青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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本物の家

少し間が開いたが別に調子が悪かった訳ではない。あまり書くことが無かっただけなのだ。年々ペースが落ちて書く量も減った。先月末に孫が産まれて事務所の隣にいる。自宅に帰れば別な孫がいる。家内は孫の世話に忙しいがこちらは特にない。
 
今は毎日薪を割って積んでいる。息子の嫁さんの実家から栗の伐採を頼まれた。畑の周りに植えたのだが大きくなり過ぎた。息子が暇な時に倒して玉切りして運んで来る。割るのはほとんど私の仕事だ。来年の薪はほぼ心配無い量になった。 
 
去年知り合いの方が国産材で家を建てたいと話が来た。私より高齢だからあまり真面目に聞いていなかった。何せ急ぐ話では無いから中々進まない。家を建てたいと来る方は40代とか若い人が多い。60代を過ぎるとグンと減る。 
 
こう言うのは今回が初めてではない。前に私と同い歳の方の家を建てた、60過ぎてからだ。羨ましいことに世の中にはお金を溜め込んだ方がいる。若い時からセッセと貯めて気が付けば相続税の心配が出てきた。早い話が税金で財産を持って行かれる。 
 
子供も独り立ちし親からの援助なんてあまり要らない。爪に火を灯すような生活を続け築50年近い家に住む。質素な生活の中で子育ても終わって最後の贅沢を思いついた、そんな感じだ。大手の住宅会社で大きな家は望むべくもない。 
 
子供の頃の古民家風の小さな家を望む。もちろん当時は古民家では無く普通の家だった。老後のことも考えて平家のこじんまりした家だ。手刻みと漆喰の家と言う感じだ。予算も余裕があり面倒くさいことも言わない。 
 
大手の住宅会社とか安物専門の地元会社ばかり増えた。本物でこじんまりした家をやる業者はほぼいない。材木や職人を集めるのも大変だ。何より設計ができるのはもっと減った。こう言うのが増えるかもしれない。だとすれば忙しくなるのだろうか。


薪割り

大寒も過ぎて一番寒い季節である。事務所も自宅も薪ストーブなので減り方が半端でない。自宅は小さいストーブながら1日燃やすので消費する。事務所は大型だが午後はあまり燃やさない。 
 
目安としては1日ネコ車一台は楽にいく。寒いともっといくかもしれない。週一回は事務所に薪を運ぶがあっと言う間に減る。3年目の原木からのナラは乾燥している。木くい虫が皮と身の間に粉を溜めるので持ち運びの時に汚れる。 
 
2年目だと乾燥も良く虫も少ない。1年目はまだ未乾燥で水分の蒸発で暖かくない。現場での余りや貰い物の木の薪も結構な量あるから来年あたりまで持ちそうだ。栗の伐採も頼まれているので伐って薪にする。 
 
こう言う伐採の話は良くあるのでチェンソー持参で取りに行く。倒して枝を払い玉切りして運ぶ。生の木は1mほどでもかなりの重量だ。玉切りしないとトラックに積めない。トラックとチェンソーがあればどこでもOKだ。 
 
これがあるからトラックは薪ストーブには必需品になる。庭木などだと枝も片付けないといけないからだ。伐った玉は自宅の土場に積む。土日の暇な時に割るのだがかなりの体力が要る。一昨年には腰を痛めて整形外科に通った、 

 
ゆっくりやればいい運動にはなる。割って積んで一年は外に置く。2年目は倉庫の中に積み直しさらに一年。やっと使い頃になる訳だ。山から買った原木は長さも太さも揃えてある。貰い物は長さや太さが混じってしまう。 
 
曲がったのや節も多く割るのも乾燥も時間がかかる。真っ直ぐで素直な木は割るのも乾燥も早い。薪用を買うと貰い物のように安くはできないが楽なのだ。ストーブが増えて薪の値段は毎年上がる。自分で割るこちらには関係ないが。


辰年

今年はどう言う辰年になるやら。新年早々地震や飛行機の事故とか暗いスタートになった。先週あたりから株価がバブル以来の高値水準らしい。色々な業種で人手不足が言われ景気も持ち直す予想が増えた。 
 
建築業界も人手不足は進んで現場が遅れ気味のようだ。10年前に比べあちこちから声が掛かるなんて夢のようだ。あの頃から職人人口の多い世代が引退してしまった。現場があるのに職人不足で断るなんてところもある。 
 
60代で何とか頑張っていたが70代になるとグンと減る。流石に一日仕事はキツい。私の同年代はほぼ引退してしまった。親方になって仕事は取るが大きな物件はできない。仲間を集めようにもさっぱり反応がない。 
 
半日だったらとか1日おきにとか情けない返事ばかりだ。まあ若い時のように体力が続かない。かく言う私も色々しんどい状況ではある。体力がいらない仕事とは言え気力も落ちて苦労している。ソフトも進化しバージョンアップの費用と動かす根気がなくなった。 
 
大手の進出とデザインなどの変化で住宅業界も変わる。新聞広告で客集めをして見学会がトンと見なくなった。インスタとかテレビ広告に変化している。となると費用と若いデザインに劣る地元会社はキツい。 
 
設計事務所も住宅会社の下請け以外は減っている。知名度を上げ宣伝するのは時間と金がかかる。しかも客の好みや先進性が大手の方がうまく宣伝する。当社は初めから古いものがウリだからあまり影響がないはずだが……。


思念の抱負

さて、新年が明けた。我が家は年末から忙しい。クリスマスは孫のところでケーキを食べる。大晦日は息子娘たち家族が集まり食事会をする。自宅は大広間があり20人ぐらいは収容できる。明けて新年となり孫たちにお年玉をあげる。9日は孫の誕生日で隣の家にまたケーキを食べに行く。 
 
その都度プレゼントを買いに一緒に行く。孫にはクリスマスからお年玉、誕生日と文字どうり盆と正月が一緒に来る。しかも冬休み中なので時間もありたっぷり相手をしてもらえる。至福の時間は冬休みが終わって終了となる。今月娘のところも予定なのでまた増える。 
 
我が家だけでなく景気も回復基調のようだ。値上げラッシュは賃上げに心理的に応援となる。観光業や外食業はコロナ前に戻したようだし今年こその期待は否が応でもでも上がる。業界によりまだらではあるが明るい兆しはどの業界もある。 
 
建築関係は材料の値上げは浸透し職人の手間も上がりそうだ。ここ何年か全国規模の会社や地元以外の住宅会社が増えた。反面地元業者は冴えないところが多い。広告も新聞とか地元雑誌などからテレビに移って資金に難があるところは厳しい。 
 
住宅会社の苦境とは裏腹に職人たちは仕事を選べるようになってきた。人手不足が原因で現場はあっても着工できない。原価の上昇は激しくなり利益も出ない。絶対的には少数物件だから住宅会社同士の競争は激しい。 
 
煽りを受けて中小の地元業者は消滅の危機にある。他人事でなく当社も物件は減っている。せっかく物件があっても建材は値上げで職人は人手不足で上がり気味だ。製材所とか材木屋が消滅し手刻みの家をウリのところはほぼ無くなった。 
 
今年も何とか作業場と在庫は確保した。こう言う厳しい時代でも国産材や本物の家作りを望む方はいる。頼みの大工の息子は住宅会社から声がかかり忙しい。材木と大工が手刻みの家には必要最低限だ。経費はかかるが何とか頑張って今年も続けていきたい。


花梨ジャム

この間の日曜日、花梨ジャムを作った。晩秋に収穫した黄色い花梨を10個ばかり。作り方は簡単、洗ってヘタや変色した部分を取る。そのまま小さく切って中の種も一緒に煮る。20分煮て煮汁を濾してグラニュー糖を入れてさらに40分煮る。 
 
すると実からは考えつかない赤いジャムができる。ジャムと言ってもトロミがつく程度である。煮る時間を長くすればいくらか固くなる。透明な澱粉のような硬めのゼリー状になって来る。パンに塗るとかの使い方ではなく紅茶などに混ぜると美味しい。 
 
私はコーヒーに混ぜるがお湯でといても美味しい。喉の薬として知られている。独特の風味があるのであまり馴染みはないだろう。我が家び庭に昔から花梨の木があって実がついても捨てていた。欲しいという方がいて差し上げたらジャムを作ってよこした。 
 
見た目は綺麗だが渋みがあってパンには合わない。たまたまコーヒーに混ぜたら美味しいではないか。独特のエグ味にハマってあっと言う間に無くなった。去年は大豊作で50個も取れてもったいのであちこち差し上げた。 
 
期待した今年はどういう訳か4個しか取れない大不作。家内の実家で捨てていたのをもらってジャムにした。当然と言うか大きい実ほど味が濃くトロミも強い。今回は大きいのが2個しかなく味としては物足りない。エグ味もなく平凡な味と思う。 
 
暇に任せて色々ジャムを作る。ブルーベリーとかリンゴは平凡すぎてクセのあるものに凝っている。ハスカップとかカシスも増やして作ろうと思っている。梅、キウイ、ジョミもなかなかいける。材料に不足しないのが良い。