青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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板張り

今日も暑い、昨日よりはマシかもしれない。リフォームの現場はいよいよ佳境に入り漆喰も終わりそうだ。電気工事も仕上げにかかりエアコンと照明をつけた。外部の漆喰とタイルが残る。 
 
新築は午前中加工に行って午後から大工が来た。アルバイト君はやることがないので休みで明日からまた外部を仕上げる。一階の板貼りが終わると上部を建材で貼っていく。何と言ってもカラマツの板の部分がミソでここの特徴だ。 
 
板を張ること自体は簡単だが役物をつけるのに時間を取られる。コーナーとか上部の見切りとかサッシ周りの見切りと手間がかかる。材料費自体は特に銘木を使うわけではないので大したことがない。 
 
今の住宅は人件費が一番の原価を占める。手間がかかることを省くのがポイントになる。カラマツの板も原価はしれたものだが加工して取り付けるには時間がかかる。しかも陽に当てると曲がるし割れるのもある。 
 
防ぐには良い丸太から取ればいいのだがコストがかかる。高い丸太を買い製材乾燥し大工がて加工する。これだけで結構な予算になる。建材にすると丸太と加工がいらない。取り付けも簡単で早い。 
 
しかし安く上がれば満足なわけではない。自然素材とか手加工とか板張りにはえも言われぬ良さがある。できたものを見せれば施主は納得する。たまたま自分の山から出したカラマツだったから少しはコストも安い。 
 
ただ安くしようとするなら丸太は売って建材でやれば良いことだ。地域材で建てたいと言うお施主様の満足を得るためには多少コストがかかっても地域材の板を張りたい。そこを見込んで当社に依頼したのであろうから。


古臭い家

昨日よりも気温が上がって外に出るとクラクラする。全国的に見ると大したものでもないだろうが。昨日は朝早く町内の草刈りがあって参加した。霧のような雨が降って作業には最適だ。終わってそのまま薪割りをした。 
 
前にも書いたように我が家にはエアコンがない。涼しい座敷で寝ているが夜間は冷え込む。朝は寒くて起きるほどだ、もちろん窓は閉めたまま寝る。それでも日中はさすがに暑くて逃げるところがない。 
 
夜間は良いとして日中の暑さが問題である。特に家内はいる時間が長く文句タラタラである。退職して4年経つが徐々に家にいることが多くなった。30度を超える日は一月あるかどうかだ。 
 
普通は居間とかリビング空間は南側にある。日中の日差しは容赦なく照りつけるから逃げるところはない。夜には周りの山から涼しい風が降りてくる。日中の日差しはどこでも同じだから日が当たれば暑い。 
 
軒の出の大きい座敷は廊下部分にしか日が当たらない。畳は夜まで当たらないから涼しい風が吹くとすぐ冷える。このカラクリは分かっていたから設計する際はいつも気にしている。 
 
方角と時間で季節によりどこまで陽が入るか計算できる。この調節に有効なのは軒の出が一番やりやすい。意外と和風の方が涼しいのはこのためだ。今風のデザインだと軒は出さないし開口は縦に長い。 
 
和風だと横に長い引き違いが多く季節で日の出入りが計算しやすい。冬陽が差し夏は入らない家ができる。デザイン的に思うようにならない場合があるからいつもできるとは限らない。一見古臭くパッとしない外観でも住めば快適な家ができる。


付き合い

今年の異常気象を想起させるような台風が上陸する。そのせいかこちらも曇りがちな天気、ただ蒸し暑いだけだが。今日も新築の現場は二人で外壁の板張りに精を出す。午前中新しい大工が現場に下見に来た。 
 
来週からは板の上の建材を張るのが始まる。これはこれで重いのでなかなか大変な作業になる。助っ人が来てくれれば大丈夫だ。大工不足の折で空いているのが見つかるとあちこちから声がかかる。 
 
今回は建具屋さんが友達だったので声をかけてもらった。特にあてがないようなので来てくれると思う。そう言う点で普段からの付き合いがモノを言う。建具屋さんには客を紹介してもらったり世話になっている。 
 
付き合いと言えばリフォームの現場に来ている左官屋もなかなか顔が広い。応援の職人に来てもらって3人体制になった。左官とか土工を集めるのは難しい。一番人数が減っている業種だからだ。
 
一般的に外の仕事とか汚れるのはなり手がない。土工も左官も汚れるのと外の現場も多い。少ない職人をうまく連絡を取って集めるのは才能だ。我が社の大工は若いのもあって顔が効かない欠点だ。だからいつも一人になってしまう。CIMG7651 
 


天然の空調

今日も暑い、昨日よりマシかもしれない。左官も外壁張りの大工もシャツがびっしょり濡れる。夕方帰る頃になるとそれが乾いてしまう。本格的な暑さはまだこれからである。 
 
エアコンのない我が家では二階の寝室が暑くなると下の座敷で寝る。昨日から下で寝た。二階建て部分と平屋部分に分かれ寝室は二階にある。座敷は平屋でしかも軒の出は深く夏はほぼ直射日光は入らない。 
 
寝室は軒の出も小さく黒い外壁材が張ってある。さらに窓が小さいとくる。夏の日中は陽が入るので猛烈に暑くなる。夕方になっても簡単に下がらない。朝方になってようやく冷え込む。 
 
今流行りの軒の出もなく小さい窓のデザインは夏暑く冬寒いのが実感する。平屋の方は夏は深い軒で陽が差し込まない。ぐるっと廻った廊下で和室は意外に暖かい。開口は大きいので開けるとすぐ冷え込む。 
 
断熱やエアコンに頼る家つくりはコストダウンもあって軒とか外周部の廊下が減ってきた。軒の出は夏冬で日差しを遮ったり入れたりする。部屋の前に廊下部分があると暖められた熱を逃さない。 
 
古民家などはこう言った機械に頼らない天然の空調が考えられている。その分個室とかが取りにくくなっている。全体に大型になる傾向もある。コストダウンとか断熱ばかりに目がいって天然の良さが廃れてしまっている。


夏バテ

今日も暑い一日。現場はいつも通りに進む。外壁張りの現場は相棒が休みで一人で作業。いわゆる難しい部分を先行させ明日からの作業に備える。細部の作りをやっておかないと板張りができない。 
 
左官の続くリフォームもテープでの養生やフィルム貼りに余念がない。これがないと漆喰作業ができない。漆喰は強アルカリで木部を黒く変色させる。念入りに養生をしないと作業が捗らない。 
 
漆喰は下塗りの後仕上げ塗りをする。仕上げの漆喰は厚さが1ミリもない。下塗りが乾きすぎたりまた水分が多くてもうまくいかない。部屋の湿度が低かったり風に当てたりするとすぐ割れる。 
 
サウナのような状態で作業する職人も大変だ。真冬の漆喰の方がまだマシかもしれない。湿度を一定にし下塗りも水分を調整したりすると閉め切った状態で作業できる。 
 
真夏は閉め切ると暑く湿度も高い。下塗りの乾きも早く仕上げ塗りのタイミングを間違えないようにする。作業する職人は塩水を飲んで頑張る。現場仕事は何をやっても大変だが内部の仕事が一番きつい。 
 
夏の仕事でも外部だと直射日光に当たらない限り意外と涼しい。屋根屋のように逃げようがない職場もあるが。今月と来月は夏バテしないように頑張ってもらうしかない。