青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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先読み

晴れたが気温はさほど上がらず仕事にはちょうど良い。新築の現場は板張りの準備が整い明日から開始する。当分板張りにかかり今月中はかかる。明日からまた応援が入るので少しは捗りそうだ。 
 
リフォームの方は大工が終わっていよいよ塗装と漆喰が始まる。追加工事もあって1週間ほど遅れてしまった。リフォームにはよくあることで思いついて増えていくものだ。何とか材料も間に合わせ少し突貫で完成させた。 
 
リフォームはお施主様の好みや嗜好により先読みすることが肝心だ。玄関を直せば外部のタタキもやるとか関連するものが増えていく。素人には簡単そうに見えても資材や職人の手配は容易ではない。 
 
ここを直したいと言われても追加が出そうか考えてみる。ここを直せばこちらも気になるだろうかとか予測するわけだ。それができないと次々と増えて業者の予定が狂い次々と遅れていく。 
 
中には予定がずれると工事ができなくなるものも出てくる。皆忙しいし予定が決まっている。こちらの都合で遅れらかせばできなくなるのも当然だ。そこをよく考慮し予定を組みお施主様にも説明する。 
 
関連する仕事をお知らせすることで施主様にも考えていただく。それもなく行き当たりばったりだと工期はずれるは資材だけが入荷して現場は大混乱だ。だからリフォームの現場管理は気が抜けない日が続く。


大工好み

朝方の雨も上がり日中は曇ってスッキリしない。おかげで気温も上がらず快適は快適なのだが。新築の現場では一人で今日明日と外壁を張る準備の下地を作る。明後日またアルバイト君を雇って運ぶ予定だ。 
 
リフォームの方はほぼ完了で細部を残して明日にも終わる。予定では3週間ほどだったが追加工事があって遅れてしまった。大工は早いことで有名なのだが彼をもってしてもリフォームは手間がかかる。 
 
栗の腰板が周り漆喰で仕上げる。もちろん細部の作りも栗なので加工から取り付けまで手間がかかる。材料を揃えるのが大変だったがそれなりの仕上がりになった。 
 
玄関も少し拡大し屋根を出したので何とか和風の玄関らしくなった。こんな玄関は大工は得意でこちらの意図よりも複雑で立派だ。特に言わなくても勝手に材料を加工し自分好みに仕上げる。 
 
職人は自分の得意な分野には手間と材料を惜しまない。と言うより勝手に自分好みにしてしまう。予算的に大きな問題がなければやりたいようにやらせる。施主様も大いに気に入っていただいた。 
 
古民家とか和風住宅では設計者よりも大工の方がよくわかっている部分もある。好き放題をやらせると単に田舎臭いのができると言う危険性もある。施主次第で気に入ってもらえるなら構わないと思っている。大工も大いに乗って仕事できたし。


カラマツ

朝から小雨が降りしきり夕方までやまない。リフォームの現場はいよいよ最後の追い込みに入り明日明後日で完了か。作業場では外壁に使うカラマツの板の加工の最中。今日中には上がりそうだが現場搬入ができない。 
 
以前書いたようにカラマツは樹齢5,60年で昨秋山から出した。出してすぐ製材して乾燥させて置いた。カラマツは比較的まっすぐで4番玉まで取れる。建築用材としては2番までが良いところだ。 
 
太くまっすぐだと3番玉までいけるが枝が多いので節それも抜け節が多い。チップ用として出したので伐採工賃は賄えた。製材した材としては上々で良い板が取れた。カラマツはヤニが多く捻れて割れも入りやすい。 
 
まあ暴れる木と言うことだが今回はほとんど狂いもなく抜け節もない。幅24センチで挽いたが曲がるのでカンナをかけると3センチも減る。今度のは1センチくらいしか減っていない。歩留まりも良い。 
 
ヤニが多いのは水に強く腐りにくい。日に焼けて赤くなるが徐々に黒っぽく変色する。あまり無節が取れないので小節の板になる。無節信仰の強い大工には不興で狂いもあるので喜ばれない。 
 
洋風っぽくなりがちで和風の本格派には向かない。古民家とか数奇屋のイメージではない。北欧風のペンキを塗った家なんかのイメージだろう。節のないところをうまく使えば仕上げ材としてもいけると思うのだが。CIMG7602

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カラマツの板

祭日も休みなしで現場は動く。新築の現場は外壁のカラマツの板を加工する。アルバイト君を雇って作業場の機械で加工する。加工したら現場へ搬入し貼っていく。今回は縦張りで押し縁つきになる。 
 
外壁のいたはりの定番は横に貼る下見張りが多い。板の幅も20センチくらいで2センチくらい重ねる。南京下見張りとか鎧張りとか種類がある。板の幅が20センチ前後と狭いので歩留まりが良くなる。 
 
縦に貼るのは板幅が大きくないとならない。板と板の突きつけ部分に上から押し縁を重ねる。押し縁は4センチくらいあるから下の板は20センチ以上ないと綺麗に見えない。 
 
今回は24センチと広くしかもカラマツなので腐りにくい。丸太から取るには歩留まりが悪すぎて高くつく。好みもあるが個性的で少し古臭くなかなかいい塩梅に仕上がる。欠点は材料費が高くつくことだ。 
 
自分の山から出したカラマツなのでコストは多少安く上がっている。しかも樹齢があったので目も綺麗で節も少ない。製材所もいい板だと褒めていた。板は二種類作ったが幅が24センチと18センチがある。 
 
16センチの方は横に貼る下見用で洋風にも使える。こちらもかなりの量があるのであちこちに使えると思う。むしろこちらが汎用性が高く使いでがある。縦張りは個性的な感じに仕上がるので現場を選ぶ。CIMG7601


一枚板

午前中はお施主様と打合せ。現場へそのまま行って材料の引き上げやゴミを持ち帰る。リフォームの現場へ行くと下駄箱の製作の真っ最中。今回の目玉でもある大仕事です。 
 
実は昨夜遅く作業場で担当大工と息子の二人で欅の厚板を加工したのです。幅が50センチあるので当社の加工機しか入りません。普通の大工はせいぜい広くても45センチぐらいの機械しか持っていません。しかも手動なので重くて大きい欅は苦労します。 
 
その点全自動カンナ盤は押さなくとも自動でできます。しかもカンナ屑はダクトでサイロに送られるので掃除が要りません。大工の疲労度は格段の差があります。これで仕事をしたらもう戻れません。 
 
で、その欅の板を現場搬入してあらかじめ作って置いた箱の上に取り付けます。カウンター材は日に当てたり風に当たると捻れて狂います。言うは易しで一発でピタッと合わせるのは面倒なのです。 
 
当社ではほぼ全ての新築で下駄箱は製作しています。天板は様々の樹種や寸法ですが基本的には一枚板を加工します。大きく挽いて乾燥させて置いた材木を割って何枚かの板をとったり梁に使います。 
 
この在庫の材が減ってきてあと何箇所できるか心配です。今あるのはほとんど欅で他には栓や銀杏が少しです。丸太で購入後5,6年は寝かせないと使えないので資金的には苦しくなります。ですが画竜点睛でたった一品でも本物の一枚板を使うことで現場がグッと締まるのです。CIMG7588