青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

090-1060-9764

ブランド牛

この頃ふとすると今日何をしたか思い出せない時がある。今日も午前中何をしたかなかなか出てこない。現場へ行って銀行へ寄って製材所へ行って…..あと何をしたっけ。午後もドア交換の現場へ行って作業場へ行って材木を積んで現場へ届けてクタクタになって帰ってブログを書いて….。毎日同じことを繰り返していると記憶に残らない。 
 
作業場の鋸屑を貯めるサイロが満杯になった。近くの牛舎に引き取ってもらっていた。牛の数を減らしたとかで引き取ってくれない。慌てて近所の牛舎を回ってさがした。すぐ近くに5,6頭しか置いてないが引き取ってくれるところがあった。経営者は40代で若く大卒だ。親の肉牛経営を継ぐ予定でなかったが継いだ。 
 
一度東京で就職しているので地元しか知らないのとは少し違うところがある。若い経営者仲間を取りまとめたり顔が広い。当社としても現場が増えるとかなりの鋸屑が発生する。小さいところだとすぐ引き取りを拒否される。そこで彼が仲間に連絡して引き取ってくれるところを探してくれる。 
 
肉牛の世界は等級次第で儲かったり損をしたりする。またブランドに左右されるので地域で名を売って広めたい。単独ではなかなか生き残れない。なので仲間が集まって共同でブランドを作ったりPRをする。そのリーダーが彼なのだ。 
 
国産材の世界同様地元産をどうやって売るか皆真剣なのだ。木の場合は地元志向が強く各地に出荷するということがなかった。LVLとかCLTとかで杉を大量に買ってくれるので間接的に全国に出荷される。牛と違ってブランドと言う意味ではないかもしれないが量がさばける。 
 
ブランド牛ほどでなくても何とか地域材を無垢で使ってもらえるようになれば価格も高く経営も安定する。現状は山から出しても赤字になるケースがある。無垢材の家が増えると良いのだが製材所や材木店などもなくなって難しくなった。牛のように消費者に直接販売できるルートがあれば良いと思う。


ウッドデッキ

昨日も今日もベランダの現場とリフォームの現場が続く。連休どころか忙しい。ベランダは完成して午後から引き渡し。リフォームの現場も材料も配達で作業場と現場を何往復もする。 
  
ベランダは加工と取り付けで3日かかった。もっと簡単かと思ったが施工も下穴を開けて丁寧に取り付けした。普通ならもっと細い材料で簡単にやるだろう。材料があったのでこうなったが他所ではあり得ないかもしれない。 
 
ご近所の方もびっくりの出来になった。ビスを打つにも下穴を開けて取り付けた。塗装も組み立て前に全部塗った。普通なら外側だけで済ます。作業場であらかじめ塗装して組み立てた。 
 
デッキ床も45ミリの厚板を使用し柱類も4寸角だ。主屋が3.5寸角なのにデッキが太い。普通は逆だろう。お施主様も大喜びでパーゴラ部分に藤を絡ませてたいと言う。 
 
建物はデザインが命とよく言うが私的には素材の魅力次第だと思っている。自然素材の持つ木の暖かさや匂いは格別だ。理屈抜きで癒される。もちろんだが満足してもらえる。丸太買いのなせる技だが多少の太さはそれほどコストに影響されない。
CIMG4481


現場管理

現場が重なり大工たちも刻みや加工で忙しい。なので現場への配達が私の仕事になる。作業場と現場を片道40分かけて3往復。ほぼ一日がかりで途中久しぶりの雨で濡れて余計疲れます。今日は夕食後バタンキューでしょう。 
 
経費節約というか粗利の確保など種々の理由で私の仕事が増えた。いつもなら大工たちに刻みから配達まで任せきりだった。原価を下げるには材料費だけでなく人件費が大きい。職人の手間賃と段取り次第で大きく変わる。 
 
簡単に言えば職人たちに本来の仕事をさせて雑用はさせないのが肝心なのだ。住宅会社などは現場管理の人件費を節約して職人に押し付けるところがある。下請けはギリギリの予算しかないので余計な仕事はしない。材料が足りないと仕入れ先に催促する。それが普通なのだが当社では私が引き取って間に合わせる。そのためにトラックで現場廻りは必要条件なのだ。 
 
現場に乗用車で来るようでは余計なコストがかかっていることになる。もっとも現場へ来る社長や営業も少ないかもしれない。何れにしても現場を進めるには職人に余計な仕事をさせないことが肝要だ。ゴミ処分や材料の引き取りはやらせないに限る。 
 
住宅業界では営業と現場管理と経営者の3人は必要だ。その経費を稼ぐには4,5棟の現場が必要だ。それほど知名度もない零細住宅会社には相当なハードルの高さだ。昨今のように競争激化と激安では継続するのは容易でない。 
 
当社では利益率確保のために私が現場管理と発注をこなす。設計者であるから現場での指示は的確にできる。さらに細かいところまで現場で確認の上指示するから間違いも少ない。良いことばかりだがたった私の体力が持つかどうかが懸念なのだ。


手刻みの危機

現場が重なると大工の刻みが追いつかなくなる。要するに材料の手配が間に合わなくなる。集成材の大壁と違って4寸角でも一ム角と並角を用意する。ちょうど在庫があれば良いが無ければ製材所から買うことになる。その製材所だっていつも乾燥したのがあるとは限らない。角だけでも面倒なのに小割り材も4,5種類用意する。 
 
丸太買いの時は小割りも在庫がかなりあって間に合っていた。もちろん乾燥材だ。その当たり前が在庫を減らすと製材所の倉庫を探さないとならない。製材所だって当社のためにばかり在庫しているわけでないから都合よく見つからない。 
 
で、結局どうなるかと言うと大きめのから挽き落とす。単価は高くなる。それに付き合う私の手間もかかる。建材のように電話1本で現場配達なんてワケにはいかない。加工業者とか製材所とか建具屋とか真壁造りに欠かせない業者がドンドン廃業が相次ぐ。 
 
四面楚歌の現況は本格的な手刻みの真壁造りが厳しさを増している。私のところは大工の息子がいるからそちらの心配はしなくても良い。材料と下請け業者がなんとかなれば今でも可能だ。 
 
古民家リフォームを標榜してこう言うのもなんだが難しさは急カーブで増している。宮大工の息子と作業場が完備しているだけも今では貴重だ。古民家風と言っても外部の屋根垂木だけ凝って内部は大壁のクロス貼りなんてのばかりだ。 
 
土台の栗もこだわる現場以外は探せなくなった。2mの短い材木ばかりで長い4mとか探せない。いくら腐りにくて丈夫と言っても短いのをつないで作るのは手間がかかるし弱い。ヒバとかヒノキの方が見つかるしやすい。大工だって軽いから大歓迎だ。


古民家リフォーム

リフォームの現場へ行ってきその確認。その後デッキの現場へ基礎屋を連れて行く。デッキの床下の束石を入れる。夕方までかかって完成した。作業場で刻みの確認後リフォームの現場へ戻り大工たちと打ち合わせ。来週から二つに分かれる。 
 
リフームの現場も2週間になるが解体が最初だったので劇的に進んだ。外部はほぼ壊して外断熱を貼り付けた。サッシも取り付けたし薪ストーブの煙突も完成する。来週から増築部分の建て方も始まる。これができると外部は完成だ。 
 
外壁はサイディングと焼き杉を予定している。玄関周りは焼き杉の下見張りにササラを付ける。いわゆる鎧張りだが本格的な和風では定番だ。焼き杉はバーナーで炙った既製品が売っている。ササラとか一部は自分でバーナーで炙る。 
 
展示場はグルリと焼き杉になっている。作業をする大工も煤で真っ黒になり大変だ。軍手をしても中まで真っ黒になる。切り口や足りない部材は炙って作るがこれも熱くて大変だ。展示場の時は面白半分に手伝ったが鼻の穴まで真っ黒になった。 
 
展示場は無塗装だが雨風で煤はすぐ取れる。今回は黒っぽい塗装をする予定だ。古民家風はやはり鎧張りでないと決まらない。焼き杉とか凝ればなお風雅なものになる。古民家リフォームっぽい仕上がりになる。