青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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無垢材のリスク

いよいよ梅雨明けで朝から暑い。現場ももちろん朝から猛暑。板張りの続く新築の現場は今日で半分はいくか。リフォームの方は塗装が頑張って日曜までかかって終わらせる。その後漆喰が入り今月中で完成の予定だ。 
 
板張りの現場では昨日張った板が狂っているのが出た。予測されたことで両側を固定しないで置いた。両側を固定して狂うってことは割れると言うことだ。 
 
板の端に打つのだが合わせ目に重ねてまた打つ。つまり最初の釘を隠すのだが割れも隠れる。杉に比べカラマツは捻れやすく硬くて強度があるのでねじれる力も強い。釘で押さえても割れてねじれる。 
 
そこで片側だけ止めて少し落ち着かせてから反対側を止める。効果があるものかどうかはわからない。以前杉では経験済みだが片面を止めると反ってしまう。無理矢理直しながら片面を止めた。 
 
このやり方は手間がかかり多分他の業者はやらないだろう。そもそもカラマツの板は無節に近いほどの良材だ。狂いや割れには強い筈で未乾燥で縮む以外は問題は出にくい。  
 
たかが外壁の板貼りでも無垢材を使うリスクは大きい。後で狂って隙間が開いたり凸凹になるのは見苦しい。当社としては中途半端なことはできないし期待を裏切るわけにはいかない。このような家つくりを希望する方がいる限り挑戦し続けなけばならない。CIMG7619


外壁張り

今朝は久しぶりに早起きをしてワンコを連れ出す。いつもの遊歩道はアスファルトの割れ目から草が生い茂り朝露に濡れる。さすがに涼しいので歩いてもあまり汗をかかない。ワンコも朝露と草のタネを身体中につけて汚れてしまった。 
 
リフォームの現場は大工が終わって塗装と屋根が入る。今週中にも塗装が終わるが左官業者が火曜からになった。月曜はバルコニーの取り付けを予定している。何とか今月中の完成を目指して奮闘中だ。 
 
新築の方はアルバイト君と二人で外壁の板貼りを開始した。月火と加工をしたカラマツの板を今朝から運んだ。午後から取り付け開始で4分の1貼り終わった。反ったり乾燥して縮むのを予想して片側しか釘を打たない。 
 
一年近く乾燥したとは言えカンナをかけるとまだ少し生っぽい。縮むのと反るのを見越して片側しか釘を打たない。時間をおいて様子を見て両側の釘を打つ。その後押し縁を継ぎ目に止める。 
 
縦張りは板の幅が大きくなるので反りやすい。杉がほとんどだがカラマツも幅を小さくして施工する。今回は幅が240ミリと大きい。当然縮みも大きくなると思われる。暴れることに関しては正面から釘打ちと押し縁のビスで抑える。 
 
反りや暴れが大きすぎたら真ん中にもビスを打つ。そこまでやらなくとも良いような気もするが結果次第だ。無垢材を外部に使うと色々問題が出てくる。それも含めてうまくいくとそれは綺麗な外壁になる。CIMG7612


先読み

晴れたが気温はさほど上がらず仕事にはちょうど良い。新築の現場は板張りの準備が整い明日から開始する。当分板張りにかかり今月中はかかる。明日からまた応援が入るので少しは捗りそうだ。 
 
リフォームの方は大工が終わっていよいよ塗装と漆喰が始まる。追加工事もあって1週間ほど遅れてしまった。リフォームにはよくあることで思いついて増えていくものだ。何とか材料も間に合わせ少し突貫で完成させた。 
 
リフォームはお施主様の好みや嗜好により先読みすることが肝心だ。玄関を直せば外部のタタキもやるとか関連するものが増えていく。素人には簡単そうに見えても資材や職人の手配は容易ではない。 
 
ここを直したいと言われても追加が出そうか考えてみる。ここを直せばこちらも気になるだろうかとか予測するわけだ。それができないと次々と増えて業者の予定が狂い次々と遅れていく。 
 
中には予定がずれると工事ができなくなるものも出てくる。皆忙しいし予定が決まっている。こちらの都合で遅れらかせばできなくなるのも当然だ。そこをよく考慮し予定を組みお施主様にも説明する。 
 
関連する仕事をお知らせすることで施主様にも考えていただく。それもなく行き当たりばったりだと工期はずれるは資材だけが入荷して現場は大混乱だ。だからリフォームの現場管理は気が抜けない日が続く。


大工好み

朝方の雨も上がり日中は曇ってスッキリしない。おかげで気温も上がらず快適は快適なのだが。新築の現場では一人で今日明日と外壁を張る準備の下地を作る。明後日またアルバイト君を雇って運ぶ予定だ。 
 
リフォームの方はほぼ完了で細部を残して明日にも終わる。予定では3週間ほどだったが追加工事があって遅れてしまった。大工は早いことで有名なのだが彼をもってしてもリフォームは手間がかかる。 
 
栗の腰板が周り漆喰で仕上げる。もちろん細部の作りも栗なので加工から取り付けまで手間がかかる。材料を揃えるのが大変だったがそれなりの仕上がりになった。 
 
玄関も少し拡大し屋根を出したので何とか和風の玄関らしくなった。こんな玄関は大工は得意でこちらの意図よりも複雑で立派だ。特に言わなくても勝手に材料を加工し自分好みに仕上げる。 
 
職人は自分の得意な分野には手間と材料を惜しまない。と言うより勝手に自分好みにしてしまう。予算的に大きな問題がなければやりたいようにやらせる。施主様も大いに気に入っていただいた。 
 
古民家とか和風住宅では設計者よりも大工の方がよくわかっている部分もある。好き放題をやらせると単に田舎臭いのができると言う危険性もある。施主次第で気に入ってもらえるなら構わないと思っている。大工も大いに乗って仕事できたし。


カラマツ

朝から小雨が降りしきり夕方までやまない。リフォームの現場はいよいよ最後の追い込みに入り明日明後日で完了か。作業場では外壁に使うカラマツの板の加工の最中。今日中には上がりそうだが現場搬入ができない。 
 
以前書いたようにカラマツは樹齢5,60年で昨秋山から出した。出してすぐ製材して乾燥させて置いた。カラマツは比較的まっすぐで4番玉まで取れる。建築用材としては2番までが良いところだ。 
 
太くまっすぐだと3番玉までいけるが枝が多いので節それも抜け節が多い。チップ用として出したので伐採工賃は賄えた。製材した材としては上々で良い板が取れた。カラマツはヤニが多く捻れて割れも入りやすい。 
 
まあ暴れる木と言うことだが今回はほとんど狂いもなく抜け節もない。幅24センチで挽いたが曲がるのでカンナをかけると3センチも減る。今度のは1センチくらいしか減っていない。歩留まりも良い。 
 
ヤニが多いのは水に強く腐りにくい。日に焼けて赤くなるが徐々に黒っぽく変色する。あまり無節が取れないので小節の板になる。無節信仰の強い大工には不興で狂いもあるので喜ばれない。 
 
洋風っぽくなりがちで和風の本格派には向かない。古民家とか数奇屋のイメージではない。北欧風のペンキを塗った家なんかのイメージだろう。節のないところをうまく使えば仕上げ材としてもいけると思うのだが。CIMG7602

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