青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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注文を断る

午前中は現場へ行き大工に指示する。午後から引き渡した現場へ行く。地産地消の本に掲載するのでインタビューに行った。終わってすぐ神棚をつけたいと言う現場へ行く。終わってまた工事中の現場へ。 
 
めまぐるしい一日だったが天気も良く何となく快調にいった。暖かいと体の調子が良いようだ。で、滞りなく仕事を済ませ事務所へ戻ると以前建てた方から電話。 
 
自営なのだが事務所を建てたいと。ありがたいことだが今はいっぱいでできそうもない。本当に断るのもしんどいのだができないものはできない。残念がられて何度もやってほしいと。 
 
当社の仕事を経験した方からの注文だからこちらを気に入っている。だからこそこちらも断るのも苦渋の決断だ。決して驕り高ぶっているつもりはない。 
 
ないのだが断られる方にするとそう思うかもしれない。何とか結論を先延ばししたがスカッとしない。注文があると言うことはこちらを信頼している。初めてでよく知らない方ではない。 
 
まあ仕事が多いのも良し悪しで悩むことはどちらも同じだ。何とか大工や基礎屋を見つけてやりたいのだが…。儲かるとか苦労するとかはどうでも良いが….でも悩むなあ。


中間検査

午後から中間検査があった。敷地周辺の離れを測り中で図面と照らし合わせる。金物、窓位置、釘の打ち方….一通りチェック。敷地の離れが訂正箇所があった。 
 
で、最後に基礎の配筋の写真提出となって忘れたのに気づく。結局後で届けることになった。毎回何かを忘れるがこれも歳か….なんて言ってられない。 
 
窓の高さが違う箇所を大工に指示したり建材の入荷の打ち合わせ。年内の仕事は29日までで新年は7日からになる。建材が順調に入荷しないと大工の仕事がなくなる。
 
夏と違い冬は大工も比較的見つけやすい。工期的には2月まで大工を予定しているので間に合う。今の所入荷は順調にいっている。年明け早々にはサイディングが入荷し外部ができて来る。 
 
今回は外断熱なので基礎屋根外壁とグルリとウレタンボードで包む。屋根はガルバリウムの下に入っている。継ぎ目も気密テープでしっかりとくっつけている。 
 
外部も年内には塞がる予定だ。アルミ箔で仕上がっているから水も入らない。グラスウールの場合は水分に弱いから気密シートを貼らないとならない。 


検査

晴れたが風があって寒く感じる。大工がサッシの取り付けをする。今日は1階を明日は2階を予定する。明日は午後から中間検査があって金物や壁量の確認をする。同じく瑕疵担保保険の検査も来る。 
 
行政の検査は図面通りかどうかを見る。敷地の隣地からの離れや高さも測る。隣地とのトラブルにならないよう境界の確認には慎重だ。完了検査の時にも再検査する。 
 
日影の問題もあって北側の隣地には制限がある。北側に寄れなくなるのだが高さも制限される。後でトラブルがあった時に行政の検査が通ったかどうかが問題になる。 
 
昔の検査はの日影の検査くらいしかチェックしなかった。今は内装も構造も全て基準法に照らし合わせ厳しくチェックする。こう言う言い方は不謹慎かもしれないが行政に落ち度がなかったかチェックしているようだ。 
 
家が建って何もなければ検査が通ったとは限らない。隣地とのトラブルは境界から日影から果ては視線にまで揉めたりする。隣地と近い窓は目隠しをする必要がある。あるが行政はそこまでチェックしない。 
 
トラブルが増えたのか知らないが行政は関知しない旨の念書を書くのが増えた。お施主様の希望も増えたが隣との工事中の揉め事も増えた。昔のように任せっぱなしはほぼなくなり毎日アレコレと気を配ることが多くなった。


外断熱とサッシ

現場は気温が高いと泥で汚れる。なので現場前はシートを敷き詰めてある。ボードで塞がった現場は真っ暗で今日搬入されたサッシを取り付ける。 
 
年内はボードを貼りサッシをつけて断熱材を貼る。次はエアホール付きの通気胴縁をつける。そして外壁材を貼って仕上がる。正月休みはサイディングを貼るところまではいかない。 
 
サッシの取り付けは外壁や内装の取り合いに気をつけながらになる。特にコーナー部分はサッシ枠が外壁の中に入ってしまう。いわゆる入り込んでしまう。そうならないように少し移動したりサッシを小さくする。 
 
外断熱でしかも通気工法だと外壁は柱から7センチも出る。入り隅の場合は外部が出隅の場合は内部が壁の中にめり込む。現場の大工は常識なのだが設計者には無頓着になりがちな点だ。 
 
在来工法は真壁が基本なので大壁仕様だとサッシや断熱材が邪魔をする。真壁で内断熱だとあまり問題ない。しかし内断熱では真壁だと厚みを取れない。今日では100ミリが最低だが50ミリしか入らない。 
 
柱を太くする方法があるが5寸角(150ミリ)でも難しい。結局外断熱にするのだがサッシ類が変形寸法になる。外断熱と真壁工法は切れない関係になる。まあ性能も良くなるし予算さえクリアすると問題はないのだが。IMG_0230


住む方の視点

昨日は引き渡した現場へ寄った。作り付けのテレビ台が寸法が小さいと。継ぎ足しも作り直しも難しい。で、別な台を作り既存の上に乗せることにした。 
 
これだと将来テレビを買い変えた時に、多分将来は壁掛け式だろうから小さくても良い。被せた台はそのままベンチなり棚として使える。作業場で作るから材料はかかるが早い。 
 
引渡し後しばらくは色々不都合がある。間違いというほどでなくとも不便なことはある。そうした場合に現場で無理やり壊して直すよりは作ったものを搬入したい。 
 
現場も汚さないし職人も楽だし塗装もあるから匂いもする。水性を使うと時間がかかりシンナーだと早い。まあ面倒なことが多い。 
 
見た目やデザイン優先は近頃の家つくりの主流だが住んでからという考えがない。そもそも自分が古い断熱の悪い安っぽい家に住んでいる。最新の流行の家の欠点とか無駄さがわからない。 
 
設計者がいつも新しい家に住めとは言わない。視点を住む方の目で考えるのが大事だ。家に限らずデザイン優先の傾向は強くなった。それをカッコ良いと思うのが増えたと言うことだ。