青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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ロボット

朝夕より日中が寒いと言う一日。気温が上がらず外の仕事は捗らないが外の現場はない。助っ人の若い大工が今日から来る。久しぶりの若者と言う感じで息子が年寄りに見える。 
 
日銀の発表では景気はあらゆる産業で横ばいなのに住宅建築だけがマイナスだ。バブル崩壊後量的な発展から構造改革で質的な発展へと変化した。 
 
小売業はデパート、スーパーから専門店チェーンに移った。工場もAIやロボットが導入されたし海外へ移転した。農業だって個人から企業へと集約化が進む。 
 
建築それも住宅は30年以上前と少しも変わらない。表面的なデザインや断熱は変化したが職人の技術や環境はあまり変わらない。安い手間賃と元請けの言いなりでちっとも進歩しない技術。 
 
建材メーカーの主導で手間賃を減らす事ばかり進歩して住宅の質そのものは同じだ。同じ高額商品の車はコスト競争も行き着くところまで行き更に電気へと変化しそうだ。 
 
今のままだと大手に職人を持って行かれて地元業者は生き残れない。大手と競争しようにも勝てる技術もない。今日きた若者は機械で釘を打つスピードがめっぽう早い。そう言う技術ばかりが進歩した。 
 
地元材を使って手刻みの家なんて興味がないだろう。もちろん覚える機会もない。客の意向で気にいるような家を建てると言う感覚がほぼない。お雨はロボットかと言いたくなってしまう。


差別化

朝は雨が降って暖かいと思ったら日中はあまり上がらず寒い。現場で今日の打ち合わせをしていると電気ドラムから煙が出て壊れた。何年も使って寿命だったのか。 
 
外部は昨夜遅く迄かかって手摺が完成した。二階ベランダは木製の手すりが設置される。床も木製なのでイメージが統一される。外部用の塗料を塗る予定だ。 
 
今朝も足場業者が現場の様子を見に来た。足場業は足場を所有し組み立てて貸す。資材の回転数が利益の決めたなのでできるだけ早く持っていきたい。 
 
営業と足場の組立工が全てで足場は何度も使い回す。鉄製なので重く建物に傷をつけられないので組み立ては重労働になる。夏は塩水を飲みながら頑張る。 
 
足場は差別化が難しい商売で値段だけが唯一の決め手になる。競争も過酷で規模拡大で薄利多売の典型例だ。工務店などより大手の住宅会社が安いのは当たり前のことだ。
 
将来的に中小の業者が淘汰されるのは間違いない。そうなると差別化の難しい業種はさらなるコストダウンが要求される。職人も外国人が増えそうな例だろう。 
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溢れる仕事

寒さに慣れたのか1月なのに寒くない。現場も今日は外部の完成に精を出した。手摺も付けてあとは塗装するのみだ。内部も天井ボードも完了し枠材や出入り口枠などをつけると壁ができる。 
 
来週からは集成材を使って造り付けや棚を作る。造作工事は時間がかかるので材料は早めに発注する。来月中旬からは仕上げの漆喰と天井の和紙を用意する。 
 
現場の隣は遣り方も出して基礎に取り掛かった。来月の後半には上棟できる。昔なら真冬に上棟なんて考えられなかった。時は流れ職人不足で時期を選ぶ余裕がなくなった。 
 
一年ごとに職人不足になって大型リフォームとか手間のかかる新築が減った。現場監督と営業ばかりが溢れて基礎とか大工がいなくなった。 
 
大工も一人でやれる小さいリフォームが主流になり人集めに苦労する。2,3人の単位に別れ大型物件には対応できない。やたら時間がかかるリフォームもたまに見かける。 
 
仕事のオファーがあちこちから来て会って話す時間ばかりが増えた。成約できるかどうかはっきりしない物件が溢れている。今月だけでも何件も現場を見に行っている。 


終の住処

朝一番で現場で打ち合わせ。すぐ新しい物件の現場へ。昼に戻って図面やら見積もり。市内は暖かく雪も溶け春の気配がするが郊外の山奥に行くと一面真っ白。積雪も20センチはあって現場周辺は長靴でないと歩けない。 
 
都会に住む70代の方の別荘というか終の住処を建てたいと。地主の方から紹介があった。周辺は農業振興地域で一面畑。夜になれば真っ暗になる。 
 
一応市内なのだが過疎地の気配が濃厚なところだ。農業と牧場があって春になればのんびりした田舎になる。私は似たようなところに住んでいるので特に寂しいとは思わないが。 
 
地主は無農薬の野菜とか果樹を栽培したり都会ともツテがある。その縁で話が出たのか田舎に住みたいとのこと。まだ具体的なことは未定だが高齢者の終の住処のようなものだろうか。 
 
古民家リフォームも似たような要素があって終の住処を新築するかリフォームするかなのだ。今度は都会から田舎へと言う要素が増えただけだ。人生100年時代は70代でもまだ先が長い。 
 
余裕のある高齢者には資産を残すよりも残り少ない自分への投資も選択肢だ。小さくともそれなりに便利でバリアフリーに対処した家を望む。家族向きの細々した間取りの家は似合わない。


造り付け

荒れ模様の天気のはずが曇ったものの気温も上がる。どこなく春の気配がするのだが気のせいかもしれない。現場は大工と電気が入り下地作りが進む。 
 
天井は明日からボードを貼れるようになる。電気工事も配線が完了する。今週中に壁まで貼れるようになる。外部も少し残っているので終わらせる。 
 
造り付けの打ち合わせやら材料の手配をしないとならない。赤松の集成材で作るのだが予め下地を入れておかないとならない。 
 
棚などは裏板を貼ってどこでも取り付けできようにする方法もある。キッチンとか既製品はほとんどそうなっている。造り付けというより家具取り付けという感じだ。 
 
昔の造り付けは柱等にがっちりと止めるのが普通だ。だから造り付けは下地のないところは入れないとならない。なかなか面倒な仕事で出来上がり寸法がこの時決まる。 
 
既製品が普通になって裏板の一部に下地を入れ壁はどこでも留められるようになった。これだと大壁仕上げの場合は特にどこでも可能になる。簡単になったということだ。