青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

090-1060-9764

仕事を選ぶ

久しぶりに連休をした。あまり忙しくないってことだが。来月から始まる現場はまだパソコンの中だけの世界だ。いつもの温泉に行ったら旧友にバッタリとか花火したら孫が興奮しすぎて寝れなくなったとか。まあのんびりしたものだ。 
 
毎回そうだが現場が始まる前の契約とか銀行手続き、確認申請の頃は気が散るので他の仕事ができない。だから意外と暇なものだ。以前から見積もり中とか計画の段階の方はいる。積極的にこちらから進めることができない。 
 
年間の仕事量は増えていない。と言うよりもやりたい仕事だけをやりたい。不遜なことではあるが。正直に言うとそんなに選ぶほど仕事も来ない。必死で食いつないでいるだけの毎日なのだが。自営の厳しさはそんなものだ。 
 
年々来客数は増えている。大した数ではないがとにかく来客がある。もちろん全てこちらの都合の良い話ばかりでない。何となく合わないなと思う方が多い。そしてもちろん決まらない。 
 
図面を描くことが多いから無料奉仕になる。有料になるタイミングギリギリで来なくなる。弁護士とか医師のように最初から有料にすると言う手もある。誰も来なくなるろうが。 
 
で、仕方ないから最初お会いした時にどこまで無料かお話しする。空手の寸止めではないが有料手前で縁が切れる。断りメールが来てチョンだ。それも含めて仕事なので仕方ないことだが。 
 
やはり当方としては他所では難しい技術やノウハウを生かしたい。金額も含めて同じ仕様では圧倒する仕事をしたい。設計、技術、材料……全てノウハウを生かしたい。30年以上も業界を見ているとこちらの思う方向に向かっていない。 
 
見た目最優先とかローン、土地探しから全てお任せこだわりなしなんてのが増えた。今後も大きく変わらないだろう。新築も減りリフォームも限界が来る。差別化が進むと言う予想もあって高額の仕事が増えるかもしれない。別に当社が高いと言う意味ではないが。


吉田拓郎

いくらか晴れて暑くなった。明日は町内の清掃日だ。仕事を午後から休んで草刈りや清掃に精を出した。展示場の後ろとか普段は滅多に行かない。草や低木が生い茂り境界も隠れてしまった。道路側は歩道まで綺麗にした。 
 
YouTubeを見るようになって懐かしい曲を聴いたりする。学生だった頃に聴いたりコンサートにも行った。だからレコードを聴いたりした歌手が70歳とか聞くと何とも言えなくなる。 
 
フォークソングが流行って吉田拓郎や泉谷しげるなどのコンサートに行った。20歳前のことだが彼らはうんと年上に見えた。もちろん見る側と見られる側の違いもある。YouTubeで何気なく懐かしくて見るのだが吉田拓郎が70歳とか泉谷なんかはもっと上だろう。 
 
荒井由美や中島みゆきが家内より年上とか聞くとエッと思う。こちらも歳をとったが彼らも同じ時間が過ぎている。久しぶりに聴いても45年の歳月が一瞬だったような気がする。 
 
大学にもいかずアルバイトと遊びまくりの毎日だった。将来の希望とかましてや仕事のことなど思いもしなかった。卒業したら学校の推薦で就職するものと思っていた。運悪くと言うか就職もままならずアルバイトで生計を立てていた。 
 
あの頃の先の見えないやるせない気分が曲を聴くと蘇ってくる。やはり吉田拓郎はあの頃と変わらないスターのまままのだ。見た目が多少老けても拓郎は昔のままなのだ。音楽は人の気分や感情を一瞬で引き戻してくれる。 
 
映像で音楽を楽しむ今と違い昔は音だけの世界だった。だから古い曲を聴くと若かりし頃の拓郎をイメージしてしまう。タダで聞けるし誰の曲でも自由自在だ。現役を張ろうとすると昔のままの拓郎を見ると頑張る力が湧いてくる。まだまだ老け込んでなんかいられない。


人口減

朝は小雨もあって肌寒い。昨夜は我が家はコタツを出した。日中も気温が上がらずずっと続いたら農家は困るだろうね。確認申請図面もあって図面描きも続いている。あまり歩かないので調子が悪い。ワンコの散歩もこの雨では難しい。 
 
都知事選挙に出馬した増田氏が地方消滅なる変なレポートを出したことがある。地方衰退とか消滅可能性都市とか騒がれた。人口減は当然としても都市消滅は少し大袈裟だろう。何十年後とかならあり得るかもしれないが。 
 
私は親も家内も地方公務員である。給与とか年金の実態などもわかるつもりである。よく言われるように何かと民間よりは有利だなと思う。そして何より父などの頃より桁外れに増えたのが公務員(企業団)数だ。 
 
同じ地方都市でも中核都市になれるクラスならまだマシだ。1万人以下の小規模都市が厳しいと思う。行政運営のためには人口は1万人クラスでは無理だろう。行政の職員採用は減らしているとは言っても採用数だけだ。現役組を減らすと言うことではない。 
 
10年以上前なら今日の人口減など実感がなかった。その頃は今の採用数よりは何倍も多かった(はずだ)。その職員は30代40代で残っているわけだ。よらば大樹ではないが公務員志向が強まり受験するがなかなか狭き門である。 
 
人口減に比例して職員数削減は当然ありと思う。中核都市ほどなら余った職員くらいは新しい分野の仕事を増やして吸収している。問題は自力でできなくなったところだ。こう言うところは人口減のペースも速い。人口が減れば仕事も減る理屈で職員削減も考えなければならない。 
 
つまり都市ではなく自治体が消滅する可能性の方が高い。世の常で今絶好調でも30年後はわからない。消える自治体は公務員の天下が続かないことを示している。ついこないだのことだが合併に乗り遅れた自治体は苦難が予想される。


打って変わって梅雨らしい天気になった。1日雨でしつこくて雨量も多い。こう言う雨が降るとクレームの電話が気になる。まあ雨漏りなのだが強さではなく雨量が多いと漏る。デザイン優先の住宅ではほぼコーキングだけで雨を防ぐようなのが多い。あれは保たないだろうなといつも思う。 
 
雨漏りではないが瓦屋根の樋で苦労する。瓦は雨が降り始めや強さで落ちる角度が違ってくる。つまり雨樋に入らないで外壁などを濡らす。数奇屋などでは雨樋をつけないで砂利で跳ね返りを防いだりする。積雪地だと雪でで樋が曲がる。 
 
トタン屋根だと雨樋は幅が3寸5分(105ミリ)が普通だ。瓦は最低でも5寸(150ミリ)は欲しい。だが5寸では見た目が悪い。まるで工場の樋のようで見苦しい。しかもアンコウも立て樋もごっつい。 
 
出入りするには樋がないと濡れてしまう。妻側から入れば良いがそうもいかない場合もある。瓦屋根には銅製も多い。見た目もあって角樋で幅が130位になっている。この位無いと入りきらないのだ。銅で和風の角樋は価格も相当する。 
 
日本は雨の仕舞が建物に大きく影響する。たかが樋ひとつでも外観が大きく変わる。雨処理は家の耐久性に大きく貢献する。基本的に軒の少ないものや雨処理が難しいのは避けるようにしている。 
 
初期の頃、と言ってもつい5,6年前までデザインのために雨処理が不十分なことがあった。今だと軒は3尺(90センチ)は出しているが軒なしも過去にはあった。外壁は金属にしたり工夫はするがどうしても漏ってくる。コーキングで処理するのだが基本的には止まらない。 
 
長持ちさせるにはデザインよりも漏らないようにするのが一番だ。デザインは一時の面白さだが築50年を目指すには漏らないようにするのが基本だ。そうすると外観が昔風になりパッとしない。私は内部で工夫するスタイルがこの頃多い。見た目重視の傾向が強まって苦戦はする。しかし雨の度にクレームの電話が鳴るようではこれもまた困る。


鋸屑

今日も暑い、昨日よりは風がある。また朝から倉庫へ在庫チェック。隣の製材所が仕事の切れ目か音がしない。製材機の騒音が作業場まで聞こえる。こちらも負けず騒音だらけなので気にしたことはない。先日サイロの鋸屑を抜いてもらったので今年いっぱいは大丈夫だ。 
 
手刻みには不可欠な鉋盤は猛烈な鋸屑を排出する。建具とか家具でも鋸屑が出るのだが袋に貯めて捨てる。そんなものでも間に合うが当社では無理だろう。柱、梁だけでなく枠材とか仕上げ材まで無垢材から加工をしている。 
 
使用寸法を指定して買うとあまり鋸屑が出ない。当社では下手をすると倍近い寸法から落として作る。当然鋸屑が大量に排出される。乾燥していない場合は浅い加工ではソリが出たりする。厚みを減らしていくと中心に近い部分が出てくるので均一な乾燥になる。つまり狂いにくい。 
 
そんなわかりにくい所にこだわらないと現しの現場は完璧にできない。手刻みで現しの現場はものすごい鋸屑を出している。そう言う設備のない大工たちの苦労は何度も経験済みだ。1日の仕事が終わるとゴミ袋に詰めた鋸屑で作業場がいっぱいになる。 
 
排出設備とサイロは必需品なのだ。一度あまりに大変なので鉋がけを外注したいことがあった。仕上げ方や寸法に不満があって大工たちはやり直してしまう。職人と言う人種が良くわからなかった頃のことだ。自分で好きな仕上げ方があって意に染まないとやり直そうとする。 
 
私から見れば寸法が同じで綺麗に仕上がっていると思っていた。大工は微妙な直角の狂いや寸法のバラツキが気に入らない。ある程度腕に自信があればあるほどうるさく言ってくる。完成した現場を見ると隙間が開いたり曲がってくるのがわかる。 
 
どうしてそうなるかわからなかったが工業製品でない無垢材の特徴だ。作業場で加工した時はまっすぐでも完成後曲がってしまう。目を見ればある程度わかるが現しの現場では0.5ミリも狂うと素人でも気になる。防ぐには十分な乾燥材を最低でも一分(3ミリ)以上削らないと中心の乾燥状態と違ってくる。表面はすぐ乾燥するからだ。 
 
柱の加工では4寸(120ミリ)の仕上げに対して4寸3分(130ミリ)に製材する。乾燥や曲がりによって4寸以下に仕上がる。減らした分はすべて鋸屑となってしまう。サイロに詰まった鋸屑は大金がかかっているからクズとはとても呼べない。