青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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部屋のイメージ

先週の厳しい寒さに比べると暖かくなった木がする。大工たちも今日から外部の工事に戻る。息子は一人作業場で加工。支払いや図面作成後午前中かかって作業場の板を積み込む。現場へ午後から配達し余ったフローリングを積んで倉庫へ。 
 
明日配達予定のフローリングを出して準備する。ついでに倉庫をチェックして栗の羽目板があるのを発見。腰板や天井に使えそうだ。今回の現場へ各種の羽目板の残りを使う。部屋ごとに別種の木で天井とか腰板を考えている。 
 
お遊びの要素も含め設計とかデザインは面白い。在庫であるものはコスト面からも有利だ。それでお施主様も喜ぶならそれに越したことはない。トイレ、洗面、玄関等狭い部屋を用途ごとに変えてみたい。 
 
私はどちらかと言うと外部は平凡だと言われる。内部はその割には面白いと言われる。別に意識しているわけではないが外部はパターンが決まっている。古民家風とかでは板貼りと漆喰が多い。 
 
それに比べると内部は部屋ごとにイメージを少し変えても良い。床、壁、天井を微妙に変えたり腰板をやったりする。和風のイメージさえ崩さなければ何でもできる。たった1種類で統一するのもアリだが床材は同じでも壁天井が別とかもある。 
 
腰板は部屋の中には使いづらくなるのでやらないが廊下部分はよくやっている。腰板は古臭いイメージがあって特に杉などはモロに田舎臭くなる。赤松や広葉樹を使ったりするとグッと面白くなる。素材は統一して寸法の違う板を使う手もある。 
 
今回はお施主様の希望もあるので色々試したりしている。それを面白がるならこちらもあらゆる手を考えてやっていこうと思っている。CIMG5814


サイロ

昨夜は降り積もるかと思ったらそれほどでもない。道路も除雪が行き届いている。湿った雪だったのが幸いしたかすぐ溶け始める。日中は陽も出てだいぶ溶けた。作業場へ朝一で材木を取りに行く。現場へ届けてその後リフォームの現場へ。昼食に戻ったら息子から電話でサイロが溢れたと。 
 
作業場では今日は二人で加工をしていた。板のカンナがけをしたら鋸屑が溢れて来た。サイロはかなりの量が溜まる。年に2,3度抜いて貰えば良い。9月ごろすっかり空にしておいた。年内は大丈夫と思っていたが先月今月とあまり加工をしなかった。 
 
油断していたと言うことだが昼にいきなり溢れて来た。大慌てで近くの牛舎に頼んでダンプで来てもらった。排出は電動で出るようになっている。2時間ほどで2トン車が満タンになる。全部抜くとなると4,5台はかかる。とりあえず今日と明日で2台抜いてもらうことになった。 
 
鋸屑は牛舎の藁敷きに使う。田んぼの稲藁がなくなって来た今頃から需要が発生する。アオリの付いたダンプに満載で運ぶ。指定の場所に開けるのだが雪があると滑る。4輪駆動のダンプなら問題がないが古いタイプだから走れない。すぐ近くなのだが結構大変だ。 
 
生き物相手の商売だから雪だろうが何だろうが交換はしないとならない。稲藁が切れかかってくる今頃から持って行ってもらう。積み込むのはこちらでやって引き取ってもらう。これができないとせっかくのカンナ盤も持ち腐れだ。鋸屑を処理するのが結構かかるので本格的なサイロまで持っているところは少ない。 
 
手刻みの家つくりは誰でも出来ると言うわけではない。3つ条件が揃わないとできない。墨付けのできる大工、乾燥した材木、自動カンナ盤など加工機と鋸屑処理施設。大工と材料は当たり前として自動の加工機もないと不可能だ。これが金がかかるし負担になる。 
 
刃物とか電気代とか馬鹿にならない金額だ。これに故障となると目眩がするほどの額になる。ここまで出来てやっと一人前の工務店だ。何組もの大工たちに仕事をお願いしたがここまでの作業場を持っていたのはいなかった。だから自分で作らないとならなくなった。 
 
大工になった息子が帰って来てから本格的に整備した。少なくとも設備だけはどこにも負けない作業場持ちになってしまった。すぐ隣は製材所で宮大工相手の良材を持っている。これほど恵まれた条件はどこにもいないと思う。あとは仕事をいかに取ってくるかだ。CIMG5811


スピードアップ

気温は高いがミゾレ気味の雪。現場もグチャグチャで外部の柱が濡れてしまう。後で養生をしないとならない。少し遅かった気もするが。煙突カバーも屋根の雪が溶けないとできない。もちろん外部の板貼りもだ。 
 
午前中は現場で打ち合わせ、午後は事務所。夕方から洗濯パンの取り付けに行く。二階の洗面で漏ったりすると下にシミになる。一階だとあまり気にもならないが二階の場合は問題がある。設計時に気がつくべきだった。 
 
なかなか暖かくならないので外部工事がだいぶ遅れてお施主様にも心配をおかけしている。仮住まいのアパートも契約があるしいつまでもとはいかない。分かってはいるがおいそれと端折ることもできない。人数を増やしてピッチを上げると言うのもある。しかし慣れないメンバーでは逆に手間取るし経費の割には進まない。 
 
当社は進行が遅いと言われることが多い。手間を省けば早くなるのは重々承知だが丁寧な作りを標榜しながらそれもできない。そもそも大工たちがいつもの通りやるからペースが速くならない。急げと言わない私も悪いかもしれない。 
 
今やっている仕事をキチンとできないのに次の仕事はない。目の前のことに全力を尽くさなくていつやるか。言うは易く現実は速く速くの大合唱だ。業者も足りない業種もあって忙しい。言われなくてもサッサと片付けないといけない。のんびりしているのはこちらだけかもしれない。 
 
愚痴っぽいことを書いてしまったが天気が悪いと面白くないことばかり考える。何とか頑張って工期も間に合わせないといけない。経験を生かして何とかスピードアップをしないと。CIMG5807


加工品

昨日より暖かくなって道路の雪も溶けた。現場も少しだけゆったりした空気が流れる。二階の床を終わって下地を組んだりロフトの床の準備をする。ロフトも床現しなのでリバーシブルを貼る。赤松を予定していたが割れや節が多く半分は杉にする。 
 
リバーシブルは作ったものしかないので足りないと大変だ。多めに作ったつもりがロスも多くギリギリ間に合った。本来は杉を使わず赤松だけで間に合うはずだった。いつもは赤松は節や割れを除いて繋ぐ。出来高がわかればロスはない。繋がないで加工すると不良品が必ず出る。 
 
加工業者も減って当社も在庫もなくなった。今後は作ることは考えていない。もちろんお施主様の意向次第だが在庫はしない。ネットや加工業者からできたものを買うことになる。値段は高くなるがロスや手間がかからない。 
 
材料を挽いて在庫して業者に持ち込む。もちろんこちらで運ぶ。さらに出来ると引き取りに行く。余るように加工するから余ったら持ち帰る。これだけの手間をかけないとオリジナルができない。その価値がわかってくれるとやりがいもあるが既製品の方が良かったと言われるとやる気がなくなる。 
 
加工品は工場生産品でないから品質検査がない。バラツキはあるし梱包もしないのでキズも多い。目や色も選べない。極端な色や模様は除いているがその分も経費はかかる。材料費と加工代は安いがロスを見ると安いとは言えない。 
 
なぜそんな苦労をしてまで作るのか。自分だけの他所では手に入らないものが手に入る。結局これしかメリットはないしそれだけを目的で作っている。言わばこだわりを超えた趣味みたいなものだ。喜んでくれるお施主様がいなかったらやる意味はない。 
 
古民家とか手刻みと言っても相当な予算がないとできないのと同じでオリジナルは普通の家作りでなくなっている。古民家風がいつのまにか当たり前になって誰も本物を追求しようとはしない。経費を考えると採算が取れるとは言いにくい。ライバルが減って行くのは当然のことかもしれない。CIMG5798


階段

今日も寒くて昨夜からの雪も積もった。一面真っ白の道路はノロノロ運転で渋滞する。いつもは1時間もかからない現場も遅くなる。現場は二階床が終了し下地作りに入る。続けてロフトの床も赤松を貼っていく。
 
階段は継続中だがやっと3段くらいまで来た。一日で二段くらいしかできない。片側現しの階段なので斜めに差し込みながら取り付ける。もちろん穴を掘ってピッタシと決まらないといけない。側板に入れ込む時にささら側は斜めに噛むように入れる。 
 
口で言うと簡単だがコンマ何ミリの世界なので叩きながら少しずつ入れていく。穴の大きさは現物を当てがいながら隙間がないように嵌める。根気と慎重な仕事なので時間がかかる。 
 
なんども付き合って来た棟梁たちだが階段作りが得意なのから下手なのまで様々だ。ケヤキのクセとか読みながら穴を掘り入れる。やはり一番経験がものを言うようだ。若いと経験が少ないのであとで隙間だらけになる。 
 
木の目を見ながらどっちに曲がるか読んでキツくはめ込む。入れる際に余裕がないと入らないので板を叩いで入れる。こうすると後で膨らんで来てピッタリになる。これはどの木でも入れる際は必ずやる。後で隙間を見つけて埋める際は水をさす。 
 
木は基本的に凹んでも水で濡らすと膨らんでくる。叩いた場合も同じことで元に戻ろうと膨らむ。これによって隙間ができにくくなる。集成材の階段だとこう言ったことができない。叩いても水を差しても死んだ木は元に戻れない。だから現場加工よりはプレカットの方が上手くいく。CIMG5792