青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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競争

今日は雪が降る一日。現場も真っ白くなった。材料を運び水道屋と打ち合わせ。給排水は床下なので床合板を貼られるとできなくなる。ユニットもメーカーが現場下見に来た。予定通り入れてもらう。 
 
午後から製材所へ行くつもりだったが雪もあって遠慮した。雪が降っても吹きさらしの製材所は休みがない。しかも雪だと丸太が滑る。危険極まりないのであまり近づきたくない。 
 
明日からまた大工たちが帰って来る。上棟に借りたのを返しに行く。職人不足もあってお互いに貸し借りをする。そうでもないと人手をいっぱい集めなくてならない。職人不足の折で探すのも容易でない。 
 
住宅会社などのように現場を次々と見つけ職人が空かないところは良い。当社のように年に2,3棟しかやらないところは現場の合間が空くことがある。休む代わりに他所に貸し出して必要な時に借りる。 
 
当社は基本的に下請けはしないので客の全てを私が相手する。着工中の現場、次の現場、その次の現場、やるかどうかわからないものまで全部だ。常に設計の図面を2,3箇所描いている。 

業界は着工棟数で優劣を決めたがる。メーカーや下請け業者の現場数は当社の比でない。何十棟は当たり前で常に何箇所か工事中だ。もちろん一人でやるわけではないし人数分の仕事を取って来る。 
  
住宅会社同士でも着工数が多い方が業界で幅を利かす。業界基準では当社は超零細企業になっている。しかし中央の大手が進出して競争もかなり激しい。利益率も低下傾向で仕入れ値も限界にきている。大工など職人手間もなんかんだと下がり気味だ。 
 
当社はそう言った競争に巻き込まれないような仕事をしている。手刻みにこだわりお施主様の意向第一で細かいサービスをしている。だから年に何棟もできなくなるわけで今ぐらいが限界だ。今後も増やすつもりもないし妥協もない。


美味しいもの

午前中は打ち合わせで午後からカーテンの打ち合わせというかカーテン屋さんへ。今日は大工が休みの現場へ材料を運ぶ。午後から製材所へ材料の打ち合わせ。 
 
昨日息子がお客様と釣りに行った。船で沖に出てタラなどを釣る。大漁だったようでマダラの白子入りとか生で堪能した。本当に新鮮でないと生食はできない。酢を入れて嫌になる程食べた。 
 
今日も残りの魚をさばいて焼いり煮たりして食べる。シーズンに入って旨さも最高の時期だ。私は釣りの趣味はないがうまいものは食べたい。釣ったばかりの刺身はコリコリして甘く美味しい。 
 
船で沖に出るには費用もそれなりにかかる。これで釣れなかったり美味しくなかったら悲劇だ。たまたまリンゴももらいものがあってこちらも完熟で美味しい。ただ完熟はすぐ食べないと美味しさも落ちるし腐りやすい。 
 
いつも野菜を持ってくる知り合いがいる。趣味というにはいささか広すぎる畑を耕している。何種類も作付けするのだが一畝だけ植えても自分だけでは食い切れない。いつも収穫するとおすそ分けが来る。 
 
親が農家だったので子供の頃から野菜は周りにたくさんあった。また野菜かと肉や魚の方が食べたかった。ところが最近は肉はあまり食べたくなくなった。キャベツの千切りにウエスターソースをかけて食べるとか昔食べたものが美味しい。 
 
魚も塩漬けされたものか干物が多かったのでそれほど好きではなかった。ところが昨日のような新鮮で大きなものは別格だ。こんなものばかり食べていたら魚好きになっていた。もっともこんな贅沢ばかりしていたら長生きはしないだろうけど。


老後住宅

今日は上棟式があって朝から大工が屋根の仕上げにかかる。本来は一番上の棟木を上げて上棟なのだろう。雨仕舞の都合もあって屋根工事までやってから上棟する。平屋なので小規模だが内部のつくりは凝っている。 
 
リフォームブームもそうだが老後の備え的な住宅が増えた。定年後も長い100年人生だが古い家では心もとない。できるだけ自宅で過ごしたいのは誰しも同じだ。暖かくコンパクトな老後の家は今後も増え続けるだろう。 
 
資金的なもの含め人それぞれでリフォームで行くか新築かが決まる。何れにしても残された20年以上を快適に過ごしたい。介護住宅ではないから好みの家で自分なりにこだわってみたい。そこで小さくても本格的な家を建てたい方がいる。 
 
住宅業界は規格化とか大規模化が進んで建材を使わない家はありえなくなった。その建材もルートが狭められ大手に集約されてどこからでも買える時代でなくなった。地元業者は地元の建材店から買っていたがいつのまにか建材店が減った。 
 
フランチャイズとかグループ化などで建材ルートも地元を経由しない。利益の出ないボード類とか運賃にもならない安物だけが地元購入になった。それでは建材店も利益が出ない。 
 
ずっと前から衰退している材木店とか製材所と同じ運命をたどるのだろう。建材をあまり使わない当社でも建材も地元業者から買うのが難しくなった。買えるのだが比較とか競争がなくなった。逆に流行っているのだがネットの直販だ。 
 
そこを考えても丸太を買って製材して建てるのは今後厳しくなると思われる。大工職人の技術の低下や建材多用はそう言う傾向に沿った結果なのだろう。手刻みは減ることはあっても増えることはないだろう。


製材所

朝一番でリフォームの現場へ。今日から左官の漆喰が入る。いつもの年配の職人さんが一人で塗る。3日ほどで終わるが乾燥に時間がかかる。薪ストーブの設置を予定しているので急激な乾燥で割れや隙間ができる。できるだけ時間を置きたいのだがそうもいかない。 
 
その後新築の現場で材料の運搬があって午前中かかる。今日は屋根の断熱入れと屋根垂木を作る。破風板を設置後野地板を貼る。倉庫と現場を往復して運んだが久しぶりの作業で腕が痛い。材木は長いので見た目よりも重い。 
 
先日の伐採の木の製材が続く製材所へ行った。杉材が半分ほど終えた。出た材木は並材が多い。丸太があまり手入れをしない山だったので仕方ないが。 
 
普通の現場だと新築で角が大体200本ほど入る。柱現しの真壁造りなので半分近くは出てくる。一面は節のない材木が必要になる。丸太で節があっても挽き方で一面くらいは無節になる。製材職人、通称台車乗りと言うが腕によって良し悪しがある。 
 
節は中心に向かって枝が残ったものだが少しズラすとうまく無節が取れる。曲がり具合や目を見て挽く方向がある。後で曲がりやすい方向があってさらに節を避ける。言うは易しで熟練の技になる。 
 
若い台車乗りが挽いた無節が曲がったり割れたりすることがある。丸太の挽き方向を無視すると後で大工が泣くことになる。そこまでわかるには10年はかかるだろう。丸太持ち込みで製材して家を建てる大工は台車乗りの腕を見て持ち込む製材所を決める。人気のある製材所の土場は持ち込まれた丸太を山のように積んである。


丸太買い

現場廻りはいつものコース。塗装の仕上げが入るリフォームへ行き建て方の現場へ。大工も増えて屋根廻りまでいきそうだ。足場もかかって外部廻りも塞がった。屋根は断熱材を二重に貼って仕上げるので時間がかかる。 
 
先月伐った丸太の製材が始まり杉から製材する。枝が多く並材しか取れないだろうは思っていた。実際挽いているのを見ると見事に並材だらけだ。まあ現場は役物だけでできている訳ではないから並材も必要なのだが。 
 
丸太買の醍醐味は役物と呼ばれる無節が取れるからだ。外部から見ただけでどんなものが取れるかはある程度わかる。だから丸太の値段が決まるのだが。外部に枝が多ければ当然節だらけしか出てこない。太いとそれなりに挽き方で一面無節が取れる。 
 
だから太さは価格の重要な要素にはなる。細くても枝打ちした物は役物が取れるから高い。太いだけなら人間で言えばデブにすぎないから価値がない。同じ山でも外周部の日が当たる場所に生えた物は枝が多くて年輪も飛んでいる。 
 
中心部それもあまり日が当たらない丸太で枝打ちされたものが価値がある。節の有無もだが年輪が細くて目が詰んでいる。狂いにくく鉋がけしても艶が違う。山の中で競争しながらまっすぐ伸びた木が良材が取れる。 
 
伐採現場に行くと遠目にまっすぐに見えても結構曲がっているものだ。杉やカラマツはまっすぐな木というイメージがある。倒してみると半分近くが曲がっている。下からグルリと木を見てもどのくらい曲がっているかわからない。 
 
倒せば一目瞭然で曲がっていれば価値は大きく落ちる。製材しても狂いやすい目が曲がった角しか取れない。見えないところとか使う場所が限れられる。そういうリスクがあるので丸太は入札で買う方が確実だ。 
 
入札に行くと同じような丸太が値段が違う場合がある。綺麗な中心円の年輪かとか年数の割には年輪が飛んでいるとかだ。山を見て買うのは相当な見る目を持っていないとリスクがある。入札はその点で売る方が価値を決めてあるから予算次第でいいものが買える。もっと確実なのは製材した材木で買うのだが値段がリスクに反比例する。