青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

090-1060-9764

カラマツの板

祭日も休みなしで現場は動く。新築の現場は外壁のカラマツの板を加工する。アルバイト君を雇って作業場の機械で加工する。加工したら現場へ搬入し貼っていく。今回は縦張りで押し縁つきになる。 
 
外壁のいたはりの定番は横に貼る下見張りが多い。板の幅も20センチくらいで2センチくらい重ねる。南京下見張りとか鎧張りとか種類がある。板の幅が20センチ前後と狭いので歩留まりが良くなる。 
 
縦に貼るのは板幅が大きくないとならない。板と板の突きつけ部分に上から押し縁を重ねる。押し縁は4センチくらいあるから下の板は20センチ以上ないと綺麗に見えない。 
 
今回は24センチと広くしかもカラマツなので腐りにくい。丸太から取るには歩留まりが悪すぎて高くつく。好みもあるが個性的で少し古臭くなかなかいい塩梅に仕上がる。欠点は材料費が高くつくことだ。 
 
自分の山から出したカラマツなのでコストは多少安く上がっている。しかも樹齢があったので目も綺麗で節も少ない。製材所もいい板だと褒めていた。板は二種類作ったが幅が24センチと18センチがある。 
 
16センチの方は横に貼る下見用で洋風にも使える。こちらもかなりの量があるのであちこちに使えると思う。むしろこちらが汎用性が高く使いでがある。縦張りは個性的な感じに仕上がるので現場を選ぶ。CIMG7601


一枚板

午前中はお施主様と打合せ。現場へそのまま行って材料の引き上げやゴミを持ち帰る。リフォームの現場へ行くと下駄箱の製作の真っ最中。今回の目玉でもある大仕事です。 
 
実は昨夜遅く作業場で担当大工と息子の二人で欅の厚板を加工したのです。幅が50センチあるので当社の加工機しか入りません。普通の大工はせいぜい広くても45センチぐらいの機械しか持っていません。しかも手動なので重くて大きい欅は苦労します。 
 
その点全自動カンナ盤は押さなくとも自動でできます。しかもカンナ屑はダクトでサイロに送られるので掃除が要りません。大工の疲労度は格段の差があります。これで仕事をしたらもう戻れません。 
 
で、その欅の板を現場搬入してあらかじめ作って置いた箱の上に取り付けます。カウンター材は日に当てたり風に当たると捻れて狂います。言うは易しで一発でピタッと合わせるのは面倒なのです。 
 
当社ではほぼ全ての新築で下駄箱は製作しています。天板は様々の樹種や寸法ですが基本的には一枚板を加工します。大きく挽いて乾燥させて置いた材木を割って何枚かの板をとったり梁に使います。 
 
この在庫の材が減ってきてあと何箇所できるか心配です。今あるのはほとんど欅で他には栓や銀杏が少しです。丸太で購入後5,6年は寝かせないと使えないので資金的には苦しくなります。ですが画竜点睛でたった一品でも本物の一枚板を使うことで現場がグッと締まるのです。CIMG7588


現場管理

午前中は雨が降って蒸し暑い。午後から晴れて夏の日差しが照りつける。両方とも大工だけの現場になる。相棒が見つからない新築の現場は一人で外部の下地を作る。 
 
大工が最終コーナーに差し掛かったリフォームの現場は玄関と下駄箱に取り掛かる。あと3日くらいで完成しそうだが細々材料の搬入が続く。たった一つの材料や金物がないだけでも完成しないので催促が激しくなる。 
 
午前中は材木の午後からはボードの搬入をした。明日からの3連休に入る建材はメーカーに今日中に引き取るしかない。これができないとリフォームの現場は管理できない。建材店が休みに入るのを確認してどこへ行けば人れるかチェックする。 
 
問屋、建材店は週休二日が浸透し土曜日の作業になるときはあらかじめ搬入しないとならない。もちろんメーカーも休みだから金曜には調べておかないとならない。職人は今日のことしか頭にないから明日のことを予測する。 
 
これとこれを使うだろうと予測し発注搬入する。間に合わなければどこへ引き取れば調べる。のんびり待っていたら連休が文字通り休みになってしまう。職人は基本的に日曜しか休まないから遊ばせることになる。 
 
現場管理は職人たちの手配だけでなく材料の搬入まで管理する。次々と別な職人が入って来るから一つの職種で突っかかっていられない。玉突きになって現場が遅れてしまう。CIMG7582


外断熱

今日も新築の現場は外部の通気胴縁をつける。先日できた風除室の屋根の板金を終えた。後は軒裏ができて破風をつけ雨樋をつけて完成だ。外部周りは最初が軒裏、次が外壁となって塗装をして完成する。 
 
とりあえず外壁を張るためには通気の為の胴縁をつけないとならない。外断熱なので外壁材を止める材木が必要だ。これを通気胴縁と呼ぶが外壁を止める為だから結構たくさんつける。 
 
外断熱は柱の外に断熱材を張るから通気胴縁で押さえる。内部から出た湿気を抜くのが通気で結露とかにならないようにする。柱の中に断熱材を入れる充填断熱だと外壁は柱に止める。 
 
充填断熱に比べ外断熱は断熱材を挟むので重い外壁材を止めるのに強力な止め金具を使う。そもそも充填断熱の場合はグラスウールで外断熱は高いウレタンを使う。そして外壁を止めるのにもコストがかかる。 
 
外断熱は手間がかかるしコストアップしてしまう。その代わり気密テープで隙間を埋めるので性能は良くなる。充填断熱は隙間多く施工者のレベルで性能が落ちてしまう。補うために内部に気密シートを張るがそれとて隙間が出やすい。 
 
グラスウールとウレタンは2,3倍と価格の開きが大きい。当社は真壁造りなので壁の空間が小さく外断熱以外はできない。手刻みと言うだけでもコストは高くなりがちで断熱もかかってしまう。そこをいかにしてコストを下げるかがノウハウで日夜研究している。


阿吽の呼吸

昨夜の雨が残って今朝は曇り。午後からは晴れていつもの暑い一日。新築の現場では今日から一人になり応援が来るまで頑張る。来週にも予定しているが来てみないと。 
 
リフォームの方は大工が終盤に来て玄関とか下駄箱にかかる。今回のリフォームでは一番の見どころで大工には腕の見せ所。屋根はできて垂木現しで二重になっている。壁も腰板を貼り上部は漆喰になる。本格和風の定番だろう。 
 
玄関引戸を開けると中には幅50センチの欅の一枚カウンターになる。上がり框も周囲の腰板もカウンターと相まって和風の本格派そのものだ。今回の目玉だ。 
 
今日で大工は3週間になるがまだ2,3日かかりそうだ。リフォームは思ったよりかかる場合が多い。施主様が追加するのと壊してからやり方が変わるからだ。やってみないととはよく言うことだがやり方がの変更は複雑に増えることが多い。 
 
そこをどう言う風に見込むかだが経験しかない。何度も場を踏むと中はどうなっているかわかって来る。それでも増えるケースがほとんどだ。思い切り高く見積もりを出せば良いのだがそのことでキャンセルされるのも痛い。 
 
で、結局相場を慎重に見て他と同じになるように出す。後は追加があまり出ないように祈るのみだ。そこは大工もわかっているからうまく処理してくれる。ベテランの大工としか組めないのはそこの阿吽ができるからだ。