青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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大工の勲章

基礎の下に鎮め物と呼ばれる箱を埋める。地鎮祭の時に埋めるように言われていたのです。基礎工事が続く現場は捨てコンを売って明後日から鉄筋組みに入る。作業場では上棟に使う棟札を作った。これにお施主様に書いてもらう。上棟式の際に大黒柱の前にお供えして拝礼する。 
 
ケヤキの刻みは今日も続く。杉のサンダーかけはだいぶ進んで来週には終わる。ケヤキ類も来週には終えて屋根や外壁の材料を加工しないとならない。上棟は18日以降になりそうなので現場搬入が12,3日からになる。いわゆる刻みは来週中で完了し加工に2週間ほどかかる。 
 
加工の合間に刻んだ材料を運んで組み立ての準備をする。足場をかけたりクレーンを手配したり準備が忙しくなる。足場は今日打ち合わせたが予定通りいきそうだ。クレーンも個人の業者なのでなんとかなりそうだ。そして材木だけでなく断熱材や金物等も日を合わせて用意する。 
 
現場監督の私はこれから超忙しくなる。一つでも忘れると現場が進行しなくなるので準備だけはしておく。何回やっても何かを忘れる。その度に建材店を探し回るハメになる。材木にあまり気を取られすぎるのかもしれない。 
 
こんな難しい現場は組み立ても時間がかかる。杉であればキツくても叩けば入る。ケヤキは叩いても入らないものは入らない。仕口を緩く作れと口を酸っぱく言っても聞かない。組んで試してから搬入するのだが加工後の時間の経過で狂う。 
 
赤松や柔らかい木なら加工も組み立ても簡単だ。硬いケヤキでは刻みから組み立てまで苦労の連続だ。機械でできる部分は少ないので全てノミとカンナで仕上げる。体力勝負のきつい仕事で経験のある大工なら誰もやりたがらない。息子のように若くてやる気のある者しかできない仕事だ。こう言う現場は大工の勲章みたいなものだ。
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古民家リフォーム

秋晴れの快適な一日。午前中は図面作成、午後は作業場で打ち合わせ。ケヤキの加工が続くがサンダーがけも進んだ。来週で加工を終えて外壁や屋根などの加工に入る。これが完成しないと上棟できないのです。細部の寸法を図面を描きながら大工や瓦屋と打ち合わせます。現場は基礎工事が進行中で給排水も同時に進行します。 
 
古民家リフォームの広告が今日も入った。今月は中旬から入り始めるので後半は4,5日に一度になる。今年の二月から3ヶ月ほどやった。5ヶ月中断して再開した最初に日に反応があった。前回の広告を見ていたら急に出なくなってどうしたかと思ったらまた出た。 
 
まさに古民家リフォームそのものと言うパターンで築24年の家をどうにかしたいと思っていた。24,5年前には多かった一階二階が段違いになった作りで敷地いっぱいに建っている。直すにもそこそこ金がかかりそうな間取りだ。部屋数が多く細かい仕切りがいっぱいある。 
 
小さい部屋が中廊下を中心に両側に広がる。一階が大きいので両側から日が入らない。だから冬は冷たく特に暖房しない廊下はかなりだと言う。昔大工さんが建てた典型的な家だった。子供も全部独立し夫婦二人になって定年間際もあってどうするか迷っている。 
 
若年層の低収入化とは反対に築年数の経った家をまとまった資金を使ってどうにかしたいと言うのが増えた。少なくとも人生で最大の資産を目の前に今しかないチャンスにかける。60歳といえどもまだ20年以上はここで暮らすことになる。寒いままで我慢か快適な新築かで迷う。 
 
リフォームでも本格的に断熱から水回りまで全て変えると新築とそう変わらない。工事の難しさから言ったら新築の方が簡単だ。決め手になるのは直進率、一階と二階がどこまで一致しているかだ。段がついていると強度も断熱もすごくやりにくい。 
 
こう言った悩みをお持ちの方は相当いるだろう。住宅会社を回って話を聞いても今風のこ洒落たものしかないので悩む。古民家リフォームはそう言う方にリフォームか新築を昔風の家作りで応えようと言う企画だ。
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遣り方

今朝は早くから現場集合。大工と基礎、給排水が集まる。遣り方を出してお施主様立会いで最終決定。これでいよいよ基礎工事の始まり二なる。すでに浄化槽設置や給排水も基礎にかかる部分はできている。 
 
遣り方はすべての部分の基準になる。周囲の地盤の高さはもちろん、玄関や勝手口の入り口高さまで決まってしまう。あとで外構工事のアスファルトや舗装まで決まる。基礎工事では掘る深さが決まるから残土量までわかる。 
 
ベタ基礎が多いので残土が大量に出てくる。基礎部分だけを掘る布基礎では掘る部分だけだ。ベタ基礎の場合は周囲はもちろん中までコンクリートなのですべて掻き出して砕石を入れる。コンクリートはたくさん入るが鉄筋を組む手間は逆に早い。 
 
もちろん強度的にも優れているし耐震性もよくなる。地盤調査の結果から判断するのだが長い目で見れば強いに越したことはない。瓦葺きなので重量もあって荷重がかかる。 
 
午前中は遣り方出しに来た大工は作業場へすぐ戻る。ケヤキの加工がなかなか進まずまだまだかかりそうだ。早出、残業で息子が頑張るのだがいかんせん手間がかかる。カンナがけ一つ取っても杉などに比べ一回で削る厚さが違う。ほとんど削れていないのでは思うほどで何回もかける。 
 
ケヤキは刻んでからすべて組んでみる。組み立ての時にすんなりいくかどうかはケヤキなど仕口が入るかどうかで決まる。ケヤキはキツイと重量があるため掛矢などで叩いても入らない。杉は柔らかいのでめり込んでくれるがケヤキは難しい。 
 
そういう努力はなかなか素人にはわかってもらえない。刻みが下手だとか間違っていると思われてしまう。事前に組んでみても上棟の時に木が曲がって入らない場合も多い。何にしてもケヤキ同士の組み合わせとか連結は大変だ。
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高原

昨日に続き暖かく所謂小春日和。現場は給排水が完成し明日から遣り方出し。大工が朝から杭を打ち貫で水平を出して基礎スミを出していく。いよいよ建物の位置と形が見えてくる。 
 
昨日も天気が良く久しぶりに七時雨高原に行った。途中の山でツルとか野バラとかを家内が採集する。実は昨年も行ったのだが高原のロッジは11月初旬で閉店だった。今年はなんとか間に合って食事と風呂に入った。前に来たのは子供達が小さい時で七時雨鉱泉とレストラン、売店などがあった。 
 
売店の前には池があってアヒルとかいたような気がする。今はただの小屋になって池もガマの穂で埋まっている。アヒルだって飼うには経費がかかるだろうし売店も来客数が減ったのだろう。閉鎖中は安比高原にロッジを経営してそちらだけになる。 
 
久しぶりに高原を車でドライブして秋晴れの快適な1日になった。思えばスキーに夢中になっていた頃以来来たことがなかった。奥中山高原も熱心に通ったものだが10年以上ご無沙汰だ。息子や娘もたまに来ている。 
 
気のせいか建物が古くなり昔ほど人もいないし寂れた感じにだ。来客も私と同年代の夫婦連れが多くて活気が感じられない原因かもしれない。確かヒバ造りだった建物ももはやただの古い小屋にしか見えない。 
 
スキー場やロッジなどは若者であふれていた時があった。今は昔をなつかしむ中高年しか寄らない。どこへ行っても地方の衰退とか高齢者で溢れている気がする。自分も中高年なのにどこか寂しい気がする。
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現場監督

秋晴れの快適な1日。現場は浄化槽設置工事。町の補助金事業なのでコンクリート打設の上設置。来週初めまでかかる予定だ。その後いよいよ遣り方だしになる。本格的な基礎工事にはいるわけだ。 
 
作業場では大物の加工も目処がつき大工たちが次の工程を考える余裕が出てきた。構造材の加工から屋根の仕上げ方や窓の納まりなどに目がいくようになった。これまで何を話しても上の空で大物と格闘で余裕がなかった。 
 
構造に目処がつけば最終の仕上げに考えが及ぶ。もちろん設計者である私はとうに図面作成済みなのですがね。屋根の納まり一つ取っても細部の寸法は大工と相談しないとできなところがある。使用材も在庫であるのか買うのか。在庫があるとすると数が間に合うのかとか。 
 
発注者でもある私はこれからの方が忙しくなる。基礎工事を監督しながら資材の発注をする。材木だけでなく建材や金物等拾い出しをする。同時に足場設置とか板金、瓦も手配する。その合間に電気とか給排水も目を配る。 
 
現場監督は上棟時が一番忙しい。私の場合は元請けなので式次第も考えなければならない。次第ってほどのことはないにしてもどういう要領でやるかはこちらで考える。大黒柱に紅白の布を巻くとか棟札を書いてもらうとか祭壇も準備する。 
 
昔の大工さんはこう言うにうるさいのがいて一切取り仕切るのがいた。司会まで買って出て便利この上なかった。木遣りの一本も唸りたがるくらいだった。 
 
時代変わって上棟式もやらないのが増えて大工たちもただの下請けなのでほとんど興味がない。当社としてはお施主様次第だが基本的にはやることにしている。私が司会をして息子が棟梁として家の四方に酒と塩を捲く。後はお施主様から順に大黒柱の祭壇に拝むと言うやり方だ。ほんの30分もあれば済んでしまう。 
 
工事の安全とかよりもお施主様に記念のイベントだと思っている。些細な思い出だが記憶に残れば幸いだ。
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