青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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自然塗料

今日は検診で半日かかる。朝食抜きだったので終わってすぐ食事した。午後一で葬儀があってすぐ現場へ直行。クレーン付きがないと梁が重くてかけられない。すぐ水道屋へ借りに行き2時間ほどで終えた。 
 
リフォームの現場は塗装が入って下塗りと言うか着色した。オイルステンで着色したがその匂いがすごい。今は禁じられているコールタールの匂いがする。頭が痛くなるようなすごい匂いだ。 
 
自然素材にこだわる方は匂いにも敏感だ。こんな匂いがしたら大騒ぎになるのは当たり前だ。4,5日で消えるとは言うものの記憶は残る。できるだけ匂いのない塗料を使いたいがなかなかいい塗料がない。 
 
自然素材の塗料は一般的に高価だ。石油系のものに比べると何倍もする。しかも乾燥しにくくて皮膜も一般的には弱い。もっともウレタン塗装のようなテカリのある仕上げが好きかどうかは別だ。 
 
艶のない仕上げには向いているが艶有りだと石油系の方が種類も多い。塗装業者も手間のかかる自然塗料は気乗りしない。余った材料もよそで使えないから支給されるのを好む。柿渋とか蜜蝋など残すと変色や固まって使えなくなる。 
 
過去には色々自然塗料と呼ばれるものを試してみた。仕上がりがあまりにひどくて塗り直したこともあった。床塗料でいつまでも固まらないものがあって床を削って塗り直した。自然塗料は初めての物はリスクがある。


土台

今日から建て始めて今週中には上棟できる。昨日運んだ土台から組み始める。何でも物事は土台からと言うくらいで肝心なところだ。基礎屋が作った基礎が合っているかどうかがまず関門だ。狂っているなんて信じられないかもしれないが結構狂う。 

遣り方が動いたり型枠の通りが悪かったりする。今回はほぼ寸法通りなのだがアンカーボルト位置が若干違った。土台は栗を使ったが長さがまちまちだ。建材の土台なら4mと決まっているが自然の栗は5mから2mまで様々だ。 
 
継ぎ手が出るので位置が不規則になる。継手は鎌継なので上の男と下になる女がある。上の男からボルトで押さえつけないとならないところを女にボルトがいく。沢山のボルトで抑えるので1本くらいなくてもさほど強度は違わない。 
 
検査もあるので今は基礎にボルトで止めることになっている。数は特に指定はないが柱ごとに入れている。ボルトで保たせるから土台そのものはあまり重視されない。栗とか凝っても意味はないと言うものもいる。 
 
栗の土台が使われたのは石の上に載る土台だからだ。雨風が当たるし腐りにくいところが好まれた。ボルトで止める現代の土台は薬浸けの柔らかい針葉樹が普通だ。外壁に覆われて露出しないのであまり強度は重視されない。 
 
土台用の樹種は指定されており栗は防腐剤を使用しなくても良いことになっている。できるだけ薬は避けたい方もいて当社では多い。他にもヒバや唐松なども使われる。大工が加工しにくいので栗の土台はほとんどなくなった。


昔の棟梁

昨日も打ち合わせ、午後からいつもの温泉。今日はリフォームの現場で塗装業者と打ち合わせ。すぐ作業場で材木の積み込み。午前中、午後と大型トラックで現場搬入。午後から小雨模様になったがなんとか終える。いよいよ明日から土台敷きから始まる。 
 
刻みも一月半もかかって細部まで全部加工した。普通だと上棟できるように刻めば一度休んでまた加工する。現場を空けるのだが空けなくともよくなる。以前だったら大工も人数が多かったので棟梁が毎日抜けて加工した。 
 
今は2,3人体制が普通なので棟梁が抜けると組み立てもできなくなる。大工は一人で仕事をしたがらないのが多い。重いものを持ったり担ぐからだが相方がいないと苦労する。全部ではないが仕上げ前は一人はしんどい。 
 
加工機械が完備していると加工精度も上がり時間も減らせる。なのでいつも刻みは長めにとって一気に加工する。基本的に現場途中で抜けないようにしている。リフォームが重なると他所を頼んだり途中では抜けないようにする。 
 
集中してやることで技術も上がるし効率も良くなって早くなる。現場を取ってくる親方はあちこちの現場を並行してやりたがる。職人を効率よく動かせるので現場ごとの空きがなくなる。施主のことより自分の経営を優先する。 
 
いい仕事をしていい家を建てようとするではない。商売として効率よく儲けようと言うことだ。大昔の棟梁はあまり仕事を重ねないようにゆっくりと進めた。請負い制が増えて社長は効率最優先で儲けようとする。何箇所も現場を取ってうまく回せば利益率が上がる。じっくりといい仕事をする昔の棟梁が消えてしまった。CIMG7020


毛布

今朝は冷え込んだが散歩。寒いのは初めだけで歩いているうちになんともなくなる。朝食後リフォームの現場へより事務所へ。集金があって午後からは新築の現場へチェック。基礎屋が完了して帰るところだった。いよいよ来週から大工の出番だ。 
 
ちょうど板金屋が来て現場の下見。長尺横葺きなのだが長さが10mを超える。運ぶには難しいので現場押しになる。現場押しは板金を機械に入れて現地で作るものだ。トラックで運ぶには7,8mが限度だ。今回は10mを越す。 
 
現場押しは機械を通して加工するから長さが12,3mないとできない。ロールの板金を機械に入れて折り曲げ加工をして押し出す。長さはいくらでも可能だが敷地の余裕がないとできない。ちょうど脇に私道があって行き止まりでもあるし借りることにした。 
 
来週から材料運びや業者の発注がある。短期間に何種類もの業者が出入りする。駐車するので通行の邪魔はするし荷物をはみ出して積む。近隣とのトラブルがないように常に現場で気を配る。何度も経験があるが一度トラブルと最後まで揉める。 
 
大工たちが今日でリフォームを終わる。月曜から製材所のトラックを借りて積み込みをして運ぶ。積み込むのも仕上がったものだから慎重に積む。降ろすのも同じことだ。ここで活躍するのが古い毛布とかシーツ類だ。鉋がけした材木を包んで運ぶ。 
 
軽トラ一台にはなろうほどの量を持っている。リフォームや引越し時にもらって貯めておいた。こんなところも手刻みならではのことだ。大壁で壁の中に入るなら傷は気にならない。仕上がった無節の高価な柱は一本ずつ毛布で包んで積む。裸で積んで傷でも付けたら大変なことになる。


残り物

コンクリート工事がある新築の現場へ朝寄る。午後一でスラブを打つ予定だ。基礎工事はこれで大体終わりになる。いよいよ来週から建て方に入る。 
 
午後はリフォームの現場で腰壁に貼る板を出した。在庫であるものから貼るつもりなので倉庫から引っ張り出す。まともなものは残っていないから使える部分だけを見繕う。 
 
杉材などの羽目板は毎回使うので半端な残りが出てくる。トイレとか小さい場所にはなんとか間に合う量がある。大きな部屋だと一面ごとに違ったりする。貼る大工は面倒くさいこと夥しい。 
 
羽目板とかフローリングは余ったものを残して置く。前にも書いたように作る場合が多く作るので現場ごとに余る。足りない場合に同じものがないからだ。オリジナルの寸法で樹種も違えばかなり複雑な数になる。 
 
今回は一部屋に何種類かの板が使われる。幅や厚みが違うのだが貼ってみるとそれほど違和感はない。樹種が同じであれば貼り上がると同じに見える。 
 
少しでもコストを下げようとあるもので作る場合がある。利益確保と言うより漆喰だけより腰壁があった方が断然良い。手間と材料費がかかるから高くなるところだが何とか手間賃ぐらいで収めたい。 
 
倉庫を引っ掻き回し寸法を当たって同じものを探すのは面倒だ。大工たちは残り物は狂ってしまうので新しいものでやれとうるさい。少しでも良いものを作りたいこちらの気持ちなど御構い無しだ。CIMG7013