青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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展示場

朝から雨で降ったり晴れたり。午前中は事務所、午後は知り合いの伐採業者の娘さんが家を建てたいと言うことで土地探し。不動産業者と一緒に見て歩いたがイマイチ。なかなか思うような感じでない。他にも2,3業者に依頼してあるのでまた探す。

帰りに展示場によってもらったらすごく気に入った。売って欲しいと言われて予想外の展開にこちらも戸惑う。今日は奥さんだけだったが近くのアパートに住んでいるので展示場の外観は見ていた。こんな感じにしたいと思っていたそうでえらく気に入った。

奥さんの父上は伐採と運搬の業者で前から顔見知り。やはりプロの目から見ても展示場はそう簡単に建てられないのはわかる。凝って作ったからさもありなんだ。さすがに木を見て育っただけあって見る目は確かだ。

若い方でもまだこういう建物を好きなのはいる。予算的なものもあって最初から諦めるのもいる。しかし決して特殊な訳でもないし珍しいのでもない。根強い需要はあるといつも思っていた。それをどうやって周知させるかなのだ。

今も古民家リフォームの広告をやったりいろいろやってきた。とっつきにくいのもあるのか関心はあっても簡単に成約まで行かない。30歳の若い方でもこんなに気にいるのもいるのだ。まあやり方次第で将来も開けると言うことだ。


加工機械

朝から作業場で機械の修理に立ち会う。デジタル式なので修理というより交換になる。中古で購入して3年経つがデジタルは故障すると大金が飛ぶ。息子と相談して決めないとならない。

作業場と預けてある在庫を調べた。高級材はあまりなくて並材が多い。1年以上経つので乾燥は十分だ。今後はプレカットも増えると思うし使いにくい特殊材は減らしたい。むりやりでも修正挽きして使い切ってしまいたい。

手刻みとかこだわりの家つくりは材料の良し悪しと加工機械の性能がものを言う。乾燥した材料と省力化した加工機がないとできない。以前は山を買って好きなように製材した。手つくりの家は既製品だけでは作れない。特殊な寸法とか必要になるので元になる特寸の材がないとできない。

ここ10年ほど家つくりの流れがデザインとか省エネ性能に重点が移った。シックハウスは昔の話で今ではどこでも基準はクリアしている。どちらかと言うと部材の共通化や建材化が進み表面的な仕上げで差をつける傾向がある。色とか素材とかで変化をつけるやり方だ。

乗用車ほどではないが中身の部材の共通化は進んでいる。いかにデザインで目新しさを見せるかが最近のやり方だ。構造とか断熱は黒子扱いで性能さえクリアすれば何でも良い。

昔の家は古民家に限らず構造材がデザインの骨格をなしている。柱や梁を見せることでデザインが決まる。決してダミーの張り物でごまかしている訳でない。

こう言った骨太の構造で見せるやり方は材料と技術で難しくなった。在庫を持ってもすぐ使える寸法でないといつまでも在庫になる。現場ごとに特寸を使ってデザイン的にもこだわれば在庫がなければできなくなる。

売り上げ優先で規格材を使うやり方は限りなくプレカットに置き換えられる。在庫までしてしかも加工機械がないとできないやり方は古いを通り越して骨董の世界になってしまった。企業存続のためにはコストを下げなければならない。いつも手刻みとプレカットの狭間で揺れ動く。


コスト削減

午前中は現場と業者打ち合わせ。午後は図面作成。来週から始まる現場の打ち合わせが始まる。図面も施工図面のチェックで忙しい。現場が動き始めるといろいろ考え事とかできなくなる。メーカーの見学会とか展示会とか重なるので忙しくなる。

広告とかまあいろいろこれからの予定を立てている。広告は新聞広告が始まっている。5月から見学会とかやりたい。昨年春以来だから久しぶりだ。予約制でないとできないので数が限られる。今年はリフォームが一気に増えそうな予感がする。新築は予算的に厳しい現場が増えた。私だけかもしれないが。

これからもこの傾向は変わらないだろう。リフォームが本格化するような気がする。予算的に見ても少し余裕がある方が多い。新築は二極化して安物と高級路線がはっきりする。金利も下がり傾向として安くなる気がする。安売りの大手も進出して来るようだし。

古民家風とか凝った現場は安定して受注が難しい。来る時は来るしダメな時はダメなのだ。こちらの要望通りにいかないのが古民家風だ。何と言ってもお金持ちの自営業者やお医者さんがメインなので数が限られる。

大手の建売や安物の注文住宅が増える傾向にある。安物と言っては失礼だがそれなりの仕様でたてるしかない。職人も安くしてもらわないとならないし油断すると厳しい結果が待っている。当社はハナから余計な経費をかけないようにしている。さらにトラック類も借りたりコスト削減を進めている。


ニセモノのデザイン

昨日に続き寒い。床屋に午前中、その後喋って昼近くになる。午後はクレームがあって現場へ寄る。大したことはなさそうだが後で業者を呼ぶ。戻ってブログと来週会計事務所が来るので伝票など。

床屋で喋っていると結構社会事情がわかるものだ。床屋さんは色々な職業、職種の方がやってくる。いつの世でも他人の不幸は蜜の味ではないが潰れそうとかわかる。同業者のことを喋るのもいるのだろう。こう言う情報がはやい。どこそこをいくらで処分して誰が買ったとか、社長が夜逃げでいなくなったとか。

経済知識とか難しいことはわからなくてもどの業種が景気が悪いかわかる。高齢化社会で葬儀関係が絶好調だが墓石屋は過当競争だ。リフォーム同様今後を考えて対処する。死ぬときは80代でも墓地は60代くらいに作る。墓石屋のピークは過ぎた。

リフォームは超高齢化社会になる前がピークだ。だからこれから10年くらいが金額の張る工事が増える。その後は徐々に減って金額も小さくなる。戦後のベビーブーマーは60代後半に入った。大がかりな工事をやるには少し年を取りすぎている。今50代後半が大きな工事をやるようになるだろう。相対的に数が少なくなるが前世代の小さな工事があるから全体では増える。

私も60代後半に入るからこれから年下のリフォームを手掛けることになる。自分たちの経験を生かせるので有利だろう。何と言っても経験が生かせるのはお施主様には頼みになる。手すりやトイレの作り方、浴室の作り全て自分が不自由を感じないと本当に必要なものがわからない。

若い世代向けの住宅はデザインが大きなウェイトを占める。流行りものだから敏感でないと遅れていく。年を取ると普通は遅れ気味になる。施主が自分の子供と同じくらいなのだからそうだろう。逆に彼らに年をとった時のことを言っても始まらない。デザインのために耐久性に難があっても無視する。そういう家つくりが主流だ。

家がファッション化したとか消耗品になったとかあるかもしれない。住んでから気がつくことは多いもので年をとらないとわからない。長く住める家つくりは基本だと思っていた。それでは仕事が取れない世になって一部のマニア向けの家つくりになってしまった。そのマニアが意外と少なくないのだがニセモノのデザインに流れてしまうのが悔しい。


ショールーム

狂ったかと思うような暖かいお天気。自宅の脇にある倉庫もすっかり雪が溶け強風で材木が飛んでいく。慌てて片付けたが雪解けでドロドロになった。溶けるとそれはそれで困ったことになる。

開けて今日は一転して寒い1日。昨日の泥んこがそのまま凍って歩きづらい。事務所前の駐車場も溶けたり凍ったりで凸凹になった。午前中は電気工事業者と打合せ。午後は図面作成。

日曜に通りかかったメーカーショールームが混んでいる。どこかの住宅業者が展示会をやっている。建材メーカーのショールームは原則誰でもどこの業者でも入れる。土日に申し込むと場所を借りて展示会とかができる。自分のところだけでなく誰でも入れるから貸切ではない。

私には他人のふんどしで相撲を取るような感覚がある。メーカーは誰にでも販売するから特定の業者の展示会と言うのは違和感がある。ここ10年くらいに始まったようだ。

私は30年以上前にはメーカーの営業をしていた。ショールームはなかったが特定の業者が勝手に出入りすることはない。ところが今は特定の業者の会場のような使い方をする。

何も知らないでショールームに来たつもりが業者の営業が来る。騙されたようなちょっぴり卑怯なやり方のような気がする。ショールームだけのつもりだったのにだ。

これは大手の業者のよくやる手だ。住友とか三井と誰でも知っている名前を社名に入れる。知らないで頼むとフランチャイズで地元業者だったりする。看板商法の一種だが意外と騙されるケースが多い。

リフォームには地元業者でここが大手と言うのが存在しない。どこでも誰でもリフォームはやっている。特に知り合いもいなければ聞いたことがある社名のところに行ったりする。

リフォームは新築よりもある意味で職人のレベルの差が大きい。アフターもしかりだ。大手は往々にして契約した地元業者に丸投げする。クレームだらけでトラブるケースもある。宣伝やイメージだけで選ぶと高いだけの設計もなく平凡なものになりやすい。