青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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古民家のデザイン

今朝は一番で手すりの取り付けで業者のところへ。打ち合わせ後現場へ行って取り付け高さなどを決める。午前中かかって完了。現場は先月パーゴラをつけたところで玄関脇に手すりを頼まれる。 
 
リフォームの現場へ行って家具関係の打ち合わせ。家具製作は図面通りいかないのが普通だ。細かい寸法や取り付けの位置などで変わる。もちろん見た目やデザイン上の変更もある。作り付けだけでなく腰板やカウンターなどもあって複雑なデザインになる。さらに薪ストーブもあるので色々なものが溢れる。 
 
リフォームは絶対的な寸法は変えられない。なのでバランスや見た目で少しでも広く余裕を感じられるようにしたい。腰板の寸法一つとっても微妙に鬱陶しさとか出てくる。簡単なのは統一してしまうことで考えなくても良いので楽だ。 
 
内法や作り付けの高さを統一するだけでスキッとして広く感じる。反面面白さに欠ける。素材を変えたりする。建材だと模様を変えたりするのだろう。造作材はほとんど杉なので統一感はあるが違う木を混ぜるとそこが引き立つ。私はそういう場合は付け柱をしたり大黒風に太い柱を立てたりする。 
 
面のデザインだけでなく建築の手法そのものも変える。どちらかと言うと木を多用するので古臭いとか言われるので古民家風をイメージしている。そこのところが今受けているように思う。結構古民家って需要と関心があると思う。イメージをどうやって浸透させるかだけどね。


造作材

今日も現場はカウンターや出入り口枠を付ける。一番肝心なところで大工たちも気を抜けない。息子は作業場で加工をして夕方から搬入。明日からいよいよ家具工事に入る。砂利敷きを頼まれた現場も午前中で終了。手すりも予定していたがお施主様の都合で延期。 
 
出入り口枠や窓枠は建材が主流になった。ビス止めで簡単に取り付けできる。当社ではいつも杉材を加工して敷居鴨居を付ける。無節の柾目の材を加工して上吊りのレールをつける。枠材の幅は建材などは21ミリぐらいだが75ミリくらいの幅がある。 
 
窓枠なども同じで見つけの幅は大きい。巾木も既製品は60ミリだが120ミリもある。同じく腰板などの見切りも120みりある。なんでも大きければ良いのでないが見た目は立派に見える。作る方から言うと120ミリ幅の材料を用意するだけでも大変だ。加工前は150ミリ近くあるので相当な太い丸太から取る。 
 
枠幅、巾木、廻り縁、見切りと造作はある程度大きいと見映えする。とは言っても材を用意するには相当な金額を覚悟する。造作用に太い丸太から専用に大きめに挽いて乾燥させる。使う時に改めて挽き直す。買うとなるといくらするか見当がつかない。 
 
丸太買いでこう言うことが自由自在なのがわかるとやめられない。柱や梁とか構造材の寸法より造作の寸法が見映えに大きく影響する。本格的な和室を作る際に天井板も長押もすべて本物で作る。多分宮大工以外は滅多にやることがなくなったやり方だろう。
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大木

仕上げが佳境に入った現場は大工が大忙し。作業場では息子が加工をして寸法や形状の確認で打ち合わせ。午後は免許の書き換えでどう言う訳か電話が鳴る。砕石を撒いて欲しいと言うのがあって見積もりに行く。手すりの取り付けの部材がやっと入って業者と打ち合わせ。 
 
作業場を借りている製材所は宮大工との付き合いが多い。挽く丸太も住宅と違い値段が桁違い。今日もお寺用に米ヒバの樹齢1000年とか800年とかの丸太が入荷した。国産のヒバが手に入りにくくなって大径木は輸入物になった。ヒバの代用品は北米の米ヒバがほとんどだ。 
 
本堂の鴨居とか廻り縁などはヒバの無節を使う。全国的にはヒノキが主流だがこちらではヒバが多い。ヒノキも樹齢1000年とかはもう国内にはない。台湾とかも滅多に手に入らない。宮大工たちは大木を求めて世界中を探す。 
 
商社と組んでブローカーが輸入販売する。億単位の取引で製材所はブローカーも兼ねているから次々と入荷する。製材する量も半端でないから仕事がなくて廃業が当たり前の業界で珍しい。 
 
同級生でもあり広い倉庫の片隅を借りて作業場にしている。材料はすぐそこにあるし修正挽きもすぐできる。片隅と言っても100坪以上もあるので倉庫と作業場にしている。一番のメリットは200ボルトの動力の電気で独自メーターにすると高い。 
 
製材所は電気使用量が半端でない。だから容量契約で単価的には安い。自分のところの一部だから配線が繋がっている。で、電気代を安くしてもらって借りている。もっとも私のところで使うと向こうの一部が使えなくなるらしい。  
 
何と言っても作業場は機械が命で電気がないと役に立たない。製材所にしても微々たるものだが材木を買ってくれるし電気代をもらえなくてもメリットがあると踏んだのだろう。当社にばかりメリットがある契約に違いない。CIMG4568


転換点

昨日のみぞれ混じりの季節外れの天気が回復して晴れる。少し肌寒いが現場のゴミが濡れるのは困る。明日からまた崩れそうだが内部の仕事ばかりで影響はない。 
 
3年前に屋根の葺き替えをしたことがあって雨が漏りそうだと電話がきた。さっそく現場へ行き確認する。地域材の家作りの本を見て前回は仕事を依頼された。その時ベランダの屋根を葺き替えるために木造の床を撤去した。工事後もそのままにしてあった。 
 
お施主様は木が好きで山持ちである。それもあって地域材の本は見ていた。今回は私が広告を出しているのを見て電話が来た。で、床の話が出てきたわけだ。 
 
ベランダは鉄製で床だけ栗の板が貼ってあった。たまたま私はヒバの板が在庫であった。フローリングでも作ろうとネットで試しに買ったものだ。値段が高くて結局は加工することもなく倉庫に積んであった。 
 
それを思い出して木が好きな方ならヒバは喜ばれると思い見積もりした。何枚か足りなかったが隣の製材所の在庫で間に合うと思う。ただし製材所のものはヒバではなくサワラだった。ヒノキの変種でサワラは赤いがこれは黄色い。まるでヒバのようだが年輪を見ると荒い。成長が早いからだ。 
 
お施主様と交渉したらサワラでも良いと。来週にも息子たちが加工してやることになった。これも広告のおかげかもしれない。広告は新規の方だけでなく古い客にも思いだしてもらうチャンスになる。 
 
一昨年古民家風を見積もりしたことがあってローンでキャンセルになったことがあった。簡単に言うと通らなかったのだ。高年齢で自営業の方は通らない方が多い。収入も財産もあるのだが会社の借り入れと年齢で引っかかる。 
 
先日久しぶりにお会いしてまだまだ未練たっぷりの様子だった。私の広告を見ていてご夫婦で何とかならないものかとおっしゃる。今回の古民家の広告はかなり影響力があるようでもしかすると後年大きな転換期になるかもしれない。


大工の種類

いつになく塗装屋が混んで日曜に現場へ来る。仕方なく私も午前中だけ出社。簡単に打ち合わせ後事務所へ。見積もりを作ったり図面など。午後からいつもの温泉へ。 
 
明けて今日も大工と塗装屋。現場へ行くとものすごいシンナーの臭い。外壁の一部に塗装用の外壁材を使っている。小一時間もするとシンナーに酔ってくる。酒も弱いがシンナーにも弱い。外部塗装は今日で終わる。大工がいなくなったら内部塗装になる。板が多いから内部塗装もかかる。 
 
内法とか窓枠の加工した材木で作る部分が最高潮だ。ほとんど息子がやるのだが間に合わなくなると手伝ってもらう。大工さんは技術レベルが違うことがあまり一般に知られていない。単にベテランだからと誰でもできるとは限らない。向上心を持ち常に道具を手入れし現場を踏んだ者しかできない仕事がある。 
 
年代で言うと一番現場で多いのは60代、ほぼ半分を占める。50代と40代が残り半分と言うところだ。30代は少なくて全体の1割もいるかどうか。プレカットになって20年以上になるが40代以下は手刻みの家を知らない。50代だって墨付けをやったことがないのが多い。 
 
自分で請け負って手刻みで家を建てたのは60代の一部になる。墨付けをちゃんとできるのは半分もいるかどうか。大概はただ刻んだことがある程度だろう。内部の造作とか内法付けなど難しいところはやらせてもらえなかった者も多い。 

当社の現場では墨付けはもちろん内法や造作は息子ともう一人でやる。墨付けも手分けしてやっている。新しい大工を見つけてもせいぜい外壁張りとボード貼りばかりやりたがる。腕がと言うより道具をもっていないからだ。 
 
職人は腕に比例して道具をもっている。ただ持っているだけでなく手入れをしていないと使えない。プレカット全盛で使うことのない道具は奥にしまって手入れをしていない。慌てて出しても使い物にならないからそういう仕事はしない。 
 
マニアのような通称”道具バカ”は昔はいっぱいいた。道具屋にツケが溜まり過ぎて首がまわらないのもいた。常にツケがあるのが普通だった。作業場の隅の古タンスに鑿カンナが何十本も入っている。息子のコレクションだが引退したベテランからもらったのも多い。もらえるのは使いこなせると先輩に認められた証拠でもある。現場に行くと何種類か大工たちが働いている。見た目では区別がつかないが。