青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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技術更新の重要会議

昨日より少し肌寒い。朝一で天井用の杉の羽目板を積む。昨夜一部積んでおいたのですぐ出発。現場で降ろして貼り方を大工たちに説明。羽目板は貼り方で多くなったり足りなくなったりする。無駄がでない貼り方がある訳だ。大工には大工なりの貼り方があって仕上がりや施工しやすさを考慮する。 
 
現場管理の要は必要な材料をただ入れただけではダメだ。無垢のフローリングとか羽目板は貼り方向や後で割れにくい貼り方がある。そもそも材料の寸法からして切り捨てる部分が必ずある。それをどういう風に貼ってどのくらい捨てるかで足りなくなったりする。 
 
建材は基本的に貼り方が決まっている。独自の貼り方や組み合わせなどがやりにくい。貼り方向や規格があって混ぜこぜや互い違いなど面白い貼り方ができない。効率重視の製造コスト最優先がこうなってしまった。確かに一定の貼り方に統一すれば誰でもできるし間違いもない。しかしメーカーの都合で余りの部分が出ても再使用しにくくなっている。 
 
それはメーカーのみならず量産住宅メーカーの都合と戦略上の結束に繋がっている。住宅メーカーのやり方を押し付けるのは前からで断熱や耐震など地場工務店の弱点を巧みに突いてくる。手作りとか巧みの技などは建材メーカーや量産住宅メーカーには奪いたい市場になっている。 
 
2020年から断熱基準の義務化が始まり真壁構法にはハードルが少し上がる。何とかクリアしてできる部分から手刻みの良さを生かしたやり方を研究している。現場は息子たち大工と私の言い争いがいつも絶えない。傍目にはケンカでも技術更新の重要会議でもあるのだ。
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オリジナルの在庫

遅い北国の春だが今日は桜も咲きそうなほど暖かい。現場も心なしかのんびりした空気が漂う。屋根の板金も終わって外部は外壁を今日明日あたり完成だ。コーキング工事をすると外部完成となる。大工は中の工事に入り天井から床壁と進む。 
 
息子は作業場で加工の真っ最中でカウンター類や内法を加工する。これの寸法や材質で部屋の雰囲気はだいぶ変わる。わたし的には一番楽しく悩みどころでもある。午後は自宅倉庫の羽目板屋フローリングの在庫をひっくり返し色々デザインを考える。 
 
天井はほとんど杉の羽目板が多い。軽くて施工も簡単で早い。以前は全て加工してオリジナルのものを使っていた。加工屋は持ち込んだ板材を加工するのだが刃物のセッティングに時間がかかる。毎回寸法や厚みが変わる。と言うことは足りないとなると同じものを作れない。だから余るように作る。 
 
日の当たらない倉庫に保管してある量が半端でない。腰板とか狭い部屋の羽目板には十分な量がある。ただし寸法や形状が微妙に違う。材質も杉、赤松、唐松はもちろん栗、アカシア、柳、桜米松…..もっとあるかもしれない。そして形状厚みが違うとくれば揃えるのが大変だ。だからどんどん溜まって倉庫にあふれている。 
 
壁の一部に貼ったり腰板にしたりセッセと減らしてはいる。ところが往々にして残り物は狂ったり節があったり大工の評判は悪い。一部に使うだけでグッと雰囲気が変わって良いのだが。毎回持ち込めば大工たちに白い目で見られる。また持ってきやがって….。在庫減らしに躍起になっている当方としては無理をしても使って欲しい。いつも揉めながら無理を通す。
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4月以降の職人

朝からアルミクズを積んでサッシ屋さんに行く。打ち合わせを済ませゴミから集めたアルミクズを降ろす。サッシ屋は安く捨てるルートがある。溜め込んだガラスアルミ類を処分してもらうのだ。すぐ近くの現場へ寄り外壁の板張りの仕上げを見てから製材所へ。加工して再び現場へ配達。戻ってブログを書く。 
 
4月に入るとあちこちの現場が動き始める。今来ている大工たちも来月には新しい別な現場へ散る。業界の一年は4月から12月までとなる。この時期に着工、完成が多いからだ。逆に言うと1月から3月の間は職人も確保しやすく継続して来る。時間もあるので仕事自体も丁寧ってことだ。 
 
4月に入ると号砲一発掛け持ちであちこち走り回る。だから3月着工とか職人たちにはありがたいことなのだ。ほんの少し早めるだけで手間隙をかけた仕事ができる。職種により多少の違いはあっても2,3月の仕事は貴重なのだ。 
 
職人不足は決定的な事項となった。ロートル軍団も大活躍で少なくとも4月以降は売り手市場になる。70歳近い職人も結構現場では見る。逆に30代とか若者が極端に少ない。土工とか屋根屋とか危険なもの汚いものは特に嫌われる。 
 
基礎屋は4月以降は重なりすぎて仕事を断れることも多い。冬の仕事が極端に無くなる職種なのでその時期に仕事を流して夏の仕事を優先してやってもらうようにしている。値切る、騙すは業界の暗部だったが少しずつ改善されている。払いが悪かったり評判が良くないところには誰も相手にしないからだ。 
 
それとは別に当社のような手刻みの職人にはレベルの高い技術を必要とする。人数の確保だけでなく技術レベルの確保もまた難しい状況になってきた。少なくとも墨付けができて内法などの加工ができる大工が二人いないと新築は難しい。だから息子に大いに期待する訳だ。


太陽光発電

今日も朝から焼き杉の加工。顔から手から鼻の穴まで真っ黒になりながら焼いた。バーナーで焼いてブラシでこすって煤を落とす。この時真っ黒になってしまうのだ。奮闘努力の甲斐あって今日で目処がついた。サイディングも1階が終わって二階を残すのみだ。屋根外壁は明日で大体終わる。朝から現場で足りない材料を運んだり疲れた。良いお天気で快適なのだが立ちっぱなしはしんどい。 
 
午前中太陽光発電の屋根メーカーが訪ねてきた。今月の2日に東京の省エネ展に行ったがその時屋根メーカーに資料をもらった。名刺を渡したのでこちらの担当者が訪ねて来たと言うわけだ。カナメという屋根材メーカーで太陽光発電パネル一体型の屋根を展示していた。 
 
太陽光発電は4,5年前までかなり買取価格が高くてブームになった。私的にはあまり屋根にも傷をつけるしいずれ終わるブームと思っていた。そもそも家自体にかかる負担が大きくしかも売電やコントロールをするためのパワーコンディシヨナーが高く寿命も短い。 
 
パネル自体は寿命も20年近くと長いがこう言った機器類が高くしかも検査が頻繁だ。電力会社が簡単に済むわけがないと思っていた。役所的な体質の電力会社には買取には相当な要件があると思っていた。新築すると役所の検査があるのは電気と上下水道だ。どちらも競争のない独占だから向こうの言いなりにしかできない。 
  
その電力会社が買い取るのだから機器類の検査や交換が頻繁だろうと思っていた。案の定10年ほどで20万もする機器を交換することになる。工事費自体もかかるしメンテナンスもかなりかかる。電気料金が4,5万と大消費者でもない限り電気代でペイするのは難しい。
  
ただ今回興味を持ったのは屋根に上からビス留めで雨漏りの心配のある方法でないことだった。屋根自体がパネル設置屋根になっており雨漏りの心配がないことだった。消費者に直接販売するケースが多く素人の無知につけ込んだ工事だ。将来のことより目先に電気代の節約にばかり目がいく。 
 
工事費に余分に150万円以上かけしかも10年毎に20万円の機器交換やメンテナンスが必要だ。冷静に考えればあまり割りあわない勘定だと思うがどうだろうか。日中在宅の方でオール電化住宅に住み定年退職後に電気代を節約したいという方向きだ。CIMG4508


焼き杉

少しずつ暖かくなって昨日の日曜は午前中は事務所で午後からいつもの温泉に行った。山間の谷間の中にある温泉は駐車場が湧き水が湧くので春先は膿んでブヨブヨになる。毎年砕石を入れたりしているが何せ水が湧くところだ。 
 
例年春先は農作業が始まるころなので空いてくる。昨日もいつもより少ない。銭湯、温泉は空いてくると湯温が下がり込んでくると高くなる。なので昨日は温めでゆったり入れる。 
 
息子夫婦が買い物に行くと孫を置いていく。孫も買い物より家内と遊ぶのが好きで帰ると言わない。家内は保育士なので小さい子はお手の物だ。食事時には私に世話が回ってくるがとても付き合いきれない。たまに可愛がるくらいが丁度良い。 
 
今日は現場が板張りが始まる。担当は息子なので作業場は休みで現場へ直行する。焼き杉を貼るのだが角や端部が多い。一部の材料は現場でバーナーを使って焼く。カセットボンベに口がついていて炎を噴射する。難しくもないので私でもできる。焼いた後ブラッシングするのだが体中口の中まで真っ黒になる。 
 
展示場で試したので焼いただけだとすぐ落ちる。やはり塗装はしたほうが良い。無色の外部塗料を塗ると良い。着色すると建材のようであまり味がない。やはりその辺が経験がものをいう。サイディングも同時に貼り始めるので今週中に完成する。CIMG4499