青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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ヤクモノ

午後から雨が降って蒸し暑い。午前中は事務所で午後からお施主様のところへ。図面作成も終盤に差し掛かりほぼ完成。来週は融資とか契約になる。 
 
久しぶりの古民家になりそうだが図面も多くなる。外壁材に貼る板が在庫がない。丸太を購入して挽くのだが製材も久しぶりだ。在庫減らしをしているので2,3年まともな製材がなかった。次の現場分は在庫で間に合うがその次の分が必要だ。今製材すると来春には使える。 
 
手刻みには乾燥した無垢の角を使う。製材所や材木店が激減して市場に出回らなくなって久しい。しかもすぐとなると相当な値段になる。自分で製材して乾燥するより1.5倍くらいになる。コストダウンには自ら製材が必須になる。 
 
角や梁を取ると小割り材も出てくる。家を建てるには角だけでなく小割り材が必要になる。それも結構な金額になる。ざっと半々と言ったところか。中には節のない仕上げ材に使えるようなものも出てくる。 
 
柱を表しにする真壁ではすべての仕上げ材が見えるように作る。もちろん木なら何でも良いと言う訳ではない。並みの小割り材の中から抜き出して使える材を見つける。これが何となく儲かったような気がする。 
 
製材すると必要な数がうまい具合に取れるとは限らない。余るのも足りないのも出てくる。結局は買うことになる。余った材を差し引けばトータルでは個別に買った方が安いかもしれない。乾燥する手間とか考えると益々合わなくなってくる。それでも小割り材からヤクモノ(節のない材)を見つける楽しみがあるからせっせと丸太を買うのかもしれない。


葬儀

今日も暑い。支払いや伝票整理のあと図面作成。倉庫で材料の在庫確認と草刈り。今週は葬儀や法事が多い。そういう年齢になったと言うことだろう。 
 
私の両親は長男長女の結婚で叔父や叔母が健在だ。ほとんど80代になっていつどうなってもと言うのが多い。葬儀では生まれた順に席順が決まるのでいつも上座に座らされる。両親は他の兄弟に比べ早く亡くなった。だから代理でいつもデンと上座に座っている。 
 
最近増えたのが葬儀専用ホール。お寺よりこちらが多いかもしれない。お寺だと畳に座るのが多くしんどい。ホールなら椅子席だからだいぶ楽だ。それに当事者の方も後片付けもないし気を使わなくても良い。 
 
こんな時でもないと滅多に会えない親戚がいる。叔父叔母ならまだしも従兄弟となるとまず会わない。それに叔父叔母は両親の墓参りに来るから会う機会が多い。時間も余裕があって暇つぶし的に遊びに来るし。 
 
従兄弟となるとまだ現役組でしかも遠くにいるのが多い。代理で奥さんが来たりするからよけい会わない。弔問外交ではないがお互いに会う機会はこんな時しかない。子どもの頃しか会ったことがないので近況もほぼわからない。 
 
私はまだ現役なので普段はそれなりに忙しい。せわしない時間ばかり過ごしているがゆったりと時間が過ぎる、こんな時も必要かもしれない。望まなくてもそのうち自分もヒマになるだろう。こうやって老後は過ぎていくのだろう。


続き間

業者と朝から打ち合わせ。11時の葬儀に行って戻ると昼。午後はセッセと書類や見積もりを作成。金融機関に提出するための書類や図面が沢山ある。いつもながら手間がかかるのだがこれをやらないと前に進まない。 
 
今日から半袖にした。朝方は少し肌寒いが日中は暑くてちょうど良い。年々温暖化なのか夏が暑くなっている。我が家も息子たちはエアコン付きだが私のところにはない。郊外にあるので窓を開けると風が通る。 
 
寝室は二階にあって外壁がトタン張りなのですごく暑くなる。なので一階の座敷で寝るとすごく涼しい。毎年4,5回は座敷で寝ている。朝方になると寒くなるので窓を開けられない。 
 
洋風化などと言うのも古臭いが和風住宅は激減した。和室の続き間なんて新築では珍しい。築30年を超えた我が家も総ひば作りで今だったら建てるのが難しい。両親の家として建てた。 
 
元は農家だったので続き間を必要とした。両親の葬儀も自宅でやった。祝い事もなんでも自宅でやるのが普通だったから両親としては当然の間取りだった。私が両親のいない家に代わりに住んでいる。 
 
孫が遊んだり家族で食事したりするときに座敷を使う。普段もテレビを見るのも来客の相手もすべて和室でする。建てた当初は無駄な気がしたが家族が増えて集まるには座敷が一番だ。 
 
リビングと言う形式が主流になってソファーや椅子テーブルが置かれる。家具は簡単に動かせないので部屋を狭くする。座敷には座卓一つしか置かない。だから広々としている。モノを持たない生活と言う条件が付くが使い道の限定されない座敷は貴重な存在だ。古民家風でも続き間はさすがにないが解放して続きのように使えるようにしている。


住宅ローン

午前中は打ち合わせ、午後は業者と打ち合わせ。合間に法務局や測量屋のところへ。せっせと図面を合間に描いているが来訪者で途切れてやりづらい。途中で止めるとまた元からやり直しになる。かと言ってそう都合良くはいかない。 
 
業者と打ち合わせていたら銀行ローンの話になった。私の記憶では新築に限らず施主が自分で金融機関と交渉して資金を用意した。こちらから紹介はあっても手続きや打ち合わせなどに立ち会うこともなかった。今はほとんどローンの世話から工事まで丸ごと面倒を見るのが普通になった。 
 
家を建てるに当たって資金をどうするか施主は一番先に考える。支払い計画は本人でないと決められない。建売が増えて専用ローン付きが増えた。そこから注文住宅であっても住宅会社でローン手続きをする傾向が強くなった。依頼心が強いのか面倒臭いのか他人任せが当たり前になった。 
 
一生に一度のことなのでローンのことを詳しい方はいない。初めてのことだから手伝ってもらったりお任せでやりたがる。車を買うのと同じ感覚と言うことだ。業者側から言えばローンを通せば仕事が取れるようになった。だからどこもローン手続き込みで売り込む。 
 
建売だったらわかるが注文住宅でも増えてきた。注文住宅なら業者を自由に選べるから自分でやるほうが良い。施主は自らの権利を放棄しているように思える。政府の景気振興策もあってローン審査の基準が緩和された。これまでだったら通らない層まで需要を広げた。 
 
ほぼ建売に近い低価格の注文住宅をゆるいローン審査で通して建てさせる。2,3年前からの傾向だ。施主も自分がローン審査に通るか自信がないので住宅会社に何とかしてもらう。そこには家のこだわりとか価格すらも二の次になってしまう危険性がある。審査は金融機関がするもので住宅会社ではないのにお任せが増えた。勢いで建ててしまって後で後悔なんてないことを祈るばかりだ。


アドバイス

今日もスカッとはしないが晴れて暑い。午前中は会計事務所の来社で午後から現場へ。確認申請や銀行提出のために図面や測量図を書く。あちこち役所を廻ったりしてデータを集める。座標がわかると測量図ができる。見積もりもできて最終金額を決定する。 
 
設計事務所だからと言っても測量の分野はよく分からない。座標計算も最近やっとできるようになった。と言ってもCADに入力するだけだが。どちらかと言うとこう言うのは苦手なほうだ。もともと文系の出身だしそもそも数学的なものが嫌だから文系なのだ。 
 
面倒なのでアドバイスをもらえるところへ頼んでいる。測量屋とか土地家屋調査士などが多い。今日も旧知の土地家屋調査士のところへ聞きに行った。測量図はどこへ行くと手に入るかとか境界線上の構築物はどこまで問題になるかなどだ。 
 
土地家屋調査士さんは同年齢で子供も一緒だ。彼のところも息子があとを継いでいる。ベテランの良いところは役所でもめた場合の解決法がわかることだ。溜まったノウハウは法の範囲を超えた解決法を見つける。違法というのではなくどこへ頼めば通せるかすぐわかるからだ。 
 
定年後とか引退後の過ごし方は人それぞれだ。自営の良いところは自分で決められることだが頭で稼げるのは有利だろう。ボケ防止にも良い。肉体的なものは無理でもノウハウを生かせる仕事はいつまでもできる。資格が必要な仕事でも経験は大事だ。頼りになるのは問題解決が必要な場合だ。 
 
彼のところはいつ行っても誰か先客がいる。すんなりと行かない場面に彼のアドバイスは慈雨のように次の展開に役立つ。仕事はうまくいって当たり前だ。ちょっとしたアドバイスで手間もかからず丸く収まるのはものすごく得をした気分になる。