肝心の材木が手に入らない状況では大変な困難が伴う。

地域材の流通が破壊されてしまった現在では乾燥した良材を手にするのは難しい。設計するものも減れば真壁の木の家作りは一部のマニアか高級住宅のみになってしまうだろう。当社も地域材の流通が途絶えた時に手つくりの家をどうやって建てるか今後の悩みではある。


設計の世界—–建て方の変化

家の建て方の変転は激しい。昭和49年以降41年業界に身を投じてそれを見てきた。高度成長期の経済発展のおかげで庶民の新築意欲は大いに高まった。私は54年結婚を機に父の敷地の一部に新築した。当時珍しかった設計事務所へ依頼し少しだけ目立つ小さな家だった。

外部はアルミの二重サッシとサイディング張りでアルミ製のドアは冬になると凍って開かなくなった。室内は普及し始めたビニールクロスとベニア製の床材で気休めに近い薄い断熱材が入っていた。何度かのリフォームを経て昨年息子たちによって建て替えられた。

新築当時はメーカーの営業で設計には直接関わらなかったが知り合いの設計事務所へ依頼した。最初の設計が他人だった事とさしたる自分の思いもなく建てたのだがその後の設計に大きく影響を与えた。設計と言うものの力が理解できたことが大きい。DSC_3797

当時は大工、工務店が主力で住宅会社が出始めた頃だ。国産材の不足と未開発国から輸入される南洋材と北欧材が多かった。建て方自体は手刻みで在来工法なので技術的には大工には受け入れられる。

安い外材と省力化された建材の普及で鑿カンナを捨てた大工が続出した。職人である大工から請負業に乗り出して新築現場は金のなる木と化した。建材メーカーもシェア獲得のために大工たちに飲ませ喰わせの泥臭い営業を仕掛けた。韓国やタイに大工たちを連れて行って遊ばせるそんな時代だった。当然現場は値引き競争の場になった。

家の価値が安さにある時代にデザインとか性能を追求するのは少数派だった。質より量の時代に腕の良い職人は自分より下手な元大工に手抜きを強要される始末だった。黙っているより口八丁手八丁の大工や工務店が幅を利かせた。
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メーカーもシェアが固まってウリがコストダウンから高性能とかデザイン競争に変わってくる。儲ける事に夢中な大工たちに代わり営業マンがいる住宅会社が伸びてくる。営業コストがかかるので高価格になりがちでカバーするために高気密高断熱が増えた。

平成になって木材が話題に上らなくなり大壁な事もあって安いだけが取り柄の外材が大いに普及する。製材所や材木店が減って国産材の丸太価格が下落した。建材も新たな技術も出尽くしてデザインがウリの差別化になった。

営業で大工たちや設計事務所を廻って建て方の違いに気がついた。大工の建てる変化の乏しいありきたりの家から見れば設計事務所は夢のような家だった。実際に建てて見た目だけでなく住み心地まで体験できた。設計の力に大いに魅力を感じた。
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しかしその家も10年も住むと欠陥も目につきデザインにも流行がある事に気がつく。デザイン優先の家つくりは構造や施工法に無理をかける。耐久性重視は設計事務所のウリになりにくい。変わったデザインと賞を取れるような目新しさが優先される。

軒先のない外壁は雨に晒され腐りやすい。設備関係や断熱材は目に見えないこともあってコストを削る。10年も経たないでボイラー交換や雨漏りに悩まされ断熱不足と空間の大きさは真冬に寒くて大変だった。大壁つくりで中の外材の柱は蒸れて腐りかかってカビ臭い。

古臭い大工たちが建てた家のイメージから逃れたい。そのことがデザインの基本になって長保ちする家から保たない家に変わった。長年かかって大工が進化させてきた技術が否定される。軒が深くて柱現しの真壁つくりが減ってプレカットにより集成材に変わった。

昔の大工たちは柱や梁で構造とデザインの両方を融合させて素材で差を付けた。太さや大きさが施主の要望に応えて山から出して使われる。構造自体がデザインの主力になる訳で素材の力は大きかった。長く保つ家つくりは耐震や腐朽に抵抗するように仕口や接合の技術を進化させる。

デザイン優先の家に住んだことは家つくりの基本を学ぶ上で役に立った。古い家のリフォームや自分の設計した家の手直しで学んだことも大きい。設計者の体験で学ぶことは大きいし自信にもなる。そう言った経験のないサラリーマン設計士や設計する機会の少ない者はハンデがあると言える。
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設計の世界—–設計士

設計士と言う言葉は正式にはない。建築士が正しくて基準法で定める正式名称だ。あえてここでは設計をする職人と言う意味で書く。ご存知のように建築士は一級、二級、木造と三種類あって試験を受けて取得する。

役所への申請や管理業務には必要だ。設計が出来るから建築士なのではない。どちらかと言うと法規上の可、不可を判定するのが主目的なのだ。行政は違法建築物を取り締まる際に建築士を関与させてそれを代行させる。

主目的が遵法であるから間違い探しが仕事になる。施主の側から見れば法に触れないものはどんなのがあるかと言うことだ。設計業務を施主の希望を叶える点で言えば満点ではない。基準法という枠が嵌められるからだ。CIMG0781

昔からの伝統構法の建物は現在建てられないものもある。藁葺き屋根とか石場建てと呼ばれる束石の上に建てるのはできない。地場産業活性化による規制緩和とか層間変形角による構造計算などと難しい問題をクリアしないといけない。

設計は家を建てるためには必要なことであるから設計士は要ることになる。法規上の名称は建築士であっても設計の一部だと考えられる。設計士は施主の意向を汲んで要望を叶えるのが仕事だ。たとえ建築士でなくとも経験のある大工は設計士だと言える。

木造建築物はすべて在来の構法で建築可能だ。防火や耐震性をクリアできれば大工でも設計できることだ。行政に申請する際には建築士の資格が必要なので有資格者が有利だ。基本的に違法建築物は不可能なので最初から理解できるのは早い。CIMG0790

木造住宅も在来構法とツーバイフォーなど枠組み構法、金物による構法などがある。昔気質の大工にできるのは在来構法だが金物とか追加されて耐震性の検査に対応する。軸組による構法ではピン構造なので仕口や水平の揺れを防ぐ筋違とかが重要になる。

神社仏閣などは筋違はなく貫と呼ばれる材木で対処する。筋違よりは抵抗力が小さいので揺れを止めるのではなく減らして仕口などの強度と一緒に抵抗する。基準法では抵抗力の数字が重要なので沢山入れることになる。仕口の強度は基本的に合算はされないから確認申請には注意が必要だ。

職人不足に対応するためプレカットが普及した。住宅設計のあり方も変化して分かれる傾向がある。デザイン、設備関係と構造設計の二種で設計事務所はデザイン優先が増えた。住宅では構造計算も簡単で仕口とか事実上考慮することもない。CIMG1661

デザイナーを志す設計士は刻み以前の工程を知らない。木を出して製材乾燥し木拾いをして刻む、この工程を踏むことはない。ますます建材多用で規格化された家を表面的な仕上げ等でデザインする建て方になった。

素材の持つ質感とか曲がりなどの自然の魅力は無視される。工業製品であるから素材や仕上げにこだわろうとしても規格以外にできない。こうした家つくりが本当の設計と言えるのか疑問がある。地元の木を使った家つくり以外に実現できる方法がない。

単に表面に板を貼ったり従来のベニア製の床材から無垢に変えても本物とは言えない。柱や梁材の持つ魅力や漆喰の壁の真壁つくりは構造から別物である。プレカットは二次元的な平面の間取りだけで設計できる。無垢材の真壁つくりは材の選定から仕口加工に至るまですべて設計する。

素材自体が仕上げであるから木の知識は必要条件で在庫まであれば理想だろう。曲がりや大黒柱、梁は同じ樹種、寸法でも見た目が違う。選べるのは設計上も有意義なことだ。そう言う設計では在庫だけでなく製材所やきこりの協力が必要になる。すべて条件をクリアする材料を揃えるのは一社では難しい。

当社で山出しにこだわり続けるのはそうした各種業者との連携を大事にしているからだ。山の崩壊が懸念される今山の木を出すことが最重要なのだ。ただそれを設計できる業者が減ってしまった。あり余った植林された木は伐採を待っている。活用されるのが減り続けるのは大変残念なことだ。CIMG0832


設計の世界—–建築士の仕事

山から木を出して家を建てると元請けの大工の能力が大きい。山出しから刻みなどの設計まで中心となって進める。建築士のいなかった昔はかなり進んだ技術と知識のある設計士だったに違いない。

棟梁と呼ばれるこれらの大工は受け継がれた知識と経験で家を設計していた。図板と呼ばれる板に材木の寸法から仕口の種類や位置などを書き込む。他の大工が見てもわかるように記号を使って描いていく。

図板は右上が北に来るように書くのが一般的でX軸方向左横にいろはにと柱位置ごとに振っていく。Y軸方向は下に漢数字で一二と振っていく。それを一階床、二階床、桁廻り、母屋と作る。省略して2枚の場合もある。100_1948

間取りを決めるには施主と打ち合わせしながら山の木をどこに使うかなど決めていく。昔の間取りは定型化されていたので独自のデザインとかは少ない。あるとしたら細かい仕上げの部分で差別化する。梁を大黒に貫通させたら鼻栓を出すとかそう言う部分は大工のセンスだろう。

構造も今だったら計算によるが昔の大工は経験や知識で作っていく。個々人の自由よりは昔からある経験が最優先だったに違いない。それを補強する技術の開発は大工個人の資質による部分が大きかった。ヨーロッパの古い建物や集落はこうやって作られた。

古い古民家の解体で建てた大工のこだわりの程がよくわかる。強度を上げるための仕口や栓は複雑になっていく。他の大工よりは少しでもいいものをと言う熱意が複雑にしていく。今でいうデザインのようなものだろう。

大工が全て仕切った頃と今の家つくりはだいぶ違っている。設備関係が増えて構造は箱のような機能だけを要求されるようになった。プレカットが増えて少なくとも木造住宅では素人でもできるようになった。間取りさえ決まれば構造計算はプレカット業者がやる。100_1298

大工が現場職人になってデザインと設備関係が設計士の仕事になった。設計事務所は行政に出す確認申請に沿った設計図面を描く業者になった。インテリアコーディネーターやデザイン専門の仕事も増えている。

設計士の重要な仕事に現場管理がある。設計図面通りに施行されているかをチェックする。行政に代わり検査するのだからそれなりに厳しい。ただチェックと言っても金物とか全行程のほんの一部に過ぎない。

100年住宅とか長持ちする住宅も話題になったことがある。基準法や規則で定める耐久性は建てた直後の強度を目処にしている。木材の経年変化や金物だけに頼る強度は長期の耐久性に心配がある。基準法は今でも未完成部分を変えながら現状に合わせた法律になっている。

基準法は何百年とか長期に渡る技術の積み重ねはない。昔の棟梁は何代にも渡って受け継がれてきた技術と知識で建ててきた。細かい亀裂が入っても倒れない構造と揺れないことを基本とする法ではどちらが有利かわからない。100_1225

少なくとも現状の家つくりでは構造はプレカット業者がデザインや行政の申請は設計士がやっている。木材も集成材が主流で建材と同じような経年変化を考えている。構造は後で交換ができないものだから問題はある。

住宅会社はデザインと独自の金物による強度をウリにして営業する。あくまで建材で作るやり方で無垢材や在来の仕口などのやり方とは違う。経年変化は気密性を高め密閉することで対応する。本当に耐久性があるのかまだ証明すらされていない。

設計士はこう言う建材だけで家を建てるやり方しかできないところが多い。見える部分のデザインが最優先される現状はますますその傾向が強くなる。古い在来の構造や金物仕口などが理解できない設計士も多い。

地元の木を使って昔からの大工の技術を活用した長持ちする家を建てる設計士は少ない。設計しても作る大工がいなければ絵に描いた餅になる。設計士は昔で言えば棟梁の代わりであるから全て指示できないとならない。設計士と大工はあくまでセットなのであってどちらが欠けても良い建物はできない。
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