青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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外壁の板貼り

雪が積もって一面真っ白。午前中は現場と作業場へ。外壁用に板を用意したが節が強すぎて使えないと大工が言う。慌てて製材所の在庫を探し小節の板を作ってもらう。乾燥が十分でない恐れがあるので乾かさないとならない。 
 
自社の杉も製材中だがこちらはもちろん生で使えない。なので製材所の在庫を探して寸法を決めて確保する。生だったらどこでも買えるし丸太もある。乾燥材でないと貼ってから割れたり反ったりする。 
 
50年前だったら外壁の板貼りは普通で製材所も在庫があった。手間のかかるささら付きの下見貼りは少なくなった。雨ざらしになる外壁なので割れと反りは目立つ。板幅の寸法を10センチとか小さくすると少しは目立たたない。 
 
ささら付きの下見貼りは鎧貼りと言うが昔は定番だった。板の寸法も厚みも幅も大きかった。15センチ以下とそれ以上は丸太から取るのに歩留まりが違う。つまり15センチ以上は予算があると言うことだ。 
 
鎧貼りは下見貼りだから重なりがある。20センチ幅の板だと言っても重なりが15ミリで18センチくらいに仕上がる。昔の豪邸などでは見えがかり20センチ以上はある。1尺幅くらいの板でないと作れない。 
 
幅一尺の板は直径40センチクラスでないと取れない。相当高くついてしまう。木の豊富な昔だからできたが今はかなり贅沢な方だろう。その上無節を望めば大変なことになる。当社でも全部無節は無理でも小節程度でなんとかまとめている。


初めての国産材

昨日の日曜は野暮用が重なりさらに展示場まで来客があった。22年前に建てた方から電話でドアの鍵が壊れて鍵屋に電話してもらう。今日も朝からボイラーの故障とシャワートイレの故障と続き走り回る羽目になった。 
 
独立後30年も経つと最初に建てた方がリフォームの時期に入る。初期の頃は国産材にこだわった家は少ない。最初は6年ほど経った頃だろうか。その前は外材で建てていた。しかも材木の調達そのものも大工任せだった。 
 
国産材に変わったのは親戚の家を建てた際に自分の山から出したことだった。初めての伐採で量もどのくらい出るのかわからなかった。もちろん乾燥のこともわからない。製材して生で使うような状態だった。 
  
大量に余った丸太を全部挽いたら何棟分も在庫することになる。置く場所からトラックから何もかも全くわからなかった。預かってもらっても一部を横流しされたり雨晒しで使えなくなったりした。 
 
色々業界の裏事情も理解し高い授業料を払って必死で覚えた。20年前は製材所も元気があって国産材の家も多かった。大工もプレカット何するものぞと言う根性のあるのがいた。 
 
時は流れ製材所は廃業し腕の良い大工は引退した。いつのまにか国産材の手刻みで家を建てる業者は貴重な存在になった。それどころか職人不足で普通の家ですら大変な時代になった。 
 
そう言った活気がある国産材の時代の家がリフォームの時期に入った。せっかくの真壁の家を大壁のクロス張りに直している。客というより業者の方がそうしたがるのだろう。古民家リフォームで昔の良さを殺さないリフォームをやりたい。


設計業務

今日は朝から暖かい。午前中は打ち合わせで午後から現場へ。新築の現場で大工と打ち合わせ後製材所へ。街は景気が良いのかすごく混んでいる。いつもなら30分ほどの作業場からの帰りが倍近くかかる。 
 
通勤ラッシュとか帰りにラッシュに会うとかない生活が続いている。決まった出勤時間もなくすぐ近くなので混むと言うことはない。なので混雑した時の近道とかどこが混むとかの情報や学習に疎い。 
 
サラリーマンなら毎日決まった時間コースでラッシュに巻き込まれる。どこを通ると早いかとかすぐ憶える。自営はそれも職勤隣接だから考えたことがない。だからノンビリ好きなところを好きなように走る。 
  
仕事も同じで毎回同じことを繰り返せばすぐ憶える。設計事務所とか住宅会社は設計業務は当然自社でやる。しかし確認申請の提出とか各種申請は他社に依頼しているのが多い。設計と役所に出す確認申請は似て非なるモノでそれぞれ専門知識が必要だ。 
 
同じ家の図面でも設計屋なら意匠設計が重要で法のクリアにはあまり関心がない。確認申請は法の遵守が一番でデザインとかはどうでも良い。似たような職種に構造設計というのがあってこちらは構造の強度を専門に設計する。 
 
意匠設計が施主に近いので確認申請とか構造設計は触れることがない。設計事務所と言っても自分で全部やるところは少なくてどれかが主な仕事になっている。分業でやったほうが効率が良いので普通だろう。 
 
当社は意匠設計と現場管理が主で工務店のような請負もやる。だからどうしても確認とか構造はよそに依頼する。もちろん私も多少知識があるので自分でもやっている。間違いがないように2度確認する意味でよそに依頼する。


ニセモノの家

午前中に金物の検査、滞りなくパス。大工はサッシの取り付けと断熱材の貼り付け。終わると外壁の板を加工して鎧貼りになる。なんとか年内に終えたいのだがどうなるか。板は簡単に貼るのだがささらをつけるのがえらく時間がかかる。 
 
鎧貼りは杉の板を下見に貼ってその上にささらと呼ばれる縦桟をかぎ型に加工してつける。このかぎ型に加工するのに一つずつ合わせる。言うのは簡単だが板を張る際にほんの少しでもずれると加工が全部ずれる。ひとつずつ丁寧に加工しながらなので時間がかかる。 
 
この作業は大工の性格にもよるが大雑把な職人だと皆隙間を空ける。見た目はもちろん耐久性にも影響するのできっちり仕上げたい。一つずつ山に合わせて切りながらの作業は半端でない時間がかかる。昔の大工はこう言う作業を延々と時間をかけてやったのだろう。 
 
古民家の良さはこう言った丁寧な仕事が随所に見られることだ。手間賃も安く人手も豊富な時代の名残と言えば言える。スピード最優先の現代ではとてもできることではない。良さを認めて建てようとする方も予算との兼ね合いでなかなか実現しない。 
 
インバウンドが増えて日本的な家も見直されている。海外で負け続ける企業や経済成長そのものがパッとしない。自信をなくした日本人に元気を出せと日本賛歌的な傾向が出て来た。 
 
文化はともかく建築の観点から言えば世界的に通用するような建築は少ない。特に住宅に関してはウサギ小屋的発想から抜けきれていない。小さく安っぽい古い住宅があまりに多い。リフォームも進まないし直しても元に戻っただけだ。 
 
新築もまだまだ小さく似たような一律のデザインが多い。気鋭の建築家は中国での仕事が増えている。そう言う仕事を依頼する層が出て来て面白そうな建物が多い。一部の層と言うには膨大な数の中国である。ここ20年くらいに建てたものばかりだからデザイン的にも進んでいる。 
 
中国人が日本に来たら古臭く小さい建物ばかりでがっかりと言うだろう。ヨーロッパのような石つくりとまではいかなくともせめて本物であればそれなりに見栄えする。鉄板と偽物のサイディングはあまりにみすぼらしいと思うのだが。


薪ストーブ

今朝は暖かい、なのに遅く起きてワンコの散歩はお預け。現場では屋根工事と大工工事。明日は11時から金物の検査がある。午後は薪ストーブの取り付けに立ち会う。遅くまでかかって事務所へ戻りブログ。 
 
薪ストーブ業者さんはウッドラックさんで青森市から来る。代表の相馬氏は元は県木住にいた。色々あって自分の好きな道に進みたいと薪ストーブ屋になった。なんだかんで10年くらいは付き合っている。 
 
薪ストーブ屋は業者も少ないので競争もないと思う。県内だけでも2,3軒しかない。個人の趣味に近いようなところを入れても大した数ではない。薪ストーブは設置するには特別な資格はないが経験がないと難しい。 
 
燃えや大きさとか基本的なことはもちろん煙突の設置が難しい。燃え方は煙突の性能で決まるから十分に検討しないといけない。設置も曲がりとか長さとか基本的なデータ以上に経験が要る。 
 
煙突は一番のポイントで断熱煙突で距離も長く取り曲がりも少ない方が良い。金額もストーブ本体よりも高くつく。総額で100万円は超える。そして薪そのものも十分な乾燥と広葉樹を用意する必要がある。 
 
隣近所から煙で苦情が出てトラブルになったり薪そのものが虫が出るとか面倒なことが多い。薪を切る際にチェンソーの音がうるさい。そもそも薪を積んで置く場所もお隣に寄せて置く例が多い。何かと面倒なことも多いが暖かさは格別で薪割りの苦労など吹っ飛んでしまう。