青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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無料相談会

風も強く降ったり止んだりの天気。気温も下がって解体の現場でお施主様と立ち話も寒い。冬が間近になった。早く基礎工事に入りたいのだが解体が終わらない。作業場では刻みが進んで準備万端だ。 
 
昨日は打ち合わせが午前午後と続き少し疲れた。お客様が来ることは良いのだが相手をするこちらは神経を使う。初めてだと尚更でお互いに探り合いのような雰囲気になる。お客様も真剣勝負なのだからこちらも力が入る。 
 
少し前から感じていたことだが建材とプレカットの住宅に飽き足らない方が増えた。いやそんなのが当社に来ると言うことだが。ビニールクロスが当たり前になって30年以上経つ。建て替えでも現在もクロス貼りが主流だ。

今度もまた同じでは味気ないのか漆喰とか板貼りを希望する。それに国産材を使った手刻みとくればどこでもできる訳ではない。可能性があるところをあちこち回っている。高い、工期がかかる、着工まで時間がと不利な条件を並べられて変更を促される。 
 
それでも自分の好みを押し通せば話が進まなくなる。業者もやりたい訳ではないからなんとか変更を迫る。プレカットなら在庫も要らず工期も早い。職人不足で大工が見つからないのもあって断るような状況になる。 
 
そうやって当社に来る方が増えて土日は無料相談会と化している。一生に一度の大事業である家つくりだ。お客様も簡単には妥協したくない。高いと言われてどのくらいでできるのかとか知りたいことばかりだ。 
 
こちらもできるなら相談に乗ってあげたい。わかる範囲で回答をしてあげたい。そう思って連絡があれば断らないようにしている。もちろん無料だからあまり増えると仕事に差し支える。その点ではベテランだから殆どのことはわかる。今日も話を聞きたいと電話があった。当分忙しい土日が続く。


リスク

午前中地鎮祭の予定が解体工事が遅れてできない。現場は急ピッチで遅れを取り戻すべく頑張っている。製材所へ寄り材木の確認。作業場では来週から応援の大工が来る。もっと早く予定していたが抜けられなかった。 
 
来週の地鎮祭後すぐ遣り方を出して基礎工事に入る。解体の遅れで基礎屋も予定が狂って大変だったようだ。大工の遅れはちょうど良かった。11月末の上棟を目指す。墨付けは息子が一人で終えた。 
 
大工は墨付けを一人でやる。分けてやる場合でも肝心なところは棟梁の仕事だ。例えば母屋を1本つけたら後は皆同じだから誰でも良い。基準さえわかれば後は同じだからだ。その基準が決まるまでは大工はあれこれ文句を言う。 
 
図面がすっかり頭に入れば良いのだ。頭に入るとは平面を理解し縦を作っていく。縦と横が結びついて初めて3次元で理解になる。仕上げとか作り付けの高さも頭に入れながら墨をつける。墨が始まるまでは設計者はあれこれと質問と文句をタラタラと言われる。 
 
先週あたりで打ち合わせは済んで今は加工も始まった。刻みが終えたら現しなので仕上げカンナをかける。一度プレーナーを通してあるので荒鉋と仕上げのサンダーかけで終了だ。大壁の家は仕上げの工程がないので早い。 
 
手刻みそれも柱現しは大工の手間がプレカットなどの3倍以上かかる。材料の木材も集成材に比べ同じ太さで5,6倍はする。そこまでして現しの手刻みが必要かどうか。家はそう言うものと思っている方には当たり前のことに過ぎない。 
 
その魅力を言葉で表すのは難しい。空気、匂い、湿気、果ては耐久性に至るまで全て違う。住んだ方しかわからないことが多い。伝統の家らしくないデザインが主流の家つくりにはこれらの全てがないに等しい。わかる方にはわかると言うのは商売として考えるとかなりのリスクになる。


丸太買い

朝から製材所へ行ってチェック。曲がりは挽くのにも面倒臭い。挽く係、代車乗りと言いますが、がどう挽けば良いのか迷う。良い目が出たら止めてそこで厚みが決まる。その判断は杉などの丸太を挽くのとは違う。 
 
一番良いのは挽く方、つまり客のことですが、がそれで良いと言えば良い。木取りのの責任を取らされるのが嫌なのだろう。特にうるさい客だと後でアーだコーだと言う。それが嫌なのだ。 
 
で、後ろに立ってあれこれ指示してもらうのが一番安心だ。何だかんだとほぼ一日付き合うことになる。曲がりは今日で終わって明日からは杉の丸太になる。明日はおまかせになるのだが。 
 
製材は博打のようなところがある。買った丸太が節だらけだったりとか外観から想像するのだが外れる。丸太でさえ難しいのに山で買って伐採するのはもっと難しい。立木の状態で見て判断する難しさと出る量が半端ものまで買うことになるからだ。 
 
山の立木を全購入はでた丸太を用材、合板用、チップと分けて売る。用材がメインなのだが残りの金額もバカにならない。伐採工賃がでてくる場合もある。運賃と製材賃を足して原価となる。 
 
計算上は安くなるのだが在庫と乾燥のリスクがある。資金と割れや曲がりでのロスが出る。現場が都合よくあれば回収もできるが世の中うまくいかないものだ。資金がショートして四苦八苦する羽目になる。 
 
もう何年も経験済みなのだが懲りずにまた丸太を買ってしまう。良くないと思って買ったのが予期せぬ結果になることもある。ただみたいな値段で買ったものが面白い目が出て大喜びもある。もちろんそうでない場合が多い。事務所の前の公園は紅葉真っ盛り。CIMG6840


現しの梁材

朝一番で製材所へ。在庫分の杉の製材と曲がりを挽く。現しにする梁材は乾燥が命で割れることが多い。しかも目が良いとか条件は厳しい。柱材のようにすぐ買えるものではない。 
 
同じことは曲がりや大黒柱にも言える。客が来てから使いたいと思っても着工までに間に合わない。挽いてから1年以上は最低かかる。理想は2,3年置いてからだが在庫が増えてしまう。 
 
いつもギリギリの在庫でうまくデザインするようにしている。今回は曲がりが10本大黒用の通し柱が3本ほど出る。設計段階で必要な太さと長さはわかる。ある在庫から拾って修正挽きをして使う。 
 
よく考えてみれば皆大黒や曲がりを希望する訳でもない。話の中でそう言ったものを希望すれば使うし必要なければ使わない。皆が古民家風とは限らない。国産材希望で手刻みをと言う方が多い。 
 
しかし当社の方針で手刻みと漆喰は基本となる。そう言った仕上げは大黒柱や曲がり材が似合うのは当然だ。土台のクリと合わせいつも勧めている。曲がりはともかく大黒柱は完成後にほとんどの施主に喜んでもらえる。  
 
これから伐採予定のカラマツは現し向きではない。ヤニが強く割れと捻れが強い。外装板とかデッキ材などには向いている。和風と言うよりログなどのリゾート風向きだ。どちらかと言うと若い方の家には向いている。


曲がり梁

秋晴れの快適なお天気。伐採の現場へ寸法の確認に行った。チップ用も片付いて明日明後日には終わるだろう。作業場へ寄り打ち合わせと材木の製材の打ち合わせ。杉の丸太を買って挽く予定だが寸法を大工から聞く。午後は現場の測量をする。 
 
曲がりの丸太を最終チェックをした。樹種は栓、栗、ナラ、ハンノキ、ドロノキの5種類。栓や栗、ナラは硬く建築にはよく使われる。今回は曲がりなので柱や梁には適さないが曲がり梁に加工する。硬い木は乾燥で割れやすい。 
 
乾燥するには2,3年かかる。大きめに挽いて修正挽きをして使う。だから使用寸法より大きな8寸とか7寸にする。もちろん中心が入る芯持ちなので割れは入りやすい。割れを小さくするには5寸幅に落として使う。 
 
概ね堅い木は目が綺麗で塗装でよく映える。ところがハンノキとかドロノキは柔らかい。年輪がほぼないので白くて綺麗だ。建築材には向かないのでこけしとか箱材などに使った。私はこのような木でも塗装次第で生かせると思っている。 
 
乾燥が早いので他の木が使えない時でも何とかなる。柱など手に触れるところは傷がつきやすいので向かない。梁なら黒っぽく塗装するとそれなりに映える。ドロノキは名前からして変わっているがやわらく腐りやすいのでマッチとか下駄に使用された。 
 
ハンノキはドロノキよりも硬めだがやはり白っぽく樺のような木だ。木目がない木はあまり和風では使われない。着色で何とか使えるのだがやはり本格的な和風では無理がある。ただ木までこだわらない方もいるので割れないので現しの梁には良い。 
 
古民家リフォームでは曲がり梁をできるだけ使いたい。ケヤキとか本格的な木でも良いのだが硬くて使いにくい。現しであれば蒸れたり腐ったりしにくいのでこう言った木でも生かせる。強度とか耐久性が要求されるところには向かない。