青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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建材店の在庫

天気も回復し暖かい。なので桜がほぼ満開。私は花見どころか現場が仕上げの佳境に入り毎日張り付く。今日は薪ストーブの煙突の取り付け。いつもお世話になっているウッドラックの相馬氏が現場へ。今回は室外の煙突を取り付ける。あとは完成したら本体の設置になる。 
 
仕上げの頃になると細々した材料が足りなくなったりする。ビスを隠すボタンが足りないとか階段手すりを手配していなかったとか…..。その都度ホームセンターへ買い付けに行く。建材店にはほとんど在庫がないので手配になる。 
 
あと2,3日で終わるのに入荷を待っていられない。近頃は建材店の数が減ってしかも在庫をしなくなった。代わりにホームセンターの建材が充実してきた。ベニア類とか内部造作材などほとんど揃う。当社は仕上げ材も加工するのであまり使う機会がなかった。 
 
リフォームなどで既製品を使うことがあって足りない時は買いに行く。実物を見て必要な本数買えるので重宝する。建材も種類が増えてメーカーも建材店も在庫を置かない。その都度取り寄せる。いつも頃からか物流の進歩で在庫なしが当たり前になった。 
 
昔のメーカーの営業は建材店に在庫を押し込むのが仕事みたいなものだった。種類も少なかったし在庫をして配達するのが当然の時代だった。種類が増えると在庫はおろか納期がかかるようになった。現場直送もできるので建材店の倉庫と配達が不要になった。 
 
安く販売する競争になると地元業者より大手に有利になった。仕入れ値が違うのと取引業者が多いのでなんでも揃う。すべてメーカーや問屋に営業をさせてマージンだけ取る。営業マンの人柄で大工たちに売っていたのが時代遅れになった。付き合いよりも価格に重点が置かれる。 
 
結局住宅会社は各種メーカーと直接取引しないで建材店を通して仕入れする。そうなるとメーカー各社は勝手に営業が押しかけてくるようになる。伝票だけが回ってくるので集金とか価格交渉がない。効率よく営業に専念できて一人の営業が広範囲を担当する。関東方面からも売り込みにくる。人との付き合いよりも価格だけに関心が移る。
CIMG4589 のコピー


無垢材の家具

リフォームの現場は家具や仕上げの真っ最中。腰板張りも明日から予定している。家具もほぼ製作が終わり取り付けに入る。箱を作って天板を載せて扉をつける。厚い合板を大工が切って箱にする。あとは塗装と建具屋の仕事です。 
 
家具工事は専門の家具職人がいた。最近は無垢材の家具は少なくベニアを張り合わせたフラッシュという家具が増えた。当社では無垢材の家具も作るが予算によっては厚い合板を使う。表面の仕上げは国産のシナを貼ってある。仕上がった板を切って箱を作るというイメージだ。 
 
無垢材に比べ加工する手間と何より狂いがない。下駄箱のように天板と扉は無垢材を使って箱は合板です。仕上がれば無垢材とあまり違いがない。もちろんオーダーなので建物に合わせて作り付けにする。無垢材でオーダーは高価格なので予算的に限られる。 
 
店舗などもオーダー家具が主流だがフラッシュがほとんどだ。印刷したベニアを貼るので色や柄が自由に選べる。セミオーダーの合板製だと扉以外は規格になるので柄などは選べない。塗装するので色は自由ですが。 
 
ビニールクロスが主流の住宅では白や単色のフラッシュ家具の方がマッチする。無垢材は色以外は選べないからデザインの自由度がなくなる。価格的には合板の方が若干高くつく。 
 
それとは別にJパネルと言う杉の3層合板があって仕上がりは無垢材そのものに見える。切り口も合板と違い無垢材なのでだいぶ本物に近い。無垢材よりも高く付くのが欠点だが狂いがないのと仕上げがいらないので壁材などにも使える。床壁天井と使えばログハウスのような自然な感じになる。
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本物への回帰

昨日の日曜は息子が遅くまで加工をした。現場で取り付けをしている。巾木廻り縁も付き家具も今日から製作に入る。あと2,3日で仕上げが決まってくる。 
 
新築でもそうだがいつも外観が面白くないが内部が良いと言われる。住宅会社などは良いデザインすなわち外観と言うのがある。内部を見る機会は知り合い以外は圧倒的に少ない。その点外観は道路からも見られるし場所によりけりだが目立つ。 
 
建築雑誌などを見ると軒の出がないものや雨仕舞が難しそうなデザインが多い。それもあって住宅会社も似たデザインが主流だ。コスト面でも軒裏も屋根面積も減ってコスト削減にぴったりなのだ。 
 
構造材とか素材の美しさなどはまがい物で作るからなくなった。木目とかは印刷なのだから区別できればと良い。色や面材の構成で見せるやり方に変わった。建材の貼り合わせが多くなった。 
 
木造住宅の美しさは構造材と仕上げ材の素材自体の美でもある。どんな木を使ってどのように壁を塗るかがかってのやり方だった。当社ではできるだけ本物だけで作るので素材自体がデザインになっている。 
 
古臭いとか最新の流行に見慣れた目には平凡に見えるかもしれない。板張りや漆喰を多用するので雨が当たらないように軒の出を深くしたい。片流れや急勾配も避けているのでどうしても古い家と同じになる。 
 
古民家リフォームではプリントベニアやクロス仕上げを剥がして漆喰で仕上げる。巾木や廻り縁も本物でないとおかしい。出入り口も印刷したシート貼りの枠材でなく無垢で作る。それだけで随分本物の古民家のイメージになるものだ。古民家リフォームは本物への回帰でもある。


初歩的なミス

今日は盛岡へ展示会に行く。メーカーのブースを見学後講演会を聞いて4時過ぎに戻る。不在の間、息子から家具の取り付け寸法の確認があった。私の勘違いで間違えて夕方見たらありゃ。大急ぎで付け直して今日1日の息子の仕事がパーになった。やはり打ち合わせは現場でするに限る。たまたま図面に食事用テーブルなので寸法を記入していなかった。こちらのミスでしかも不在中に起きてしまった。 
 
現場は間違えだらけで特に仕上げに入ると気が抜けない。ややこしい作りやデザインにすると一瞬たりとも目が離せない。自分で設計したのだからわかっているが職人はどうしてこんな寸法だろうと思っても作るよりない。図面に明記しなかったこちらのミスだがわかっているだろうと言う思い込みだ。 
 
大工だけでもこんなにあるから他職種まで入れたらかなり複雑になる。いくら図面を書いても打ち合わせしても間違いがある。間違いと言うより職人から見たら変な設計だなあくらいしか思わない。設計者は現場では絶対的な力を持つ。私の場合は管理も兼ねているし支払いをする経営者でもある。その私がこうだと言えば皆そちらを向く。 
 
だからと言って威張ったり慢心するとお客様からお叱りを受けたりする。職人に指示間違いが多いと言うことはお客様に言われたことを聞かない場合が多いものだ。講演会で聞いたことが無になるような初歩的なミスだった。


古民家のデザイン

今朝は一番で手すりの取り付けで業者のところへ。打ち合わせ後現場へ行って取り付け高さなどを決める。午前中かかって完了。現場は先月パーゴラをつけたところで玄関脇に手すりを頼まれる。 
 
リフォームの現場へ行って家具関係の打ち合わせ。家具製作は図面通りいかないのが普通だ。細かい寸法や取り付けの位置などで変わる。もちろん見た目やデザイン上の変更もある。作り付けだけでなく腰板やカウンターなどもあって複雑なデザインになる。さらに薪ストーブもあるので色々なものが溢れる。 
 
リフォームは絶対的な寸法は変えられない。なのでバランスや見た目で少しでも広く余裕を感じられるようにしたい。腰板の寸法一つとっても微妙に鬱陶しさとか出てくる。簡単なのは統一してしまうことで考えなくても良いので楽だ。 
 
内法や作り付けの高さを統一するだけでスキッとして広く感じる。反面面白さに欠ける。素材を変えたりする。建材だと模様を変えたりするのだろう。造作材はほとんど杉なので統一感はあるが違う木を混ぜるとそこが引き立つ。私はそういう場合は付け柱をしたり大黒風に太い柱を立てたりする。 
 
面のデザインだけでなく建築の手法そのものも変える。どちらかと言うと木を多用するので古臭いとか言われるので古民家風をイメージしている。そこのところが今受けているように思う。結構古民家って需要と関心があると思う。イメージをどうやって浸透させるかだけどね。