青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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階段

今日も寒くて昨夜からの雪も積もった。一面真っ白の道路はノロノロ運転で渋滞する。いつもは1時間もかからない現場も遅くなる。現場は二階床が終了し下地作りに入る。続けてロフトの床も赤松を貼っていく。
 
階段は継続中だがやっと3段くらいまで来た。一日で二段くらいしかできない。片側現しの階段なので斜めに差し込みながら取り付ける。もちろん穴を掘ってピッタシと決まらないといけない。側板に入れ込む時にささら側は斜めに噛むように入れる。 
 
口で言うと簡単だがコンマ何ミリの世界なので叩きながら少しずつ入れていく。穴の大きさは現物を当てがいながら隙間がないように嵌める。根気と慎重な仕事なので時間がかかる。 
 
なんども付き合って来た棟梁たちだが階段作りが得意なのから下手なのまで様々だ。ケヤキのクセとか読みながら穴を掘り入れる。やはり一番経験がものを言うようだ。若いと経験が少ないのであとで隙間だらけになる。 
 
木の目を見ながらどっちに曲がるか読んでキツくはめ込む。入れる際に余裕がないと入らないので板を叩いで入れる。こうすると後で膨らんで来てピッタリになる。これはどの木でも入れる際は必ずやる。後で隙間を見つけて埋める際は水をさす。 
 
木は基本的に凹んでも水で濡らすと膨らんでくる。叩いた場合も同じことで元に戻ろうと膨らむ。これによって隙間ができにくくなる。集成材の階段だとこう言ったことができない。叩いても水を差しても死んだ木は元に戻れない。だから現場加工よりはプレカットの方が上手くいく。CIMG5792


巾木

日中も氷点下の寒い一日。道路も凍り雪も降って渋滞が続く。現場へ行くのにも時間がかかる。午前中はメーカーへカタログを取りに行ったり支払いの振り込み。伝票整理や図面、業者との打ち合わせ。午後から現場で今日は二階フローリングと下地の取り付け。息子は階段に精を出す。 
 
外部の工事が寒くてできないので内部の工事が進む。明日で二階床が終わり一階は下地もつけた。今度は一階の床と二階の下地になる。一階の床は複雑で時間がかかる。二階は天井が水平でないので下地も複雑だ。これからの方が時間がかかる。 
 
下地はボードを張るためのもので縦横に材木を入れる。その上に石膏ボードを張るのだが下地ができていればすぐできる。巾木はボードの上にでなく別に材木を入れてボードを差し込む。複雑だがボード上につける場合と違い床との隙間が開かない。CIMG5782こういう小さなところに手間と材木を使う。ボードの上に張るタイプだと建材もあるし薄い板でもできる。しかし差し込むとなれば厚さが45ミリで高さも100ミリはある。溝をつけてボードを差し込む。 
 
二階天井現しと巾木のセットは当社の定番だ。リフォーム以外はほぼこのスタイルでやる。使う材木は無節の柾目を使う。床は今回は赤松なので杉に比べ色も違うし印象もだいぶ違う。もちろん硬さも違うので耐久性もある。 
 
さらに今回は腰板も多く使う予定だ。さらに重厚感が出てきの雰囲気が漂う。腰板は栗のフローリング用を転用する。腰板は目透かしのような隙間があれば下の巾木のところにゴミが溜まりやすい。嫌う方もいてフローリングのような目地がないタイプが使われる。見た目の違いもあるから好き好きだろう。CIMG5778


フローリング

午前中は葬儀で支払いで銀行へ行ったり。午後から自宅倉庫にある杉の板を作業場へ運ぶ。途中現場へ寄ったらお施主様と一緒になる。なんだかんだで2時間ほどかかりその間雪が積もってしまった。一度濡らすと凍るのでなかなか乾かない。 
 
外壁用の板なのだが無節を希望されて後で作り直した。ところが生ですぐ使えない。そこで日当たりの良い自宅倉庫で乾かした。3週間ほどで乾燥して今日運んだのだが途中から雪になった。さらに積んだまま現場にいたから濡れてしまった。 
 
外の工事を中止して二階床を張っている。赤松の28ミリ厚リバーシブルだ。いつもだと節のある材料を切って繋いで作る。無節なのだが短いのが細切れで繋がる。今回は6尺(1800ミリ)をそのまま乾燥し加工した。繋がない分見た目は綺麗だ。 
 
良いのだが小さな節や割れが入るのもある。それらを切って使うのだがロスは避けられない。問題はどのくらいロスが出るか読めないことだ。最悪足りないとなると簡単に同じのを用意できないのだ。で、どうするかと言うと短いのを継ぎ足しながら貼っていく。 
 
もちろん他のところが長いのを張っているから見てすぐわかる。いや気がつかない方は気がつかない。しかしこちらとしては大いに気になる。できれば作る段階でどのくらいロスが出るか計算できれば一番良い。板の目や節を確認するのだが乾燥で割れるのまで読めない。 
 
乾燥した良材ばかり買えば良いのだが高い。少しばかり生を買って倉庫で乾燥する。少しでもコストを下げようと思うのだ。こういう努力はお施主様にはわからない。出来合いではない自分で加工したものの良さがわからないと意味がなくなる。素人にはすぐわからないが完成した時に既製品とは違う個性的な床ができる。CIMG5771


デザイン

今日は月末、なので支払い日。あっちの口座から下ろしこちらの口座から振込み…..。毎度お馴染みの資金繰りと言うやつです。午前中はお施主様の工場に作ってもらった煙突カバーを引き取りに行きました。降ろしてすぐフローリングと下地に使う木材を作業場から現場へ。 
 
午後は事務所にて見積もりの整理や図面。工事中の現場も少しずつ仕上げのことも考えないとなりません。キッチンやトイレ、収納、建具デザイン…..。どれも重要なことなのです、仕上げという点で。 
 
設計上のデザインは主に内装や建具のデザインが多いと思う。もちろん全て建材や既製品から選ぶ。デザインと言うより形も含めて組み合わせだね。当社は組み合わせの基となる素材と加工法にこだわる。仕上がれば見た目は建材と似たようなデザインで形も似ている。 
 
どのような組み合わせではなく何から作るかに力点を置くから出来たものは形は普通だ。特に変形とか独自のとは思っていない。ごく普通の家を素材から吟味してどこにもないもので普通の家を作る。 
 
階段なら木の種類や厚さや長さを決める。倉庫にある粗挽きした材から挽き直す。必要数より何枚か余分に用意して割れや捻れをチェックし選ぶ。はじかれたものが大量に余る。抜き材や他の用途で使うから捨てるわけではない。 
 
建材や木材店から買うとその作業がない。選ぶことがないからで欠陥品でもない限りそのまま使う。プレカットが主流だから組むだけだ。 
 
それに対して手間暇をかけたものだけの家はどこが違うかだ。組み合わせに重点を置くのがデザインなら当社は素材そのものでデザインする。材木の目や色、厚み、そう言うもので違いを出す。一見わかりにくいのだが全てが吟味されるとよそで見ることのない家になる。 
 
何度も見学会や展示会を見て歩いた方は当社の現場に驚く。間取りや形は普通なのによく見るとどこでも見たことがないものになる。木の家とか古民家などに興味があればなお驚く。CIMG5758


階段

朝から雪が降り続く。現場も外の仕事はできないので内装に精を出す。外部はささら付けがまだ残っているのだが。二階の床から貼り始めて半分までいった。赤松の厚板を加工して両面仕上げになっている。 
 
赤松はアオと呼ばれるカビが入る。未乾燥で伐った時期が悪いと入ってしまう。いつもなら繋いで作るのだが繋がないで6尺もので加工した。繋ぐ場合は節やアオの部分はカットしてある。 
 
そのまま使う方が綺麗だし自然な感じにあがる。もちろん贅沢な使い方で赤松の無節の良材を使う。赤松のフローリングはいつも繋いで使っていた。これだと余った板や安い材からも採れる。コストが下がる。 
 
今回はわざわざフローリング用に厚板を挽いて揃えた。かなり高くつくのだが出来上がりも素晴らしい。裏側も下から見えるのでこちらも選んで使う。片面だけ無節のものもある。一階天井がある部分にはこう言うのを使う。 
 
階段も側板が加工ができて仕上げをしている。これからささら桁の加工なのだが側板より何倍も難しい。階段の細工の見せ場でもある。ルーターとか機械に頼れないのでほぼノミだけで作る。これに段板を差し込むのだが隙間がないように加工するのは難しい。 
 
何組も使って来た大工だが階段を作れない棟梁もいた。側板は何とか加工できてもささら桁ができない。仲間に威張っていた手前止める訳にもいかず泣きながら加工していた。建材の出来合いだけしかできなくなっていた。もちろん今ではプレカットが主流で墨付けからできるのは何人もいない。CIMG5764