青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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現場は雨樋が付き煙突も設置した。テレビのアンテナが終われば足場をとる。ほぼ完成形になるので国道側からの見栄えが良くなる。来月の完工で国道の歩道工事が進む。片側通行なので渋滞して待ち時間に現場が見える。 
 
内部は大工が床工事の最中だ。階段や上がり框などが出来て内部空間の広さがわかる。天井の杉の板張りと床の栗のフローリングが漆喰の白さを引き立てる。リビングが20畳以上あって家族が集まるには十分だ。 
 
キッチンからはほぼ全景を見渡せ奥様には使いやすい。高台にあるので日当たりは良いが大きな開口は少ない。開口が大きすぎてカーテン閉めっきりなんてのはない。外部から直接見えないところにつけた。 
 
30年くらい前の家だと南側全面が開口と言うのが多かった。見えすぎてカーテンを閉めっぱなしでいつも暗い。開けると床や畳が焼けるし丸見えなので閉めて使うのが多かった。今だと開口は断熱が劣るので寒い。 
 
ペアガラスが主流になって価格が上がり必要なところに最小限につけるのが増えた。小さな間取りの部屋が多いと開口も増えてコストが上がり断熱も落ちる。LDタイプが増えて開口が大きするとエアコンばかり使う。 
 
明るさも必要なので吹き抜けや外部から見えにくいところに付ける。床面につける引き戸タイプは床にあたるので高いところの小さめの嵌め殺し窓より明るさは少ない。こうすることでコストも下がり床焼けも防げる。 
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建物の深み

昨日もいつもの温泉へ。暖かい日なのに空いている。こんな鄙びた温泉ですらマスク着用をして欲しいと。よく見ると温泉の息子がマスク無しで働いているではないか。保健所かなんかの指導ってことか。 
 
現場はいよいよ天井を終えて今日から床のフローリング。同時に玄関の上がり框と出入り口下枠、階段等も付けていく。息子がつける部分で相棒が床を貼る。現場は床張りが済むと急に完成後がわかりやすくなる。 
 
天井もだが床は入り口や框など先付けが多い。仕上げ材によって縁切りの枠材を入れたり作り付けの寸法などが出来てくる。だからどこがどのように仕上がるかわかるのだ。壁の工事は最終仕上げと言うことだ。 
 
階段や作り付けが無いのとあるのとでは空間の広さが変わってくる。付くと分かっているのだがどのくらいの圧迫感かはわからない。もちろん設計者は分かってやっているのだが。 
 
規格型の箱型でない部屋などは特にわかりにくい。設計をしていても思い通りにできるのはかなりの経験を必要とする。真四角な箱の組み合わせとは空間認識が異なる。さらに天井高さもある。 
 
経験ばかりが良い設計者の決め手ではない。デザイン感覚とか建築以外の知識は建物の奥行きや深みを変える。一番理解しにくい逆に学びにくいところだろう。少なくとも計算だけで家が建つと思っているとすごく薄っぺらなものができる。


ストーブ置き場

月が変わって師走に突入。浮かれた気分にはなれない。せめてもと行政主導のプレミアム食事券なるものも登場。流行りのgotoなんとかと同じ。飲食店のバックアップなのか持ち帰りの食事券になっている。焼け石に水と思うが。 
 
現場は外部が終了しいよいよ内部に入る。天井からやり始め床を敷き作り付けを終えると壁になる。もちろん漆喰など仕上げの下地なのだが。少しだけ高い天井は空間を広く見せる。ほぼワンルーム形式なので小学生の子供たちには広々している。 
 
小上がりもあって和室兼子供たちの勉強コーナーになっている。45センチ高いので天井が低いとうまくいかない。床下は基礎まで80センチあって収納となっている。琉球畳を起こして下に潜る。6畳ほどあるから結構な収納量だ。 
 
当社には薪ストーブ設置の方が多い。こちらもそうなのだがストーブは土間に置かれる。薪のゴミや灰が散って床が汚くなる。コンクリート土間なら気にする必要はない。ストックの薪も多めにおけるから便利この上ない。 
 
ただ床に段差ができて使い勝手がイマイチなところもある。土間は素足やスリッパでは入れない。リビングに置こうとすると広さが必要になる。今回は玄関土間と兼用で使い勝手は良いと思う。ただどうしても日当たりが良くないところに来る。 
 
吹き抜けを使ってストーブ空間を明るくした。玄関の土間が広いと言うことだ。昔は玄関が広くストーブなども置いてある家が多かった。それの現代版とも言える。来客空間としての玄関と言う考え方を少し変えると使い勝手が良くなる。IMG_1690


コロナの影響

先日の残り雪が溶けて現場はドロドロ。まだ整地が済んでいないから午前中は溶けて歩きにくい。外部の塗装が今日から再開。休んでいた大工が今日から来た。腰を悪くして古傷がぶり返したらしい。 
 
コロナの影響もあって各社とも少なめに推移している。職人不足も持ち直して何とかなっている。また増えてきたら一体どうなるだろうか。景気が良くなれば元の木阿弥になるだろう。 
 
職人の高齢化は着実に進み技能修習も目処がつかない。土工は結構見かけるが大工などの現場はあまり見ない。当社のような仕事は昨日今日の職人では到底無理だ。教えるなんて時間も無いし期待薄だ。 
 
仕事が減って見学会やイベントなどが自粛でできない。となるとどうやって客を集めるか頭をひねっている。展示場がやたらに増えて採算がとれるのかどうか。自宅近くでも見学会があってあまり盛況とは言えなかった。 
 
この状態はしばらく続きそうで資金の乏しいところは厳しい。展示場は土地、建物と総額が大きい。融資で建てるのだが資金が続くのやら怪しい。銀行も経営が厳しく貸し剝がしがあればパニックだ。 
 
何やら2,3年後には相当数の業者が市場から退場することになりそうだ。人口減や高齢化の進行がヒシヒシと迫ってくる。広告を打とうにも採算がとれるかどうか。知名度が上がるとノンビリしたことは言ってられない。


終の住処

気温が下がり風も強くなった。外作業がきつくなる季節になった。大工の相棒が腰を痛めて休んでいる。疲れも溜まり寒くなるとなりやすい。材料や下職のスケジュールは問題ないが工期が遅れ気味になる。 
 
小工事が増えて忙しいのだが大型物件、新築がない。何処も同じと見えてセッセとリフォームに勤しんでいる。本音は新築が欲しいのだがあれば良いと納得しているようだ。 
 
言わずもながコロナは徐々に影響力を発揮している。新築意欲も無くなるだろうと推測できる。問題はこれがいつ回復するかだ。来年以降だろうが元に戻るかは見通せない。 
 
少し不安に思うのが本当に来年回復するだろうかだ。仕事も減り転職先もなく家でジッとしているだけだ。仕事があったからと言ってもすぐ新築意欲が湧くかどうかだ。若者は難しいだろう。 
 
そこで頼みは中高年だがあるものと無いものの差は大きい。財産があっても死ねば何にもならない。終の住処でも小さい目の凝った家作りがあるかもしれない。数は期待できないしどこでも出来る訳では無い。 
 
そこが当社の狙いなのだが中々想い通りにいかない。引き合いはあるのだが契約には至らない。待つより仕方がないところが辛い。見学会もままならず悶々として過ごすしかない。IMG_1686